「お礼状」を送る意味

2024/07/22

ささやかなお礼状を送ることなんて、ビジネス全体から見ると、大したことではないように思えるかもしれません。昔ながらの個人に宛てた手書きのお礼状は、大部分がメールやSNSメッセージに取って代わられています。それとも、感謝の気持ちを伝えるという行為自体、なくなっているのでしょうか。

Eメールは最も簡単なコミュニケーション手段のひとつですが、最も効果的ではない方法かもしれません。Eメールは送るのにほとんど労力がかからないため、大量に送られます。そのため受け取った人はすぐに削除してしまうからです。テキストメッセージも同様です。あなたのメッセージが送る相手に合わせたものでなければ、恐らく目にも留まらず、読まれることなく、気付かれることはないでしょう。

昔ながらの手書きのお礼状を手紙やはがきで、最後に受け取ったのはいつですか?そのときのあなたは、どのように反応しましたか?誰かが時間をかけて特別にあなたのためにしたためた便りを読んで、あなたはどう感じましたか?私たちの多くは、送ってくれた人の時間と労力に対し感激し、感謝の気持ちを抱きます。そのお礼状は、デスクやテーブルの上に数日間あるいは数週間置かれ、何度となく読み返され、嬉しさを感じさせるものになるでしょう。

人に感謝する

仕事仲間や顧客、クライアントに対して感謝の気持ちを表すことは、リファーラルにつながり得る人間関係を育む重要な基礎となります。人は、期待以上の仕事をするプロフェッショナルたちを知り合いに紹介したいと思うものです。感謝する機会を通して、私たちの存在感を表すことができます。

あなたは、お礼状を書いている時間なんてないと思うかもしれませんね。でも、もう一度考えてみてください。通勤電車の中、子どもと車の中でスクールバスを待つ間、一人でのランチタイム、病院の待合室、あるいは10マイルの渋滞に巻き込まれて立往生している車内など、あなたは、そんな状況に陥ったことがありませんか?

今挙げた時間の全ては、あなたにリファーラルを出してくれた人や個人的に人を紹介してくれた人、イベントに手を貸してくれた人、あるいは問題を解決してくれた人に向けて心を込めて感謝の手紙を書くことで、ネットワーキングにおける関係を強化するための貴重な時間になります。(大切な注意点:手紙に名刺は同封しないでください。名刺を添えた途端に、あなたの宣伝になってしまい、感謝の手紙ではなくなってしまいます

意識的に感謝を伝える

感謝の気持ちを、意識的に伝えましょう。毎週時間を決め(そうです、仕事用のカレンダーに記入するのです)、お礼状を書いて発送しましょう。白紙のはがきと切手を、車の中やブリーフケース、カバンに入れておきましょう。そして、数分間の隙間時間ができたら、お礼状を書き、次に郵便ポストを見かけたときに投函できます。

とはいえ、どれだけ私が伝えても、手書きでお礼状を書かないという人がいることはわかっています。そこで、米国内のSendOutCards.comのようなパソコンで手書き「風に見える」はがきを郵送してくれるサービスを探してみるのも一案です。

大切なことは、あなたのために時間や労力を費やしてくれた人に感謝するときに、ただ感謝するだけではなく、手を動かしてその人たちに感謝を伝えることです!心からの感謝の気持ちであれば、伝えるのに遅すぎるということはありません。

感謝の気持ちによって、つながりが深まります。個人的なお礼状を送るには、それほど時間もコストもかかりません。でも周囲の人やあなた自身には、大きな影響を与えます。手書きのはがきは、ビジネスの全体に大きなインパクトを与えることができるのです。

訳=川崎あゆみ