ネットワーキングでの効果的なコミュニケーション

2023/03/06

コミュニケーションを効果的に取ることは難しいものです。もし簡単であれば、コミュニケーションに関する書籍やトレーニングプログラム、このテーマに関する研究リサーチなども必要ないでしょう。さらに離婚や戦争もはるかに少ないはずですね。しかし、ビジネスのネットワーキングにおいてコミュニケーションは必要不可欠。あなたのビジネスとあなた自身のマーケティング活動において、成功するかどうかは、あなたのコミュニケーションスキルにかかっています。あなたが伝えるメッセージが明確で簡潔であればあるほど、リファーラルパートナーに伝わりやすくなります。

コミュニケーションに失敗する3つの共通点

  1. 話しすぎる
  2. 専門用語を使う
  3. 内容が一般的すぎる

この3つの間違いのうち、1つでも当てはまると、あなたのメッセージは、聞き間違えられたり、内容が正しく理解されなかったり、聞き逃されたりということにつながります。もっと悪いことに混乱を招いたり、誤った情報を生み出し、場合によってはあなたに対して敵対心を持つ人さえ生みかねず、全くコミュニケーションを図らなかった時より大きな痛手を負うことになりかねません

  1. 話しすぎを防ぐのに一番簡単な方法は、相手の話をもっと聴くことです。もちろん、あなたは、相手から質問されたときは礼儀正しく答えたいはずです。でも時に、元々の質問に答えた後、その流れでずっと話し続けてしまうこともありますよね。そのような場合には、相手に同じ質問か、関連のある質問を返すようにし、その後は、静かに相手の話を聴きます。誰かに質問をするときは、相手に対して敬意を払い、相手の答えを聞くという礼儀をわきまえましょう。ネットワーキングの達人は2つの耳と1つの口を持ち、それらを全てバランスよく使っていることを忘れないでください。
  1. ネットワーキングをしているときは、同じ業界の人との会話でなければ、自分の語彙の中から業界の専門用語を排除してください。あなたのメッセージを極力シンプルにすることで、業界知識のない人からも共感を得られやすくなります。
    次に「お仕事は、何をされているんですか?」という質問に対する望ましい返答例をご紹介しましょう。
    ・「私は、ITコンサルとシステム・ハード・ドライブの分析をしています」と言うより、「コンピューターのトラブルシューティングや調整を行って、問題が起きないようにする仕事をしています」と言うのが良いでしょう。ほとんどの人は、「ITコンサル」と「システム・ハード・ドライブの分析」という言葉がわかりにくくても、「問題が起きないコンピューター」ならわかりますから。
    ・「私は、マーケティングコンサルタントです」と言う代わりに、「地域において、あなたのビジネスが認知される手助けをします」という表現も考えてみてください。
    この2つの例で、業界の専門用語を使わずに、話を聞いている人がベネフィットを感じられる表現に、どのように置き換えられたかわかりましたか?業界特有で、特徴に重きを置いた用語から、より一般的で、ベネフィットを感じられる用語を使う表現に変えてみました。
  1. ただし、ビジネスネットワーキングにおいては、一般的すぎる用語を使わないことも大切です。一般的な内容で欲しいリファーラルを伝えられても、聞いた相手は、具体的な人や状況を思い浮かべることができず、望みに応えるのが難しいのです。仮に、不動産業者にどんな見込み客を紹介して欲しいかと聞いたときに、「家を売りたい人なら誰でも」という答えが返ってきたとしたら、あなたは「家を売りたい人」の顔がすぐに思い浮かぶでしょうか? 家を売りに出している人を知っているとしても、その場合は、すでに不動産業者が入っているはずです。でも、もし不動産業者が、「子どもが独立して、現在住んでいる家より、小さいところに住み替えたい夫婦を紹介して欲しい」と話したとしたら、子どもが全員独立して家を出た2,3組の夫婦の顔がすぐに思い浮かぶでしょう。この答えならより具体的で、現在住んでいる家よりも狭い家に住み替えたいと検討し始めている人を思い浮かべることができます。妙に思われるかもしれませんが、具体的であればあるほど、聴く人の心のドアはより広く開かれます。効果的にネットワーキングをするなら、自分自身がプロファイラー(人物分析者)になったつもりでやってみましょう。あなたが望むクライアントのことをより正確に分析して、明確にすればするほど、あなたがターゲットとする市場がより具体的になり、よりよいリファーラルを得ることができるようになります。あなたが誰かに何かをお願いするときも、メッセージを具体的にすればするほど役に立ちます。仮にあなたがABC会社のCEOを紹介して欲しいとしましょう。あなたのリファーラルパートナーであるジュアンさんに、「ジュアンさん、ABC会社のCEOであるメアリー・シンクレアさんと、2人で1時間のランチミーティングの時間を持ちたいのですが、アレンジしていただけますか? シンクレアさんは、私が本当に会いたい方なのです。彼女のことも私のことも、あなたはよくご存じですから、あなたも同席していただけるとありがたいのです」と。この依頼は、具体的かつ、ジュアンさんがその依頼を叶え、ミーティングをアレンジするために必要な詳細を伝えています。

伝わるメッセージのために役立つヒント

簡潔かつ具体的なメッセージを伝えるのに慣れるには、伝える練習をすることが一番です。

ネットワーキングのイベントなどで、一番聞かれる質問が「あなたの仕事は何ですか?」です。

今週は、時間を計りながら、1分間で、この質問にはっきりと簡潔に答えられるまで、あなたの答えに磨きをかけましょう。ただし、大切なのは「何の仕事をしているのか」を答えることであり、「ビジネスをどのようにしているのか」を答えるのではないということを覚えておきましょう。

もう1つの効果的なメッセージを作るためにお勧めの方法は、過去のネットワーキングの場で、あなたが使ったことのある10個の専門用語をピックアップすることです。
書くものを用意し、線を引いて2つの欄に分けます。最初の欄には、「専門用語・表現」というタイトルをつけ、2つ目の欄には、「一般的に言い換えた言葉」と書きましょう。こうして、専門用語を誰でも簡単に理解できる言葉にどのように置き換えるかを考えます。

3つ目にすることは、あなたが所属するネットワーキング・グループのメンバーにプレゼンテーションをする前に、あなたが伝えたいリファーラルの内容を書き出すことです。紹介してもらいたい人の名前、会社名、人物像(プロフィール)を具体的に書き出します。仲間が求めていることは何なのか、あなたに代わって、あなたは仲間たちに何をして欲しいのかをはっきりとイメージして書きましょう。試しに、親しい人に書きだしたものを見せて、明確かつ簡潔、具体的な内容になっているかどうか聞いてみるのも一案です。定例ミーティングでは、もらったフィードバックの内容を取り入れた上で、仲間に伝えましょう。

自分の仕事について話すときは、理解しやすい言葉を使って具体的に話す必要があります。ビジネスネットワーキングによってリファーラルを得るために、効果的にコミュニケーションを取ることは、必要不可欠なことです。リファーラルパートナーたちが、あなたに紹介できそうな人を見つけて紹介しやすくするためには、あなたの仕事内容について理解する必要がありますから。

訳=川崎あゆみ