2022/05/31

1975年の大ヒット映画「ジョーズ」で、アメリカ北東部の小さな避暑地で警察署長を務めるマーティン・ブロディが初めて間近でそのホホジロザメを見たときに、映画史に残る名セリフのひとつを口にしました。サメを見るやいなや、彼はゆっくりと操舵室に後ずさりし、クイント船長に向かって言うのです。「もっと大きな船が必要だ」と。

これは、典型的な「ブロディ・モーメント」です。つまり現在持っているリソースは、求めている結果を得るために、もはや通用しないものであることを、ショックではあるがはっきりとわかる瞬間のことです。

私のブロディ・モーメントが、どのように起きたかをお話したいと思いますが、もっとも重要なことは私の話を読みながら、「あなた自身」のブロディ・モーメントについて考えてみることです。自分のブロディ・モーメントを理解することは、自らのモチベーションについて考え、起業を成功させるために役立ちます。

私のブロディ・モーメントは、1985年の終わりに計画していたわけでもなく、特に頑張ろうとしたわけでもなく、はからずもBNIで20のチャプターを立ち上げたときに訪れました。“ビジネスコミュニティ”というものにピンときたのです。

「なぜ」BNIなのか

私は、南カリフォルニアで経営コンサルタントをしており、自分のコンサルティング業のためにリファーラルを必要としていました。私自身のビジネスのためでもありましたが、友人にも紹介できればと思っていました。そこで、お互いに仕事を紹介し合えるようなグループを作ったのです。

私は以前、メンバーみんながびっくりするほど打算的で、私にいろいろ売り込んでくるようなネットワークグループに参加したことがあります。また、ハッピーアワーやオードブルを楽しむような社交的なグループにも行きましたが、それは全くビジネスの話にならないような集まりでした。

私が望んでいたのは、ビジネスにフォーカスしながらも打算的ではなく、関係性を重視しながらも実務的ではないものです。私は、ビジネスにつながる関係構築ができるという側面を望んでいて、求めていたのは社交的なグループではありませんでした。というわけで、その2つを満たすようなネットワークを作ったのでした。

ビジネスを重視していることと人間関係の両方の側面を融合させ、その2つを結び付けるものがGivers Gain®(ギバーズ・ゲイン)のコアバリューである「私があなたの役に立ち、あなたが私の役に立つことで、私たち全員が共に利益が得られる」という考え方です。

その1つのネットワーキンググループを皮切りに、12ヵ月で次々と20チャプターができたのです!最初の1年は、自分なりに成功したやり方を再現する方法を取りました。私が起業したのは28歳と若かったこともあり、ほとんどの企業がこのネットワーキングについてすでに理解しているものと思っていました。でも、ビジネスネットワーキングについて教える大学は世界のどこにもなく、誰も理解していなかったのです。でも、誰もがこの課題を抱えていたことを知り、それが私のブロディ・モーメントになりました。

BNIは、「必要は発明の母」であることの代表例であり、多くのビジネスを手助けしてきました。1985年の終わり、私は「もっと大きな船が必要だ」という考えに至りました。このビジネスネットワーキングの手法は、私が予想していたよりもはるかに大きな規模になることが見込まれたので、ここで腰を据えて会社を拡大するためのビジネスプランを立てたのです。

大きな目標

1986年6月、私には目標がありました。人口に関する情報を集めるために、図書館に行きました(ご存じの通り、当時はGoogleなんてない時代です)。

詳細に調査を行い、膨大な計算をし終えた結果、いつかBNIには10,000のチャプターができると感じたのです。

その後すぐに、私は友人に、「10,000チャプターになる可能性があると思っている」ことを話しました。彼が、「10,000?」と言うので、「そう、できると思うんだ」と返答しました。

「で、今、何グループあるの?」と彼に聞かれたので、「30」と答えました。

彼は、「10,000できると思う?」と言うので、「そう、できると思うよ」と答えたのです。

それに対して、彼は「目標を持つのはいいことだね、アイヴァン」と言ったのです。

そうです、それは確かに大きな目標でした。そして、毎年12月の終わりには、振り返りの時間を取りました。私は、早くからマイケル・E・ガーバーの著書『E-Myth』を読んでいたので、それを基本戦略とし、何がうまくいって、何が全くうまくいかなかったのかを考察していました。

