ネットワーキング疲れに陥らないために

2026/03/02

一見、常識に反するように思えるかもしれませんが、ここで一つお伝えしたいことがあります。
実は、ネットワーキングは、やりすぎになることがあるのです。

えっ???世界最大のネットワーキング組織BNI®の創立者が、ネットワーキングをやりすぎていると指摘する、というのは意外に感じられるかもしれません。

はい、その通りなんです。

今、あなたは「そんなことがあり得るのだろうか」と感じているかもしれません。
では、少しお話をさせてください。

何年も前のことですが、私がアメリカ中西部を旅していたとき、ネットワーキングの女王と呼ばれる女性について人々が話題にしているのを耳にしました。彼女はネットワーキングを極めた人として知られていました。彼女は何百、あるいは何千もの人脈を持ち、あらゆる職業や地位の人々からなる、非常に広いネットワークを築いていました。彼女は地域社会で、誰かが何かを必要としたとき、真っ先に名前が上がる存在としてよく知られていました。実際に彼女を見た人たちは、彼女があらゆるネットワーキングイベントに姿を見せ、その場のすべての人と必ず話をしていたと言っていました。

ある晩、彼女と私が同じイベントに居合わせたことは、特に驚くようなことではありませんでした。彼女は、私に話があると、脇へと呼びました。彼女は不安そうで動揺しており、私はなぜネットワーキングの女王がそんなに動揺しているのか不思議に思いました。そして彼女は予想もしなかったことを打ち明けてくれました。彼女は、「アイバン、みんなが私のことをずっとネットワーキングの女王と呼んでいるのは知っています。でも、ビジネスは全く増えていないんです!」と話したのでした。彼女は、自分のネットワーキングの努力が、成果に結びついていないと言いました。彼女は、参加したすべてのグループのこと、出会ったすべての人々のことなど、どれだけ良い人脈を築いてきたかについて話し続けたのですが、それだけの努力を重ねても、確かなビジネスに結びついていないと訴えたのです。

私は驚いて、彼女が毎週いくつのイベントに参加しているのか尋ねました。彼女は「週に5〜10回です」と答えました。それを聞いて、私は本当に驚きました!それが彼女の問題だったのです。彼女は、あまりにも多くのことに手を広げすぎていたのです!

VCPプロセス®を考えてみてください。Visibility(認知)はCredibility(信頼)へと導き、それがProfitability(収益)につながります。彼女は人脈を作り、認知を高める明らかな才能がありました。でも、全ては関係構築に尽きるというビジネスネットワーキングの核心である、関係構築の核心にたどりつけていなかったのです。あまりにも認知を高めることに集中しすぎて、信頼を築くという重要なプロセスを見失っていました。あちこち走り回って顔を出すことに忙しすぎて、自分が築いたネットワークから、実際に“活用する”方法を学ぶ時間がなかったのです。彼女は人と有意義な関係を築き、信頼を育むことを怠っていました。信頼を築くことなしに収益は生まれないのです。

活動=成果ではない

彼女は多くのビジネスパーソンが持つのと同じ問題を抱えていました。それは、ネットワーキングの取り組みにおいて、活動していることそのものを成果だと捉えてしまうことです。これでは、横幅は1マイルあっても深さは1インチのネットワークにしかなりません。広い範囲に及ぶネットワークの中にいる一人ひとりに対し、最も重要な次の一歩を踏み出す必要があります。そのためには、ネットワークの中の一部の人たちと、相手があなたを知り、好意を持ち、信頼し、「この人に紹介したい」と思えるような関係性を築くためには、時間を注ぐことが必須なのです。

多くのプロフェッショナルは、エネルギーと強い意欲を持って、数多くのネットワーキングミーティングに参加します。結果が出ないのは、行動や努力、新しい人に会おうとする熱意が欠けているからではありません。問題は、彼らが常にあちこちに顔を出すだけで、継続的で相互的なリファーラル関係につながるような、長期的な信頼の土台を築くために時間を注いでいないことなのです。

「あなたのネットワークが1マイルの長さでも深さが1インチしかなければ、強力なネットワークにはなりません」と私は女王に伝えました。そして私は、潜在的なリファーラルパートナーとの1to1のミーティングを増やし、相互に有益な関係構築に集中することで、地域社会における信頼を築くべきだと提案しました。

この話の教訓?それは、ネットワーキングの「女王」や「王様」になろうとしないことです。

可能な限り多くの人とつながることだけに意識を向け、常に動き回り、実際にはよく知らない何百人もの人を追いかけようとすれば、ネットワーキングに疲弊してしまいます。

その代わりに、ビジネスネットワーキングの取り組みを関係構築に集中させましょう。

リファーラルの質は確実に高くなり、ネットワーク内でより深い信頼を築くことができるでしょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Avoid Networking Fatigue」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/avoid-networking-fatigue/
翻訳:川崎あゆみ丹野裕道(株式会社ディアス)