ビジネスにおけるネットワーキングは、単に練習するだけでは十分な成果につながるものではありません。効果的に訓練することが必要です。会合に出席したり、あるいは形だけ真似をしても、ネットワーキングのスキルを向上させたり、あなたのビジネスを強化したりすることはできません。
人脈作りが苦手な人たちにとって、そのスキルを完璧なものにするための努力を続けることは必要不可欠。ただし、「習うより慣れろ」という諺がありますが、現実には半分にしかあてはまらないので、あたなが期待するほど、練習すれば完璧な成果が得られるということにはならないかもしれません。
実際のところ、質の良い練習を重ねることによってのみ、申し分のない結果が得られるので。
以前、音楽の教師が、生徒たちに対して、「質の悪い練習をしても、質の悪い音楽家にしかなれません」と言ったのを聞いたことがあります。ビジネスにおけるネットワーキングにおいても同じことが言えます。明けても暮れても、間違った方法で練習をしてしまったら、間違ったネットワーキングの仕方が非常に得意な人になってしまうでしょう。
武道からの学び
武道において、「最高の結果は、徹底した練習によって生まれる」と先生は教えます。ただ先生や先輩の真似をするだけでは、学んでいることにはなりませんし、また成長もできません。武道の型(空手で基本的な姿勢と動きの練習)を行う度に、試合に出場しているかのごとく、あるいは、先生があなたの練習するところを見ているかのように手を抜かず、真剣勝負で臨むことが大切です。集中力を持って練習することのみが、成長につながるのです。あなたのネットワーキングについても同じことが当てはまります。中途半端な気持ちでテクニックを取り入れても、結局は、あまり良い結果は得られません。
ネットワーキングのために必要なスキルを磨くのは大切なことです。でも通り一遍のやり方で、そして覚悟を決めて取り組むことをせず、努力を重ねなければ、ネットワーキングの達人にはなれません。
毎週参加するチャプターミーティングやさまざまな団体で行う短いプレゼンテーションについて考えてみましょう。多くのメンバーが、何について話すのか曖昧なイメージしか持たないまま、準備も練習もせずに参加しています。しかも準備をしていない人は、他のメンバーのプレゼンテーションを聴いていません。そういう人は、自分の番が回ってきたときに、自分が話したいことをどのように言うかで頭がいっぱい。いよいよ順番が回ってきたら、プロフェッショナルとはいえない、最低限度のプレゼンテーションをすることになります。そういった人たちは、一応練習はしたとしても、それは十分な練習ではなかったということを結果が証明しています。
教師からの学び
教師たちは、準備をしないで授業に望むと思いますか? 優れた教師なら、生徒たちに学んで欲しい内容をゴールに設定し、目標を掲げます。そして、授業の中で話す内容について一言一句まで念入りに準備することに時間を費やします。授業で学ぶ内容への理解をさらに深めるため、また授業内容での学びをより深めるための視覚教材や配布物を準備します。
ビジネスパーソンとして、教師たちが行っていることと似たようなゴール、目的を持つことをお勧めします。自分自身に聞いてみてください。あなたに対して見込み客を紹介してもらうためには、あなたのビジネスについてのプレゼンテーションを聴いた人たちに、そもそもどのようなことを知って欲しいですか?
あなたの伝えたいことを相手に届けるためには練習が必要です。立ち上がって、準備もなしにプレゼンテーションをしたところで、あなたが望むものを手に入れることはできません。あなたが人脈作りにおいて目標としているものを達成するためには、これ以上できないというくらいの練習を重ねるべきです。
もしあなたの説明プランが曖昧で、人前に立ってプレゼンテーションをする準備ができていないのであれば、リファーラル・パートナーたちは、あなたへのリファーラルとして、知りあいをどのように紹介したら良いのか明確に描けないまま、ミーティングが終わってしまうことになります。
ビジネスにおいて成功するためには、時間もかかりますし、効果的な準備が必要です。ミーティングやイベントの後には、自分で、またはビジネスで親しくしている仲間と、自分のネットワーキングで試みたことやプレゼンテーションを振り返ることもできるでしょう。どんな戦略を用いましたか? あなたが交流を持った人たちに、心に残る印象を与えられましたか?何がうまくいき、改善が必要なのはどんなことでしょう? 徹底的に練習するということは、あなた自身とあなたのビジネスに対していかに責任を持って関わるのかということなのです。
訳=川崎あゆみ