毎年、計画を見直し、小さな目標を立て直しました。それは自分の会社をグローバル企業に成長させるという大きな目標を達成するために努力を重ねていくというものでした。

2020年12月、それをとうとう達成させました! BNIは10,000チャプターを超えるまでに成長したのです! 今も成長し続け、世界中のBNIメンバーのビジネスをリファーラルマーケティングを通して支援しています。

リーダーとして、みなさんは、これまでのキャリアで、何度かブロディ・モーメントを経験しているでしょうし、これからも経験することになるでしょう。その結果、何をするのか、どれだけ早く行動するのかで、ブロディ・モーメントを決定的な瞬間に変えることができるのです。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「You’re Going to Need a Bigger Boat」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/youre-going-to-need-a-bigger-boat/
翻訳:川崎あゆみ

2022/05/30

効果的なビジネスネットワーキングを行うには、時には多くの人が当たり前だと思っていることにとらわれず、新しい人脈を探していく必要もあります。そこで質問です:非営利団体(NPO)の役員は、あなたにとって最適なリファーラルの提供元となり得ますか?答えは間違いなくYESです。一般的なNPOでは、理事会は地域社会で最も影響力のある人たちで構成されており、その周辺の人たちも含め、奉仕の精神を持っていることが多いようです。

規模の大きなNPOの事務局長は、ビジネスや慈善活動の世界で多くの有力者とつながっており、巨大なネットワークを持っていることが一般的です。NPOであっても、リファーラルが必要であることも忘れてはいけません。彼らの活動は寄付によって成り立っていますが、その寄贈者の多くは大企業で、大抵、相当な量のビジネスを提供しています。NPOは専門家ではないボランティアをたくさん雇用して活動にあたっているため、トレーニングやコーチング、コンサルティングを世界で最も多く購入している団体なのです。

リファーラルを依頼する前に人間関係を構築する

ネットワーキングは狩猟ではなく農業であることを忘れずに、組織の役員やメンバーとビジネスの関係を育んでいきたいものです。寄付や支援をし、そしてそのNPOの理念や奉仕する地域社会を心から大切に思う気持ちを示すことで、強固な基盤を築く必要があります。

こうしたことで、あなたのことを全く知らない人や関係もない人に対して、買って欲しいと売り込んだり、リファーラルを求める「時期尚早なお願い」を避けることができます。どのような組織においても、人脈づくりを成功させるためには、時間をかけて確かな関係の構築が不可欠となります。

関係をこのように築きながら、NPOの主要メンバーをチャプターミーティングへ(対面でも、オンラインでも)招待することもできます。NPOはBNIのような確立されたネットワーキンググループにおいては、非常に効果的に成功を収めることができます。

そう、NPOの理事は、ビジネスにとって、思いがけない素晴らしいリファーラル提供者になり得ます。NPOと関わり、さらに役員を務めることで、地域社会に貢献し、信頼関係の貯金ができるだけではなく、価値の高い友人関係やビジネスの関係を形づくる機会になり、その結果、あなたやあなたの会社に価値の高いリファーラルをもたらすことができるのです。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「A Surprising Referral Source」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/a-surprising-referral-source/
翻訳:川崎あゆみ

2022/05/27

ロバート・スクロブ氏とは数年来の付き合いで、彼は『The Connector Effect:The Proven Way to Grow Your Business Right Now(今すぐビジネスを成長させる実証済みの方法)』という本の共著者の一人です。

ロバートは、サブスクリプションビジネスの収益拡大に関する第一人者で、私は彼と中小企業がサブスクリプション(サブスク)を通じて収益を飛躍的に拡大する方法について話をしました。ロバートは、彼の近著『The 9 Proven Models for Exponential Subscription Growth』から、いくつか例を示してくれました。

今時の顧客は、サブスク型のサービスを求めるようになってきており、レストランや専門サービス、あるいは自分が頻繁に利用する会社の定期サービスを購入することに抵抗がなくなってきています。

