私たちは皆、ビジネスの継続的な成長を望んでいます。問題は、「どこから始めるのか」ということです。成功を導き出す専門家であり、作家のブライアン・トレーシーは、「ハンマーしか持っていなければ、すべてが釘のように見える」と言っています。
私たちはハンマーを持って歩き回る以上のことができます。私はビジネスを成長させる4つの方法を特定し、それぞれの良し悪しを精査することで、より戦略的になれると考えています。
1.広告
ビジネスの成長を促進するにあたって、とりわけどこから始めたらいいか分からない場合に、まず手をつけるのがここ、つまり広告です。オンライン・テレビ・ラジオ・印刷物・ニュースレター・看板・クーポン・販促物・バス停のベンチや地元コミュニティの掲示板に名刺を貼るなど、広告の手段は山ほどあります。
広告の長所
・短期間で大勢の人にリーチできる可能性がある。
・専門のプロに依頼して行うので、わずかな労力で済む。
・大量のセールスリードを得ることができる。
・特定の購買層やさまざまな地域をターゲットにすることができる。
広告の短所
・ビジネス拡大のために潜在的にもっともコストがかかる方法である。
・広告キャンペーンが戦略性に欠ける場合、一切の成果が得られない可能性がある。
・いくつかの統計によると、見込み顧客が少なくとも広告を5回目にするか、営業フォローアップを行った後に、売上の80%がもたらされることがわかっている。つまり、広告キャンペーンは、長期的な戦略が必要となる。
・消費者は、日々広告攻めにあっており、そのがらくたの山をくぐり抜けて、興味を惹くのは、なかなか難しいかもしれない。
2.広報
広報(PR)は、企業と社会、個人と社会の間のメッセージを取り扱う仕事です。優れたPRは、ストーリーテリングを通して、また製品やサービスの販売を促進することによって、企業の認知度を上げ、信頼度を高め、そしてブランドや企業の評価向上に努めます。これは、通常プレスリリースやテレビのニュース番組の特集、その他新聞、雑誌やウェブへの出稿などを通じて行われます。
PRの長所
・ブランドに対する好意的な認知を向上させるために費用対効果の高い手法である。
・PRは、特にメディアとの関係を通じて、信頼性を向上させるために効果的な手段である。
・あなたの企業の特集記事を執筆する有能なジャーナリストが第三者として推薦してくれたり、応援してくれることは非常に価値が高い。
・優れたPRは、他のマーケティング活動の効果を高め、そして拡散することができる。
PRの短所
・PRの目的は、一般的にブランドを構築すること。売上にすぐに繋がるというものではない。
・ジャーナリストや世間一般との関係構築には時間を要する。広報活動の結果は、すぐに出るものではない。
・マーケティング施策の結果検証は、非常に重要。しかし、PRキャンペーンは従来のマーケティングではないため、その成功を評価することは難しい場合が多い。
3.コールドコール(営業の売り込み電話)
約97%の営業担当者は、コールドコール(売り込み電話)が好きではありません。コールドコールが好きだと主張する残り3%の人は、嘘をついているかよっぽどの仕事好きのどちらかでしょう。これほど多くの営業担当者がコールドコールを嫌っているのに、なぜ彼らは続けているのでしょうか。それは、おそらくコールドコールが、考えつく新規ビジネスへの最短ルートだと考えているからなのでしょう。
コールドコールの長所
・コールドコールをすることで、電話を受けた多くの見込み客が決して返答しないような完璧な留守電メッセージを残す技術を磨くことができる。
・コールドコールをすることで人格が形成され、それはあなたにとっては良いことだと思われる。
・あなたが相当な件数の売り込み電話をすれば、最終的に誰かはあなたに同情し、もしかしたら何か買ってくれるかもしれない。
コールドコールの短所
・なんといっても「コールド」コールなので、冷たくあしらわれる。
・成功の兆しが見込めるまで、何百回のコールドコールを要することもある。
・フォローアップのために何百回も電話をかけることになる。
・コールドコールを受けた人は、発信者を着信拒否したり、そのまま電話を切ったりすることが多い。
4.ネットワーキングとリファーラル
新規ビジネスについての理想的な足掛かりは、リファーラルという形でもたらされます。リファーラルは、新たな機会の中でも最も質のよい形であり、あなたやあなたのビジネスに対する敬意の表れでもあります。リファーラルを提供する人の願いは、紹介した自分の家族や友人、仕事仲間をあなたが担当することによって、あなたの素晴らしさを認めてもらいたいということ。それ以外に本人は何も得るものはないということを考えてみてください。
ネットワーキングとリファーラルの長所
・リファーラルによる顧客の成約率は、コールドコールによる見込み客よりも300~700%高い。
・リファーラルによる顧客は、一般の顧客よりも4倍長く継続利用する。
・リファーラルからの顧客は、それ以外の顧客と比較して、最初の1年間で3~4倍多く購入する。
・リファーラルによる顧客は、将来的にあなたを彼らの家族、友人、同僚に紹介する可能性が高い。
ネットワーキングとリファーラルの短所
・質の高いリファーラルは、お金を出して手に入れるものではない。深いビジネス関係を構築するために時間と労力を費やして獲得しなければならない。
・リファーラルマーケティングのシステムや戦略がなければ、リファーラルは滅多に受け取ることができなかったり、いつ発生するのかわからない状態になる。
・有益なリファーラルを出し合う関係性は、信頼に基づくものであるため、その構築には時間がかかる。
さて、もうあなたはビジネスを成長させる4つの方法について熟知し、それぞれの長所と短所も理解していますから、何が自分のビジネスに最も適した方法なのか知識に基づいた選択ができるはずです。おそらく、4つの方法を組み合わせて使う(あるいはすでに使っている)でしょうか。私は、ビジネスパーソンとして、自分のキャリアの、とある時期にこれらのすべてを活用しました。
30年以上にわたってビジネスを成長させ、経営してきた私の経験では、リファーラルはビジネスの成長において最もコストのかからない形で、おおむね、長期的に良い結果を生み続けています。
訳=川崎あゆみ