ビジネスの成果をより大きなものにするために「協業する」。これは、何世紀にもわたって存在してきた考え方です。家族や地域社会、あるいは職場など、どのような環境にあっても、二人で成し遂げられることより、複数の人が力を合わせた方がより多くの成果を挙げられることが事実であることは、これまで繰り返し証明されてきたことです。私はBNI® において、事業家たちがお互いに協力してビジネスを行うことにより、個々で行うより遥かに大きな成果を挙げるのを確かに目にしてきました。
このコンセプトには、元となる2つの重要な考え方があります。1つ目は、「全体は個々の総和に勝る」というものです。2つ目は、私の友人である作家のサム・ホーンさんがよくおっしゃっている「1+1は11になることもある」という考え方です。
全体は個々の総和に勝る
「全体は個々の総和に勝る」という考え方は、人が協業する際、複数のメンバーと共に生み出す成果は、個々での頑張りで出せる成果の総和より大きくなることを示しています。言い換えると、グループなら、個人で取り組むより大きな成果が得られるということです。このコンセプトは、チームスポーツにおいても、全選手が一丸となれば、選手1人で達成できるものよりも大きな成功を収めることができる考え方だとして、よく使われています。同様のことは、職場にも当てはまります。従業員が1つのチームとして協力することで、困難な問題であっても革新的な解決策を見出すことが可能です。
1+1は11にもなる
2つ目の考え方は、協業のコンセプトは1+1=11になるというものです。これは、2人で一緒に何かに取り組む時、その2人で力を合わせれば、1人の努力によってなし得たことより遥かに大きなものになることを意味します。人が協力しあうことで相乗効果が生み出されるということですね。2人で協力すると、お互いにアイデアを引き出し、疑問を投げかけあって、強みを強化することが可能になります。その結果、1人では実現できなかったレベルの創造性や革新性が生み出されるのです。
協業することのメリット
より良い結果を得るために協業することについては、多くのメリットがあります。一番のメリットは、各チームメンバーの強みを活かせることです。協業により、知識やスキル、経験を提供し合い、より効果的に問題解決を図ることが可能になります。つまり、チームメンバーが各々の得意なことに注力し、最も有意義な方法でチームに貢献できる手法なのです。
もう1つは、お互いに学び合うことができることです。互いに協力し合うことで、考えや視点を共有し、新たな洞察や取り組み方につながる可能性があります。また、効果的な協力関係に不可欠なチームメンバー間の信頼や理解の構築にも役立ちます。
さらに、協業することで効率性や生産性の向上も期待できます。また、タスクや責任を分散することで、短時間でより多くの結果を出すことが可能になります。チームメンバーの負荷を低減し、ワークライフバランスの充実、仕事への満足度の向上にもつながります。
より良い結果を出すために協業するという考え方は、これまでに何度も立証されてきた説得力を持つものです。家族や地域社会、あるいは職場内で、協力し合うことのメリットは明らか。チームメンバーそれぞれの強みを活かし、お互いに学び合い、効率や生産性を向上させることで、一人では不可能な成功を収めることができます。
全体は個々の総和に勝り、メンバーが協力し合いながら仕事に取り組むことで、1+1は、まさに11になり得るのです。
訳=川崎あゆみ