ロバート曰く、一人の顧客が一回の買い物で終わるのか、事前にクレジットカードが承認された買い物を継続してくれるのか、これは中小企業にとっては儲けを広げるチャンスになり得るとのことです。

多くの企業が、サブスクモデルが自社のビジネスには向いていないと考えているようですが、ほとんどの企業はその能力があります。もちろん、コストコやネットフリックスのような大手の大多数は、サブスクモデルを取り入れていますが、もう少し詳細に見てみると、かなりの数の中小企業も提供していることがわかりました。

成功するサブスクリプションの例

多くの企業はVIPモデルを取り入れています。例えばレストランでは、VIP会員やサブスク利用者に、会員専用の営業時間を設定したり、一般客が順番待ちしているような状況でもVIP専用テーブルが利用できるような特典の提供が可能です。

価格や内容が事前に取決められている商品あるいはサービスを提供するビジネスでは、クライアントにサブスクモデルを勧めやすいはずです。ダラー・シェイブ・クラブの名前はご存じかもしれませんが、驚くほど低価格で消費者にカミソリを販売することで、既存のカミソリ市場を完全に破壊することができたのです。これは業界の流通網を介さず、消費者へ直接販売したことで実現しました。加えて、サブスクモデルを採用し、顧客から先々の注文まで受け取っているため顧客生涯価値も高まり、ダラー・シェイブ・クラブは業界全体を破壊することができたのです。

もちろん「サブスクってどうなんだろう……」と考えている企業があることも認識しています。そこでロバートに、どのような業態であればサブスクモデルが成り立つのか聞いてみました。

彼によると、造園業から害虫駆除などすでにかなりの業態でサブスクを取り入れており、すでに利用者もいる定着したサービスになっているとのことです。CPA(公認会計士)の中には、監査対応のサブスクを提供しているところもあります。クライアントが年額の契約料を支払えば、監査の際にCPAが立会って対応するというものです。

住宅の屋根工事業者は、雨樋掃除の年間サービスがあれば、屋根葺き替えの注文と一緒に受注できますし、単独で販売することもできます。暖房・空調業者や配管業者は、ある種のサブスクプログラムを提供しています。例えば訪問先で工事の見積もりを出すときに、「今回の修理費用はこちらになりますが、もし弊社の会員になっていただければこの修理費から割引をさせていただきます。他にもいろんな特典をお付けすることができます」と伝えることができるわけですね。

私は、個人的にこの種の会員サービスを楽しんでいます。ある空調・配管業者のサブスクを利用していますが、彼らは3か月に1度我が家に来て、空調機器や配管をチェックし、問題がないかすべて確認をしてくれます。さらに自動的に訪問予定を決めてくれるので、ありがたいことに次はいつ点検が必要になるのか把握しておく必要がないのです。顧客ロイヤルティを高めることにもつながりますね。仮に3か月ごとの定期訪問の間に何か不具合や故障があっても、私が他の業者に連絡することはありません。

商品・サービスの枠を超える

多くのビジネスにおいて、顧客はサービスや商品を購入しています。その上で、会員制をとっている場合、クライアントは関係性を持ち続けるというある種の約束を購入していることになります。多くの会社にとって、サブスクはそのサービスを履行をするにあたっても費用もかからず、新たな収益源となります。さらに、顧客に対しては大きな価値提供をもたらす、非常に利益率の高い収入源となり得ます。

ロバートは、成功するサブスクビジネスと失敗するものの最大の違いは、4つのSubscription Growth Drivers(サブスクリプション成長の原動力)が共に機能し、個々のサブスクモデルに合っているかどうかだと述べています。『The 9 Proven Models for Exponential Subscription Growth』で紹介されている9つのモデルにはそれぞれ特徴があり、価値を示すことで利用者を惹きつける方法をもっています。価格と定着率を含む4つの成長原動力は、それぞれのモデルごとにカスタマイズされています。それについては、彼の著書の中で明確に説明されていますので、ぜひご一読ください。

