「自動販売機型」ネットワーキングを避ける

2025/03/10

ビジネスネットワーキング活動について少し考えてみましょう。ネットワーキングイベントに参加している時、最もリターンが得られそうな人とだけ話しをしていませんか? リファーラルをたくさんくれそうな人とだけ名刺を交換していませんか? お返しにリファーラルをくれそうな人にだけリファーラルを出していませんか?

もしそうだったなら、あなたのネットワーキングに対するアプローチは完全に間違っています。ネットワーキングは、自動販売機のようにコインを入れればすぐにチョコレートバーが出てくる、というようなものではありません。

このような考え方は「取引指向型ネットワーキング」として知られており、リファーラルネットワーキングの世界では成功にはつながりません。「これをあげるからあれをちょうだい」という考え方は、失望を招くだけです。代わりに、「関係重視型」の考え方を採用することをお勧めします。「お手伝いさせてください。アイデアがあります。あなたに差し上げたいリファーラルがあります。」

このような考え方は「関係重視型ネットワーキング」と呼ばれます。

時間はかかるかもしれません。しかし、人というのは時が来れば恩に報いるものです。まだリターンを得ていないからといって、それ以上のリファーラルを提供するのをためらうのは効果的ではありません。得る前に与えることを基本にして、ビジネスの評判を築いていくことが鍵です。

詳しく見ていきましょう。数字に敏感な方は、リファーラルを2件提供したのにお返しに1件しかもらえないと、少しがっかりするかもしれません。しかし、大切なのはリファーラルの価値です。単純に数量で判断することはできません。花屋さんへの2つのリファーラルと不動産屋さんへの2つのリファーラルとでは全く価値が違います。同様に、あなたが誰かに1,000ドルのリファーラルを出したからといってその相手から同じ金額のリファーラルを期待するのは現実的でありません。

関係重視型ネットワーキングの力

ギバーズゲインの理念を適用することで、あなたはリファーラル関係を取引指向型から関係型に転換し、成功を遂げることができるでしょう。あまりよく知らないが、もっと深く知り合い、リファーラルをかわし合う関係を築きたいと思う人が周りにいるとしましょう。あなたは、彼らがあなたを助けてくれるかもしれない、あるいはあなたが彼らを助けることができると信じているのです。そのような場合、相互リファーラルの契約書にサインを求めることからリファーラル関係を始めてはいけません。リファーラルのプロセスは与えることから始まります。

あまりよく知らない人にリファーラルを提供するのをためらう気持ちは理解できます。しかし、リファーラルを与えることから始める必要はありません。まずは会話から始めましょう。もしリファーラルパートナー候補と会話をしていて、彼らが課題を口にしたとしたら、「最近、それに関する素晴らしい記事を読みましたので、後でメールを送りますね」と言えるでしょう。そして、あなたは自分のメールアドレスが記載された名刺を手渡し、相手からも名刺を受け取ります。このようなシンプルな行動で、つながりが生まれるのです。

相互依存の法則」は、社会資本に関する理論であり、「全体は個々の部分の総和以上の価値を持つ」という考え方です。協力し合って働く人々は、より成功します。ウェイン・ベーカー博士は、その著書『Achieving Success Through Social Capital』(社会資本によって成功へ導く)の中で、「相互依存の法則」は取引指向ではなく関係指向でなければならないと強調しています。

取引指向型ネットワーキング、つまり「自動販売機型ネットワーキング」は、「あなたを助けるので、何かお返しをください」と言っているようなものです。このアプローチはうまくいきません。

代わりに、「私はあなたを助けたいのです。あなたを助けるために最善を尽くしますので、あなたも私を助けるために最善を尽くしてくれるとうれしいです」という考え方を持ちましょう。BNIチャプターのようなグループでは、あなたが誰かにリファーラルを提供し、その人が別の人にリファーラルを提供し、最終的にあなたにリファーラルが戻ってくることがあります。

「自動販売機型」のような取引指向型ネットワーキングは、絶対にうまくいきません。ネットワーキングの成果を最大化するために、ギバーズゲインの理念を積極的に取り入れましょう。あなたのネットワークのメンバーをサポートしたりアシストしたりする方法を一生懸命探り、彼らがゴールに到達するのを助けましょう。これを始める方法として優れているのは、彼らに何か役立つものを与えることです。そうすることで、見返りを求めずにビジネス関係の扉を開くことができます。忘れないでください。ネットワーキングは狩猟ではなく、農耕なのです。

他者との調和や信頼を築くために、あなたの時間をしっかりと投資して強く相互利益のある関係を築きましょう。関係重視型ネットワーキングとギバーズゲインの理念に注力することで、信頼、調和、そして相互成功に基づくネットワークを築くことができます。

訳=丹野裕道(株式会社ディアス)