意外な人脈を大切にしよう

2025/11/10

時に、思いがけない相手から素晴らしいリファーラルが生まれることがあります。私が出会う多くのビジネスパーソンは、CEOや社長とだけつながりたいと考えています。そのため、トップの経営者がいないビジネスネットワーキンググループへの参加は望んでいません。もしあなた自身がCEOや経営幹部でもないのに、トップ層だけが所属するグループを見つけるのは、そう簡単ではありません。

たとえそのようなグループを見つけたとしても、あなたの期待通りにはいかないでしょう。彼らはあなたを必要としていないばかりか、むしろ避けようとしているからです。トップ経営者は、自分に対して商品やサービスを売り込んでくる可能性のある人々から距離を置こうとします。一方で、志を同じくする専門家と互いに有益な関係を築けば、あなたのビジネスは大きく拡がります。なぜなら、あなたに100人の知人がいて、その1人ひとりにもまた100人の知り合いがいて、その先にもまた100人のつながりがあるという風に人脈は広がっていくからです。あなたは自分のネットワークを超えた広大なネットワークにつながっており、その広大なネットワークの中にどんな人物がいるのかは誰にもわかりません。

ある窓用スクリーン・カーテンの販売を手掛けるオーナーが、受け取ったリファーラルについて話してくれました。彼の友人が、きっと彼なら助けてくれると思い、70代後半の女性を紹介してくれました。その女性は、自宅の裏口にある小さな窓に、通行人から家の中が見えないように、ブラインドを取り付けたいと思っていました。いつもなら息子を頼りにできるのですが、ちょうど長期の出張中で不在でした。同じ地域の何社かのカーテン会社に依頼するも、どこも応じてくれませんでした。小さなブラインドを取り付けるために出向くのは採算が合わないというのが、その理由でした。そのオーナーは、共通の友人からの紹介であり、その女性がとても不安に感じていることを理解し、依頼を引き受けることにしました。

約1か月後、そのオーナーが倉庫兼ショールームで仕事をしていると、高級リムジンが店の前に停まりました。気になって見ていると、運転手が降りてきて、高級スーツを着た男性のために車のドアを開けました。

その男性はショールームに入り、オーナーを呼びました。オーナーは名乗って、用件を尋ねたところ、男性は、以前小さなブラインドを取り付けた高齢の女性を覚えていますかと聞いてきました。オーナーはよく覚えていますと答えたところ、男性は利益にならない仕事だと分かっていながら、その仕事を引き受けたことに、感銘を受けたと言ったのです。

さらに男性は、こう続けました。あの時の女性は自分の母親で、誰も助けてくれなかったときに助けてくれたそのオーナーのことを大絶賛していた、と。母親は息子に、できる限りこの人のサービスを利用するようにと伝えていたのでした。そして、その息子は、海沿いに6000平方フィートの広さの家を建てたばかりだということを話し、その家のすべての窓にカーテンやブラインドを取り付けたいので、新居まで採寸しに来てほしいと依頼したのです。

そのオーナーは、これは自分がこれまで受けた仕事の中で最も大きな利益を得た案件だったと語ってくれました。そもそもこれは、裏口の小さなブラインドが必要だった一人の女性から始まったものでした。皮肉なことに、トル「素晴らしいリファーラル」はCEO本人からではなく、CEOを知っている誰かからもたらされるものなのです。

さらに、アメリカ・ネバダ州の建築家も、彼が所属するネットワーキンググループの一つで出会った窓拭き職人の話をしてくれました。彼は9か月以上にわたり毎週その窓拭き職人と顔を合わせ、最初のリファーラルを受け取ったのです。

小さなリファーラルが、思いがけないリファーラル提供者との出会いにつながることもあります。素晴らしいリファーラルがどこから来るのか、誰にも予測できません。それは、高齢者の方かもしれませんし、タクシー運転手や窓拭き職人かもしれません。だからこそ、他の人がすでに持っている、あるいはあなたのために作ってくれるご縁の可能性を疎かにしないでください。

皆さんは、思いもよらないところからやってきた忘れられないリファーラルの体験談をお持ちですか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Be Open to Unexpected Referral Sources」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/be-open-to-unexpected-referral-sources/
翻訳:川崎あゆみ