多くの企業が、サブスクモデルが自社のビジネスには向いていないと考えているようですが、ほとんどの企業はその能力があります。もちろん、コストコやネットフリックスのような大手の大多数は、サブスクモデルを取り入れていますが、もう少し細かく見てみると、かなりの数の中小企業も提供していることがわかりました。

あなたのビジネスについて考えてみてください。最も信頼できるクライアントには、VIPステータスへのアップグレードのお誘いをする、あるいは事前注文をしてもらい、事前に承認された商品を定期的に受け取れるサービスにお誘いする方法はありませんか?サブスクモデルには消費者にとっての利便性が十分にあり、あなたの会社が人々の生活をもっと楽にできる企業であれば、彼らのロイヤルティを高め、長いお付き合いができるようになるはずです。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Subscription Revenue for Your Business」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/subscription-revenue-for-your-business/
翻訳:川崎あゆみ

2022/05/26

子供の頃、磁石で遊んだ思い出はありますか?磁石をどの方向に向けるかで、互いに引き合ったり反発したりします。大人になってから、リファーラル先に電話したものの全くリファーラルにならなかったときなどは、まるで自分が6歳児に戻ったような気持ちになるのかもしれません。反対を向いた磁石と同じように、あなたは相手から受け入れられていないどころか、敵対さえされています。あなたへのリファーラルは「暖かい紹介」であったはずが、突然「冷たい相手への売り込み電話」と化してしまうのです。

私たちは皆、私たちと話をしたいと思ってくれる人たちへの紹介を求めています。自分たちの商品やサービスについて、意欲的に話を進められるようなリファーラルを提供したいし、受け取りたいですよね。ビジネスネットワークの仲間からより効果的なリファーラルを受け取るためには、仲間たちが私たちのビジネスやターゲットマーケットを十分に理解し、適切なリファーラルかどうかを見極められるようにする必要があります。

ここで、その意欲的な会話につなげるための4つのヒントを紹介します。

1.ニーズ評価

自分にとっての良いリファーラルはどういうものかをリファーラルパートナーに明確に、そして具体的に説明することは自分の責任です。理想的な見込み客はどういう人なのか、その見込み客が抱える問題に対して私たちがどのように解決できるのか、その両方を伝えます。

たとえば、こちらはターゲットマーケットが明確に定義された、企業向けのコーチングを仕事にする人の場合です。

従業員100名以下の中小企業で、多くの場合家族経営で、3つ以下の州に拠点を持つ地域密着型の企業です。従業員を家族同様に大切にするという評判もあり、従業員の定着率は平均以上であることに誇りを持っています。競争の激しい業界において、優位性を保つことに注力しています。

2.あなた独自の強み

あなたのマーケットには、何十、何百という競合相手がいますか?恐らくいますよね。競合相手に差をつけるために非常に重要なのが、あなたのUSP(Unique Selling Proposition/独自の強み)です。

USPは、あなたのビジネスの目的を端的に説明し、あなたにしかない独自の価値を仲間に理解してもらうために最も簡潔かつ説得力を持って明確にされています。あなたのUSPは、どのようなクライアントと仕事をし、どのような利益を彼らに提供するのかを伝えるものです。

あなたは差別化を図るためにどんなことを言っていますか?競合相手が真似できないことは何ですか? 少なくとも競合相手よりも自分が優れている点を見つけ出し、「優れたカスタマーサービス」以上の自社の強みを提供できるようにしましょう。

3.なぜビジネスをしているのか?

あなたは何に情熱を注いでいますか?なぜ仕事に行くのですか?残念ながら、この質問に対する最も一般的な答えの一つが、「お金を稼ぐため」です。それは、プロのビジネスパーソンの答えとして最悪です。なぜ今の職業に就いているのか。どのように人生を変えるのか。実はその答えが、あなたのリファーラルパートナーが知るべきことなのです。情熱も、リファーラルにつながるものであることを覚えておいてください。仲間と本当に個人的につながりたいのであれば、自分を深堀りし、自分の「なぜ」を明らかにする必要があります。

4.あなたの感情的なつながりは?

