ネットワーキングのバタフライ効果を引き起こすためのヒント

2024/11/04

何年か前のこと、私はカリブ海に浮かぶネッカー島で20人のビジネスリーダーたちと共にリラックスした時間を過ごしていました。そこにはヴァージン・アトランティック航空の創設者であり、その島のオーナーであるリチャード・ブランソン卿がいました。 私がその島に辿り着いた旅路は、「ネットワーキングのバタフライ効果」、つまり、ある場所での小さな行動が別の場所で劇的な影響を生み出す波及効果についての理論の例になります。それは池に石を投げこんだときに水面に波紋が広がる様子に似ています。ネットワーキングにおいても、一見小さなつながりや会話が、時間が経つにつれてネットワーク全体に波紋を広げ、最終的には劇的なつながりを生むことがあるということです。

これがそのストーリーです…

そのカリブ海の旅行の数年前になりますが、私はまったく知らない女性から電話を受けました。彼女の名前は、キム。用件は、オンラインネットワーキングとソーシャルキャピタル(人と人との信頼関係を元にした結びつき)のコミュニティを作るために手を貸してほしいという依頼でした。これを形にするのは少し手間がかかりましたが、この時は、このキムからの依頼が、その後の私の人生にどれほどの波及効果をもたらすかなど全く想像もしていませんでしたが、その依頼内容が、私が掲げる会社の価値観や方向性に合っていたため、協力を承諾しました。その瞬間から波紋が広がり始めたのです。

この関係は戦略的提携へと発展し、その後、講演の仕事に繋がり、ジャック・キャンフィールド氏(『こころのチキンスープ』Chicken Soup for the Soulの共著者)と出会うことができました。そしてジャックからは、トランスフォーメーショナル・リーダーシップ・カウンシル(TLC)という国際的な組織に招待され、そこで倫理研修を提供する会社オーナーのナンシーという女性と出会いました。ナンシーとの親交が深まったことで、息を飲むほど美しいネッカー島で5日間過ごす招待を受けました。そこでビジネスや金融の達人たちや映画プロデューサー、リチャード・ブランソン卿のような成功したビジネスリーダーたちと出会うことができたのです。

ネッカー島を初めて訪れて以来、私は何度も再訪する機会に恵まれました。その中で気づいたことは、私がネットワーキングを効果的かつ有意義に行えた大きな理由の一つは、ネットワーキングについての私の考え方と、そしてそれに基づいた行動に関係しているということです。

つまり、それはどういうことかというと……。

ネットワーキングにおいて取るべき正しい行動を知ることが大切ですが、それと同じくらい重要なことは、ネットワーキングの取り組みを可能な限り成功させ、活気あるものにするために正しい思考を持つことです。そのためには、マインドセットを変える必要があります。ここでは、ネットワーキングを確実に成功させるために持つべきマインドセットの要素について詳しく見ていきましょう。

成功するマインドセットのヒント

1.返報性の法則、またはGivers Gain®のアプローチ

ネットワーキングにおいて、「私はこれをあなたのためにしました。あなたは私のために何をしてくれますか?」という思考でネットワーキングに取り組まないでください。代わりに「与えよ、さらば与えられん」という古い格言を思い出してください。返報性の法則は、ネットワーキングの関係において自分が得るものに焦点を当てるのではなく、信頼と友情に基づいた絆を築くものです。ぜひ試してみてください。その結果に驚くことでしょう。

2.ネットワーキングの多様性

強力なネットワークを持つためには、人脈を広げることが重要です。年齢、背景、職業が異なる多様なプロフェッショナル同士のネットワークを築きましょう。自分と見た目も、話し方も、興味や趣味が異なる人は、あなたが出会いたいと思う人たちに繋がっている可能性が高いのです。自分と似た人たちばかりが集まるグループを探さないようにしましょう。そうすることで、リファーラルの機会を広げるための網をさらに広げることができるでしょう。

3.農業的なメンタリティを維持する

畑に種を蒔いてから収穫するまでには長い時間がかかり、すぐに成果が得られるわけではありません。しかし、新しい関係を築くために時間をかけて大切に育むことで、あなたのネットワーキング活動は驚くべき結果を生むでしょう。ビジネスネットワーキングには、リファーラルを育てるプロセスに注力するようなマインドセットを持って取り組みましょう。リファーラルを「狩る」のではなく、農業のように育てるというマインドセットが成功への道を開きます。

 ネットワーキングの過程で生じた波紋は、小石が水に落ちて波紋ができた時は、はっきり見えてないかもしれません。でも、波紋が生まれていることは確かです。その波紋を追い、その旅路の各段階で出会ったつながりを最大限に活用することで、その旅路の始まりを振り返ったときに、自分でも驚くような人脈形成や人間関係が構築されていることに気づくでしょう。

ネットワーキングにおけるバタフライ効果について、何かエピソードはありますか?是非ともお聞かせください。

訳=川崎あゆみ