ラジオ番組でのインタビューで、司会者が私に「リファーラルマーケティングは“最も安全な”広告手法だと思いますか?」と尋ねました。私は迷うことなく、「決してそんなことはありません!」と答えました。その答えに彼はかなり驚いていました。続けて、私はリファーラルマーケティングがもたらす素晴らしいメリットを強く信じていると説明しました。とはいえ、リファーラルマーケティングには、テレビCMや他の広告手法にはない、特有のリスクがあります。
誰かにリファーラルを提供することは、自分の評判を賭ける行為です。リファーラルパートナーが良い仕事をすれば、あなたの評判は高まります。しかし、もしパートナーの仕事が期待外れに終われば、あなたの評判には傷がつくでしょう。前述したように、リファーラルマーケティングは正しく実行すれば非常に大きな成果をもたらしますが、それと同時に大きなリスクも伴います。それは、誰かを紹介するたびに、自分の評判の一部を相手に預けるということです。たとえば、大切なクライアントに「私の友人がしっかり対応します」と伝える場合、その友人を信頼していることが前提となります。
もし、その友人があなたのクライアントを失望させてしまったらどうなるでしょう?その結末は、必ずあなたに返ってきます。クライアントはあなたに対する信頼をなくし、信頼を損ねたことで、そのクライアントを完全に失うこともあり得ます。だからこそ、ビジネスネットワーキングに時間を掛けて、リファーラルパートナーとの強い関係を築くことがとても重要なのです。
コミュニケーションを取る
リファーラル先のクライアントに連絡を取り、その後の状況を確認することをお勧めします。次に、クライアントを紹介したリファーラルパートナーに連絡を取り、「この前あなたにご紹介した方と話ししましたが、とても喜んでましたよ/少し気になる点があるようです/課題があるみたいです/何か問題があったようです」など、状況を伝えてコミュニケーションを取りましょう。いずれにしても、相手と情報共有することがとても大切なのです。紹介を受けた方が満足していたとしても、必ずしも一緒に仕事をしている人は満足しているとは限りません。時には、クライアントがあなたではなく、あなたを紹介してくれたリファーラルパートナーに伝えるかもしれません。私ならは、リファーラルパートナーから「○○さんは、十分に満足していないですよ。一度話をした方がいいかもしれません」と教えてもらう方が助かります。これによって、大きな問題になる前に解決するチャンスが得られるからです。このような信頼関係こそが、リファーラルマーケティングにおける本当の価値なのです。
強い信頼関係がひとたび築かれれば、「このビジネスパートナーやネットワーキングパートナーは、お客様にしっかりと対応してくれます」と紹介することが、まさにその通りのことが実現するのです。
リファーラルマーケティングは、最も安全なマーケティング手法とは言えないかもしれません。しかし、信頼という観点から考えると、ビジネスを成長させる最も効果的な方法だと私は思います。
あなたはどのようにお考えですか?
訳=川崎あゆみ