あなたのECC(Emotionally Charged Connection/感情的なつながり)は、リファーラルパートナーがあなたを誰かに紹介する際に、本格的な話の前段として、すでに頭に入っていてその場でさっと口から出るようなフレーズです。

私たちは皆、ECCを持っています。それは、たいてい私たちが子どもの頃に起きた出来事で、我々の人間としての基礎となっているものです。それは、ポジティブなものもあればネガティブなものもあるでしょう。多くの人は、自分のECCを意識していませんが、それがあるからこそ、私たちは朝起きて、毎日のことをしています。小切手帳や頭ではなく、心によって動かされるものであり、両者には大きな違いがあります。

これらのヒントを、ビジネスネットワークグループでうまく共有できるようになれば、反発する磁石ではなく、引き寄せる磁石だと感じるようになるでしょう。そしてあなたのリファーラルパートナーは、意欲的に会話を進められるリファーラルを出せるようになっていきます。

あなたがどうやって見込み客と意欲をもって会話ができるようになったのかについて、ネットワークの中でどんなことをシェアしましたか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「The Willing Conversation」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/the-willing-conversation/
翻訳:川崎あゆみ

2022/05/25

ビジネスネットワーキングやリファーラルの受け渡しについては、誰が誰に何を与えるという話ではありません。「あなたがリファーラルを与えたら、全てのリファーラルに見返りが期待できる」というルールはありません。つまり、あなたがより多くのリファーラルを渡したとしても、自動的にビジネスの相手が同じようにしてくれるわけではありません。リファーラルマーケティングは、そんな風に機能するものではないのです。

もし、リファーラルパートナーにマッチしそうな、ビジネスの話を耳にしたら、それは「おまけの仕事」だと考えてみましょう。リファーラルパートナーは、競合相手ではないので、リファーラルという形で、相手に合いそうだなと思うビジネスを渡してあげれば、それによって、あなたと一緒に仕事がしたいという見込み客をより多く引き寄せることになります。

海にはたくさんの魚がいるのです。ほとんどの漁師は、100ヤード先にいる漁船の漁師と自分が競っているとは思っていません。彼らは、みんなにとって十分な魚がいることを知っていますから。実際に、彼らは港に戻る途中でも他の漁船とすれ違えば、お互いに手を振って、うまくいったかとか、どのくらい獲れたなどと言葉を交わしているはずです。

相手のために良いことをする

「種まきと刈り取り」の原則は、他人に良い行いをすれば、その良い行いは、思いもよらないところからあなたに返ってくるというものです。たとえ、自分が出したリファーラル先から直接恩恵を受けていないように思えても、「期せずして」自分のところにやって来るすべてのビジネスに注目しておきましょう。

  • あなたがSNSに投稿したブログを友人がシェアし、それを見た人があなたのウェブサイトをチェックして電話を掛けてくる。
  • 数か月も音沙汰がなかった古い見込み客から、突然ランチの誘いがある。
  • ずっと取引が止まっていたクライアントから、契約更新を希望する旨の連絡がある。

それは、偶然の出来事のようにも思えますが、あなたがリファーラルという形で、相手のためにビジネスを提供したことで引き寄せた新たなビジネスのうちの一部か全てである可能性が高いのです。あなたは、人脈作りのプロセスを通じて新たなビジネスを引き寄せ、ネットワークの中で、日ごろからこのような変化を起こす人になるために頑張れるはずです。

私は点数をつけることはお勧めしません。その代わりに、ビジネスは十分過ぎるほど行きわたっているということを意識し、「豊かな心持ち」でリファーラルを出すようにしましょう。

より多くのものを与えた後に、より多く受け取った経験はありますか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Don’t Keep Score」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/dont-keep-score/
翻訳:川崎あゆみ

2022/05/24

人生もビジネスも、常に変化しています。私たちは、この変化をもっと信じていいと思います。ビジネスパーソンは、自分のビジネスの業界やコミュニティで何か変化が起きると、それに対して苛立ちや憤りを覚えることがあります。大きな組織や企業に属するプロフェッショナルは、景気循環の中で自然に起きる変化に動揺したり、混乱することがあります。

