対面でのネットワーキングイベントで、あなたが他の参加者と話すとき、あなたの立つ位置によって出会う人が変わります。これは長年お話してきたテクニックであり、私がお伝えしている話の中でも重要な要素です。あなたがビジネスのネットワーキングで成功するためにも多いに役立つことでしょう。
大勢の人がいる会場に入っていき、あたりを見回しても、どこからアプローチしたらよいのかわからないというようなことがあります。きっと、あなたは「どの人に近づいていくべきか。誰に話しかけたらいいのだろう」などと考えるでしょうし、あるいは「私が知っている人なんていない、こんなミーティングに、どうして来てしまったんだろう?」と思う人もいるかもしれません。
オープン・ツーとオープン・スリー
私の著書「Networking Like a Pro, Second Edition.」の中で、このオープン2、オープン3というコンセプトについて書きました。上の3枚の図は、書籍の中から引用したものです。
最初の画像は、「どこからアプローチすべきか?」で、ビジネスネットワーキングイベントが行われている会場の一角を上から見た図です。さまざまなグループの人たちがお互いに話し、入り混じっています。
2つ目の画像は、「クローズド2とクローズド3」。バルコニーから、ネットワーキング中の人たちを上から見たところです。クローズド2は、2人が向かい合い、90度の位置に立ちながら会話をしています。クローズド3は、3人が三角形の中心に向かって立っている図です。
このクローズな立ち方の場合は、会話の中に入っていくのは難しいですね。知らない人たちの間に入っていくのは、特にそうです。
3番目の画像は、「オープン2とオープン3」です。オープン2は、正面に向き合うのではなく、斜めの位置に立つことでアルファベットの「V」のような形を作っています。オープン3は、誰か他の人が会話に加わりやすい空間があり、アルファベットの「U」の形をしています。
オープンなグループを探しましょう
知り合いがあまりいないネットワーキングのイベントに参加した時は、オープン2かオープン3のグループを探すことをおすすめします。オープン4やオープン5のグループもあるでしょう。オープンな形で立っている人たちのところには、近づいていって自己紹介しやすいものです。これは、人脈作りにおける努力を押し進める、さりげなく、かつ効果的な方法です。
もし、あなたがビジネスネットワーキングのメンバーであれば、ミーティング中は、他の参加者が歓迎されていると感じられるようにオープン2かオープン3のように立つことをおすすめします。そして、誰かがあなたの輪に入ってきたら、優しくにこやかに受け入れてあげましょう。
内向的な人の場合は?
内向的な人から、「ネットワーキングイベントで人と話すのが苦手です」とよく言われます。内向的な人は、オープン4や5、あるいは6など人数が多いグループを探すことをオススメしています。少し、意外に思われるかもしれませんね。では、なぜ人数の多いグループに入っていった方が良いのでしょう?
それは、大人数の方が、会話を中断させることなく、すぐに自分の存在に気づかれることなく、輪の中に入り込めるからです。そのうち、誰かが「初めまして。お名前は、なんとおっしゃるのですか?」などと話しかけてくれるので、その後、自己紹介をすればよいのです。
ピンとこないかもしれませんが、とてもうまくいく方法です。2人だけで会話をしているところに入り込み、そこに加わったらすぐに自分から話しかけるしかないオープン・ツーのグループに入っていくよりも、大人数のグループに入っていく方が、唐突な印象が薄れます。
大切なことは、オープン2とオープン3の概念を理解しておくことです。人に対してオープンなスタンスでいることは、過去に会うことのなかった多くの人に出会うチャンスにつながります。ビジネスのイベントにおいて、あなたがどのような立ち方をするのかによって、どんな人と出会うのかが変わります。
訳=川崎あゆみ