レガシーって何?

2025/03/03

今回のブログは私、そしてグレグ・デービス氏、ジュリアン・ルイス氏との共著「Infinite Legacy:あなたの人生に永続的な影響を与える7つの原則」の内容に基づいています。

最高の時

こんな言葉を聞いたことがあるかもしれません。

「木を植えるのに最適な時期は20年前だった。そして次に最適なのは今である」-中国のことわざ

このことわざは行動を促すものですが、つまりは、先延ばし・躊躇・回避に打ち克ち、人々がタスクを完遂しゴールへ到達するために集中して取り組むためのスローガン、といえます。

多くの場合、木を植えることはレガシーを残すための最も簡単な方法の一つです。そしてそれは、あなたが困難を乗り越えるのを助け、未来の世代に価値を与えるものなのです。

最高の場所

ここで質問です。もし場所を自由に選べるなら、あなたはどこに木を植えますか?

日当たりの良い野原の真ん中に、一本だけ、競争がなく、思う存分に成長できるような野原の真ん中に植えるでしょうか。または、既に根を張った強く大きな木々に囲まれ、共通の資源を奪い合うような古くてうっそうとした森の中に植えるでしょうか。

好みはあるでしょう。しかし正解はきっと驚きですよ。

生態学者によると、古くて力強い木々が生い茂る場所に植えられた苗木の方が生き残りやすいそうです。

なぜでしょう? 「母樹」とは老齢の木のことですが、その根系は菌類のネットワークを介して何百という他の木々に繋がっているのです。これらの菌類が木々の間で資源や情報を共有する手助けをしているのだそうです。母樹は他の木々に回復力や再生力を与えますが、近頃の気候変動などの危機に対してはその力が特に大きいのだそうです。

若木が強風や豪雨、日照りなどの過酷な環境にさらされている様子を想像してみてください。若木は、成長するために硬く強固な土の中に根を伸ばしながら栄養を求めていかなければなりません。

次に、同じ若木が、年長の仲間が古代より作り上げてきた地中の根系の中に自身の根を張り進め、母樹に守られつつ成長する様子を想像してみてください。時が流れる中で、年長の木(または母樹)と若木とが絡み合い、接ぎ木のように一体となりながら、自然界の自然界の相互依存ネットワークを築いているのです。支援の土台は地中に隠されています。そこでは古き者が若き者を養い、森全体の利益のために資源が共有されているのです。

先人たちが後に続く人々へ何かを与え、豊かな環境を創り出すこと。これがレガシーなのです。

レガシーとは、自分が去った後に何か価値のあるものを残すことであり、あなたがかつて経験した喜びや感動を、未来の世代が同じように経験できるよう、大切なものを守ることです。

訳=丹野裕道(株式会社ディアス)