このことについて、みなさんといくつか考えを共有したいと思います。

まず、私たちは通常、舞台裏を見ることはありません。物語にはいつも別の側面があり、変化をもたらした意思決定の裏には、通常、私たちが認識している以上の事実や情報があるものです。

ときどき「今のままがいい」という人がいます。そういう人たちは、変化についてしっかりと検証したり、その変化に挑むに、そんな風に言いますが、「今のまま」がかつては新しいものであったこと、ある時点では、変化したものであったことを忘れているんですね。

信念を持つ

次に、絶対に持っていなければならないのが信念です。多くの人たち、地域社会や会社、組織を通じてつながっている人々を助けるために、自分たちができることを信じる必要があります。

ジョン・C・マクスウェルは、リーダーはまず「他人を優先する」と言っています。自らの製品やサービスで人の役に立つことを自分のミッションや目標としてフォーカスしている人が、リーダーとして成功するのです。

リーダーとして、自分たちの仕事がどのように作用するかを信じていることが大切です。自分がしていることに信念を持っていれば、周りの人がその信念を感じとり、それが彼らへの刺激になります。やる気になった人は、自分自身でモチベーションを高め、周りの人たちが最大限のポテンシャルを発揮できるよう働きかけるようになります。そして仕事や人生を通じて貢献できたことの感動や熱意を分かち合うことができるのです。

現状維持なんてない

人は、成功した現状に満足し、心地よさを感じるのが好きだということは理解しています。しかし、成功した現在は、素晴らしい過去の上に築かれたものです。今が快適だからといっても、来週あるいは来年全く同じ現在が続くとは限りません。今日がもたらす変化は、未来の成功をもたらすかもしれないのです。

みんな、そのことは分かってはいるのですが、考えてみれば、現在の私たちの日常生活は、過去にあった変化でいっぱいです。電報、電話、ポケットベルや1キロ近い携帯電話は、どれも当時の最新のものですが、今や私たちの大半はスマートフォンに頼りっぱなしです。これこそが大きな変化であり業界を破壊したものでもありました。

好むと好まざるとにかかわらず、未来は変化していきます。現在の状態は維持されず、変化が起きます。それに抗うのか、受け入れるのか、私たちの選択次第です。

私たちは皆、人生における変化を信じていいのです。

考えてみてください: すでに起きつつある変化に文句を言うことが、顧客やクライアントのためになるでしょうか?あなたがより大きな成功を収めることにつながるでしょうか?私からのアドバイスは、自分の会社やチーム、部署、そして自分自身の行動にフォーカスすることです。そうすれば、うまくいくはずです。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「We Can All Count on Change」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/we-can-all-count-on-change/
翻訳:川崎あゆみ

2022/05/23

ビジネスネットワーキングを成功させるためには、ネットワークの仲間たちと人間関係を築くことが基本になります。人々はお互いを知り、好きになり、信頼し合うと、他の誰かに紹介したり、リファーラルを出したくなるものです。そのリファーラルは、新たな顧客やクライアントとなり、ビジネスに新たな売上をもたらすことになります。これが「人間関係」+「リファーラル」=「収益」という意味です。

人間関係

私たちの人生に成功と調和を生み出すためには、家庭、職場、コミュニティにおいて人間関係を築き、維持することが重要です。

家庭

私たちは日々の生活に追われ、特に在宅勤務のときなどは、家族の存在が当り前になってしまうことがありますが、次のことを覚えておきましょう。

  • 感謝すること。生活を共にする家族に、しっかりと感謝の気持ちを伝えましょう。具体的に、誠実に、そして折に触れて伝えましょう。
  •  感謝の気持ちを相手にとって意味のある形で表しましょう。私たちは、たいてい自分にして欲しいことを人にするものです。行動スタイルを理解し、身近な人の好みを知ることで、より有意義な形で感謝の気持ちを伝えることができるのです。

職場

起業家でも、会社勤めの人でも、職場では長い時間を過ごします。ビジネス上の関係にあるチームや同僚に対して、次のことを覚えておきましょう。

  • ありがとうと声をかけ、あなたがどれほどみんなに感謝しているかを、ちゃんと聞いてもらいましょう。
  •  力になる。有益なチームワークを生み出すために「何か困っていることはありますか」と尋ねましょう。

