ビジネスネットワーキングの成功のためには、深い人間関係を構築し、人の役に立つ方法を学び、何らかの形で仕事上つながりのある人たちを支援する必要があります。しかし、時として、あなたへの頼まれごとに対して「NO」と言わなければならないこともあります。
誰かのビジネスチャンスが、あなたにとっての妨げになる場合があることを認めることも重要です。それは、あなた自身の個人的あるいは仕事上のミッションを知ることから始まります。特に、ある人のプロジェクトが、紹介する人の掲げるミッションと違っていたり、あなたのビジネスや人生にとって相容れないものであったり、ということがあります。このような状況では、「NO」の言い方を学ぶ必要があります。「NO」という言葉は、その一言で一つの文章になり得ることを覚えておいてください。あまり頻繁に使いたい言葉でもありませんし、多くの人が、私と同じように感じていると思います。
誤解しないでほしいのですが、私はもちろん必要な時は、迷わず「NO」と言うことができます。その秘訣は、気負わずに「NO」と伝えながらも、「関心がない」と思われないようにすることです。
「NO」と言うための6つの方法
相手に対して尊敬を敬意を持って伝えるなら、これらの方法が非常に効果的に機能することに私は気付きました。
私は結構です。
時に、私のお願いや返事はとてもシンプルです。 例えば、誰かが私にケーキやパイを食べさせようとしたら、「ありがとう、でも加工糖は食べないんだ」とさらっと言うのです。それで、「一口だけでもいかが」と言われたら、私は砂糖を摂らないから遠慮せず私の分も召し上がってとさらっと伝えますね。
はいと言ったら、がっかりさせてしまうことになる。
相手に「NO」と伝える効果的な方法は、頼まれたことを私がすることで、逆にその人たちをがっかりさせることになると伝えることです。それは、もしかしたらあなたにはその依頼に応えるための余力や知識、専門的な技量がないためかもしれません。いずれにしても、あなたはこのアイデアを成功させる人ではありませんし、あなたも相手を失望させたくはないはずです。
もっと適した人を紹介する。
私が誰かに「NO」と言うときは、協力を仰ぐのにもっとふさわしい、あるいは資質のある誰かを紹介するようにしています。私は、紹介する人のビジネス上の目的と、協力を必要としているプロジェクト内容が合致している人に紹介したいと思っています。
他のことを提案する。
依頼されたことに対応できないときは、代わりに別のことを提案しましょう。たとえば、私は私のメーリングリストに何かの案内を発信してもらえないかと頼まれることがよくあります。私の答えはいつも「NO」です。その代わり、私の知人であったり、信頼している人からのお願いであれば、その方との関係性は維持したいので、別のこと、つまり私のソーシャルメディアに投稿することを提案すると、大抵うまくいきます。
その場しのぎの言い訳や言い逃れをしない。
アメリカの古い人気ドラマ「となりのサインフェルド」では、登場人物たちが思いもよらない複雑な言い訳や言い逃れを思いつくのですが、最初から率直であればそんな面倒な事態にはならなかったのにというエピソードがいくつかありました。正直で率直でありながら、礼儀正しくありたいものです。
言うときは、本気で言う。
毅然として、同じことを言い続けましょう。時に、人は「NO」という答えを受け取りたくないものです。私は、礼儀正しく、笑顔で、これまで述べてきたことを何度も言い続けるようにしています。
相手の計画性のなさに「NO」と言う。
ある人が、重要な締め切りを間近に控えた今すぐ完成させなければならない書類を送ってきたことがありました。念のためにお伝えすると、その人はその書類を数カ月前には私に送ることができたはずでした。ただ、計画性のなさから、ぎりぎりになってからようやくそれを私に送ってきたのです。当時、私は出張で海外にいたのですが、数週間にわたって立て続けに出張が予定されており、私が出張中であることはわかっていたのにです。
それにもかかわらず、彼らは私や私のアシスタント、そして私の妻に2日間で3回もメールを送ってきました。会議の合間に、私は彼らにメッセージを送り、このように伝えました。「あなたが困っている状況は気の毒に思いますが、それはあなたの見通しが甘かったためであり、私があなたの計画を優先することはありません。何ヶ月も時間はあったはずで、ぎりぎりになって(私が多忙極まりないときに)送ってきて、あなたは今すぐ欲しいとのこと。「NO」です。今すぐはできません」。
私は毅然とした態度で、その依頼を断る返事をしなければなりませんでした。また、なぜ「NO」と言ったのかを明確にし、彼らにその責任を押し戻しました。彼らの稚拙を私が優先する必要はありませんから。
ただし、大切なことは、常に「NO」と言う癖は付けないことです。私は人を手助けする機会を探し、YESと言うようにしています。私が「NO」と言うのは、本当に力になれないときや、あるいは自分がその人の依頼にふさわしくないと思うときだけです。
実際に自分が関わるべきなのか、あるいは妨げになるのか自分の中ではっきりさせる必要があります。そして、それが自分にとってベストな答えであるときに、サラリと「NO」と言えるようになりましょう。
訳=川崎あゆみ