人は人前で話すことを死ぬより怖いと思っていることをご存じですか?聴衆へ向かって話すことは確かに怖いことかもしれませんね。それが1~2分を超えるものであればなおさらです。聴衆の前に立って、メッセージを伝えたり、アイデアを提起すると考えるだけで、背筋がぞっとすることもあるでしょう。
それでも実際問題として、あなたがどれだけ人前で話すのを避けようとしても、ビジネスネットワーキングでは人前で話すことは避けて通れません。ネットワーキングミーティングでは毎週30秒から1分のプレゼン、商工会議所の会合では10分間の発表、あるいは見込み客に対して30分間で事業内容を包括的に紹介するような機会があるでしょう。何れにしても、あなたは人前に立つことになります。私からのアドバイスですか?それは「深呼吸をして、自分はできると自分自身に言い聞かせる」ということです。
これらの戦略を実行する
とっておきのヒントとして、あなたが人前で話す恐怖に打ち克ち、聴衆を味方に引き入れる自信が持てるようになるための5つの戦略をご紹介しましょう。
1)事前準備が鍵を握る
人前で話す恐怖を和らげるもっとも効果的な方法の一つは、完璧な準備をすることです。「即興」に頼ろうとせず、その代わりに話したいことの筋道を明確に立て、リハーサルをすることです。メモ帳を活用したり、「どこまで話したのかわからなくなってしまった」ということがないよう、話す内容を大きく、読み易いフォントでプリントアウトしたものを手元に用意しましょう。ただし、準備しすぎるのも不安を大きくし兼ねませんから、十分に、でもほどほどにしましょう。自然に聴衆を引き込むためには、準備をしっかりすること、少々柔軟さを持たせること、この2つのバランスを取りましょう。
2)具体的かつ専門性をアピールする
プレゼンを行う際、特にネットワーキングの場において、話の中に情報を詰め込みすぎて聴衆を圧倒してしまわないようにしましょう。トピックはあなたが最も精通していて、心血を注いで取り組んでいるビジネスについて、重要な1つあるいは2つに絞ってください。あなたが一番知識がある内容に集中すれば安心できますし、ストレスも少なくてすみます。聴衆は、あなたのことを専門家として認識し、あなたから熱心に学び取ろうとしていることをお忘れなく。自分の専門性を信じ、自信を持ってあなたのテーマについてプレゼンすることです。
3)サポートツールを賢く使う
印刷物やパワーポイントのスライド、小道具など、視覚的に訴えるものは、プレゼンテーションで使えるツールになります。これらのリソースを活用することで、プレゼンを順調に進めるのに役立ちますし、さらに聴衆をより話に引き込むことができます。しかし、パワーポイントを使用する際は気を付けましょう。プレゼンを引き立てるものではありますが、あくまでも精神的な支えにはなりません。スライドに書いてあることをそのまま読むことは避けてください。パワーポイントをどのように使いこなすべきか、時間をかけて考えましょう。これについては、多くの書籍や記事にアドバイスが出ています。
4)エキスパートとしての役割を受け入れる
重要なことは、あなたが講演者として、その道の権威であることを自覚することです。聴衆はあなたから知識を得たい、つまりあなたが話すことを聞きたいのです。自分が得意なことに焦点をあてれば、自然と自信や信頼感がにじみ出てくるものです。自分自身と自分が伝えたいメッセージを信じることは、講演者としてのあなたが成功するために極めて重要なことです。
5)独創性を発揮し、聴衆を引き込む
これまで良いとされてきた話し方にとらわれないようにしましょう。自分が心地よいと思うさまざまなコミュニケーションの取り方を試してみてください。単に聴衆に話すのではなく、会話に巻き込むようにするのです。プレゼンをQ&Aセッションから始めて、時間をかけて回答することもできます。違ったことをすることを恐れず、聴衆を驚かせてみましょう。ステージを動き回り、聴衆とやり取りをし、予想もしないことをやってみるなど、プレゼンを生き生きとしたものにしましょう。楽しみながら話せば、緊張のエネルギーを前向きなエネルギーに変えられます。あなたの熱意がはっきり表れてくると、聴衆はそれを感じ取り、そして不安も消えるでしょう。
練習、練習、そして練習
人前で話す恐怖を克服する旅のスタートは、練習から始まります。何事も練習することなく上達しませんし、さらにその練習を始めるなら「今」です。1分間のエレベーターピッチのようなちょっとした機会から始め、自信がつくにつれて徐々に話す時間を増やしていきましょう。イベントや研修でのプレゼンテーションなど、話す機会を探しましょう。多くの協会や会員制組織は常に講演者を必要としていますし、エキスパートとしての地位を確立することは、非常にやりがいのあることであり、あなたのビジネスにとって得るものは大きいでしょう。
人前で話すことを恐れる人は増えてはいますが、パブリックスピーチは練習と正しいやり方によって習得できるスキルです。上に述べた戦略に従うことで、自信を深め、より効果的で人を引き付ける講演者になれるはずです。少しくらい緊張するのは当然のことです。正しい考え方とテクニックがあれば、その不安な気持ちを聴衆の心をつかむ力強くポジティブなエネルギーに変えることができます。ですから、人前で話すことへの恐怖にとらわれないでください。自分の知識や専門性を多くの人と分かち合う機会を利用しましょう。人前で話すことへの恐怖を克服し、自分の仕事について他の人々に学んでもらうという喜びを味わってください。
是非あなたのご意見をお聞かせください。以下の質問のいずれか、またはすべてにお答えください。
- 1から10まで段階があるとして、1が「あまり怖くない」、10が「死ぬより怖い」とします。あなたは人前で話すことをどれくらい怖いと思っていますか?
- 人前で話さなければならない状況に直面したとき、どのような恐怖や不安を精神的あるいは身体的に感じますか?
- 人前で話すことへの恐怖に対処するために、あなたが個人的に役に立ち、効果的だと感じたツール、戦術、戦略は何ですか?
訳=川崎あゆみ