ネットワーキング組織はもちろん、他のどのような経営者団体であっても、そのミーティングにおいて継続的にネットワーキングについて学ぶ時間を得ることは有益だと考えています。
私は個人的に、BNIのチャプター内においてもっとも献身的な役割の1つが、自分が学んだことを他のメンバーに分け与える役割を担うエデュケーションコーディネーターだと思っています。特にチャプターのリーダーシップチームの一員を務めたり、上級レベルのトレーニングを受講した人や、BNIのポッドキャストを聴いたり、ビジネスネットワーキングについての書籍(私も何冊か出版しています)を読んでいる人であれば、グループメンバー全員に対して有益な情報を共有することができます。
私がBNIのポッドキャストで取り上げる話題は、ビジネスプロフェッショナルがネットワーキングの学習タイムでも利用できるように考えています。それらを要約したものや、役に立つ2,3のヒントや最善の事例などを選んで紹介することもできます。話した内容を書き起こしたもの、またはその一部をデジタルや紙にコピー&ペーストして、ミーティングの際に、メンバーやビジターに配布することもできます。強調したい特定のトピックを取り上げて、短い動画を作成して流すこともできます。
学びの文化に浸る
あるBNIチャプターのエデュケーションコーディネーターが、私にこんな話をしてくれことがあります。「私が所属するチャプターでは、メンバーがポッドキャストを聴いていません。私を含めリーダーシップチームでは、チャプターが成功するためには、メンバー全員が同じ脚本に基づいて活動し、1つのチームとしてまとまっていることが必要だという認識でいるのですが」。
そして私に、彼の取った解決策を教えてくれました。エデュケーションコーディネーターとして迎えた最初の週に、彼は立ち上がってメンバーたちにこう言ったそうです。「エデュケーションコーディネーターとして、2つの選択肢があります。私にどちらを望むか、みなさんの意見を聞かせてください」と。まず1つ目。みなさんが私に話して欲しいと思うトピックを知らせてください。毎週、そのトピックについて私が短いレクチャーを行います。BNIのポッドキャストやマイズナー博士の書籍、彼のブログから資料を集めて、その内容をみなさんに直接お伝えします。2つ目。話し合いの時間にしましょう。ネットワーキングにおいてどんなことが有効で、どんなことが有効でないのかについて意見交換をしましょう。1の案と2の案、どちらがいいですか?」と。彼は、みんなの答えがどちらになるかわかっていたそうです。全員が「2の案がいいです。話し合いたいです」と、答えたのです。
そこで彼は、こう続けました。「素晴らしい。みなさんが話し合いを望んでいると言ってくれると思っていましたよ。では、情報や知識に基づいた話し合いをするために、本を読まないといけませんよね。みなさんが、話したいと思うトピックを決めて、その内容について話し合いができるように、翌週までに聴いておいて欲しいポッドキャストや、読んでおいて欲しいブログ、他の資料をお伝えします。ポッドキャストを聴いたり、資料を読んでいれば、話し合いに参加することができます。
ポッドキャストを聴かなかったり、資料を読んでこなければディスカッションに入れません。マイズナー博士や相手のゲストは、ポッドキャストでこんなことやあんなことを話の中で強調していましたよねなど、聴いたり、読んだりした内容を引き合いに出して話す必要があるので、準備をして臨んでいるかどうかわかりますね。聴いていなければ、そんなことを話すこともできませんからね」と。これにメンバー全員が納得しました。
さて、この試みは、どうなったでしょう?メンバーは、準備してこなければ、その会話に参加できないことはわかっていますから、それまで毎週、ほとんど誰もポッドキャストを聴いてこなかったのに、この試みによってほぼ100%の人が聴いてくるようになったのです!
これはチャプター内でも、チャプター以外でもメンバーの役に立つ情報を共有しながら、メンバーが積極的に参加できる素晴らしい方法です。チャプターを学びの文化に浸すことができる優れた方法です。
実際は、ポッドキャストを聴いたり、資料を読んでから、数分間話し合いの時間を持つことで、その内容がよりしっかりと身に付くことになるでしょう。単に座って誰かが話すのを聞いているより、ずっと関わりが深いものになります。ディスカッションに積極的に加わることで、学んだことが定着し、日々のビジネスネットワーキングの活動において、活用できるようになります。
訳=川崎あゆみ