「それは私の仕事じゃない」というような態度は避けましょう。全員が成功するために必要であれば、全員がそれぞれのやり方で貢献することを期待しましょう。

コミュニティ

私たちは規模の大小を問わず、自分たちが暮らす地域社会の一員です。大変な時には協力し合い、物事がうまく行けば、共に祝います。そこで、次のことを覚えておきましょう。

  • 地域社会の奉仕団体や奉仕プロジェクトに参加しましょう。
  • 所属するグループの集まりに定期的に出席し、活動に参加することを約束しましょう。
  • あなたの時間や大切なもの、才能を持ってほかの人たちの手助けをしましょう。

リファーラル

私たちは、所属するネットワークからリファーラルがもらえるようになるには、メンバーが自分に信頼を寄せてくれるまで時間がかかることがわかっています。時間をかけて、確固たる関係を構築し、相手に対してリファーラルを出したときに、VCP Process®におけるヴィジビリティ(認知)からクレディビリティ(信頼)へ段階が移行することになります。次のことを覚えておきましょう。

  • 積極的に話を聞き、メンバーのために見込みのあるリファーラルを探しましょう。
  • あなたから出したリファーラルがどのような結果になったのか、後日相手に確認しましょう。
  • 介した人たちとつながり、リファーラルを出してくれたメンバーに感謝しましょう。

収益

私たちは、リファーラルパートナーの信頼を得ることができて、初めてVCPプロセスの「P」、プロフィタビリティ(利益)の段階に進むことができます。これは、しっかりとした深い関係を築き、相手にどのように役に立てるかを確認して、リファーラルを出した後の話です。こうなれば、自分のビジネスにつながるリファーラルを受け取れるようになり、その結果、自ずと収益が上がるようになります。そのようなリファーラルは、リファーラルを出した先から直接来ることもありますが、それまで接点のなかった人たちから来ることもたびたびあります。家庭であれ、職場であれ、コミュニティであれ、人に与えたことは、さまざまな形で自分に返ってきます。

BNIでは、これをGivers Gain®(ギバーズ・ゲイン)と呼び、私たちの最も重要なコア・バリューとしています。昔からの「因果応報」の考えに基づいたものです。私たちの人間関係がリファーラルを生み、それが収益につながるのです。あなたが人の役に立てば、その人もあなたの役に立ち、誰もが良い結果が得られるようになっていきます。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Relationships + Referrals = Revenue」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/relationships-referrals-revenue/
翻訳:川崎あゆみ

2022/05/20

私は、これまでのキャリアの中で重要な決断が下せず苦労することが多々ありました。右に行くか、左に行くか。イエスと答えるか、ノーと答えるか。私はどちらかと言えば、ものごとを論理的に捉え、持ち合わせているデータを有効活用する傾向があります。しかし、それでも問題によっては、次に何をすべきかと苦しみ続けることがよくあります。

私は長い年月の中で、選択に困ったときは、自分の直観を信じればよいことを学びました。もっといえば2つのテクニックを編み出したのですが、はっきりとした決断を下せないときは、そのやり方が役立っています。

一旦考えることをやめる

まず1つ目のテクニックは、20年以上も前に気付きました。子供たちがまだ小さかった頃、バスキン・ロビンス(サーティワンアイスクリーム)の店で、子どもたちがどのフレーバーにするか全く決められずにいました。次が私たちの順番で、後ろに大勢の人が並んでいて、すぐに決めないといけない状況でした。そこで、私は子どもたちに目を閉じて、舌をつき出して大きく動かすよう言いました。あなたが私たちの後ろに並んでいるところを想像してください(笑)。大人に付き添われた3人の子どもが、目を閉じて舌を出してぐるぐる動かしているのです。私たちのことを、頭のおかしい親子と思った人たちもいたでしょう。ところが面白いことに、突然子どもたちはそれぞれにどのフレーバーにするのか私たちに知らせたのです。私が期待したのは、子どもたちが目の前にある全ての選択肢が渦巻く頭から一旦離れて、直観で自分が本当に欲しいものは何か選ぶことでしたが、まさにその通りになったのです。子どもたちはすぐに欲しいものを決めることができました(後ろに並ぶ人たちもみな喜んでくれました)。

さて、正直に言うと私がオフィスで決断することができないとき、実際には舌を出してぐるぐる回したりはしません(その瞬間に、誰かがオフィスに入ってくることを想像できますか!?)。ただ、心の中でそれをしています。判断材料は十分に揃っていても、なかなか判断ができないとき、椅子に深く腰掛けて心の中で舌を出し動かしているのです。そうすることで、第六感あるいは直観に語り掛けることができるのです。そして、多くの場合、やって良かったという結果になっています。

コインで決める

もう1つ、あなたが何かの決断ができないときにお勧めするテクニックをご紹介します。選択肢に関する全ての情報は揃った状態で、コインを取り出し、表ならこの選択肢、裏ならこちらの選択肢と決めます。さて、恐らくあなたは、「ちょっと待ってアイヴァンさん、博士号を持つあなたが、コインを投げて決めるなんて!?」と思っているでしょう。まあまあ、最後まで話を聞いてください。コインを投げ、どちらかの結果が出たら、しばらくゆったりと座ってあらためて先ほどの直観に聞いてみてください。そこで、もしちょっと違うと思ったり、不安を感じるようであれば、それは正しい選択ではありません。でも、結果にホッとしたり、満足であれば、コインの目がどちらであろうとその選択で行くべきなのです。このテクニックは、何か具体的に目に見えるものを使って直観と照らし合わせることで、意思決定の迷いを断ち切る方法なのです。

それでも、やはりデータや事実にしっかりと目を向けることが必要であることは忘れないでください。ただ、お伝えしたいことは、あなたの直観も同様に考慮に入れるべき時(そしてテクニック)があるということなのです。

直観は、あなたの内なる魂があなたに語りかけているのです。無視をせず、受け入れてみましょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Can’t Decide What to Do?」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/cant-decide-what-to-do/
翻訳:川崎あゆみ

2022/05/19

ビジネスネットワーキングは、まさにマラソンのようなもので、決して短距離走ではありません。私はこれまで、全力疾走でネットワークづくりに奮闘し、「超活動的なネットワーキング」を実践してきた多くの人に出会ってきました。彼らは、どこにでも現れ、誰とでも会い、わき目もふらず走り回ることで燃え尽きてしまい、当然ながら「崩壊」し、努力が報われることはありません。

活動イコール成果ではない

数年前、私は完璧なネットワーカーとして知られる女性に出会いました。彼女は何百、おそらく何千もの人とつながり、あらゆる職業・地位の人たちが集まる幅広いネットワークを持っていました。彼女は、誰もが知りたいことを何でも教えてくれる存在として、コミュニティ内で非常によく知られていました。

ある日、彼女は私を脇へ引っ張っていくと、驚きの発言をしました。彼女がそれまでにかけてきた人脈作りに対する労力は、あまり報われていないというのです。続けてこれまで関わった全てのグループ、出会った全ての人たちについて、そしてその人たちといかに良いつながりを持ってきたか、そして今もその努力を続けているということを私に話しました。でもそんなに努力を重ねてきたにもかかわらず、全くといっていいほど確かなビジネスが得られていないと言うのです。ちなみに、週に何回くらいネットワーキングイベントに顔を出しているのか聞いたところ、最低でも5回、ときにはそれ以上だというのです!

なぜ、彼女は結果を出せなかったのでしょうか。それは、彼女は人脈を作ったり、自分の認知度を上げるための能力は素晴らしかったのですが、人脈作りの本質、つまり人間関係の構築をないがしろにしていたのです。あちこち走り回り、いろんなところに顔を出すのに忙しく、せっかく作ったネットワークを「活用」して、人々と深い人間関係を築き、信用を得る方法が分かっていなかったのです。

確かに彼女はコミュニティ内で非常に目立ち、誰もが知る存在でした。問題は、彼女が人脈作りにおいて、「活動」すること自体が「成果」であると思っていたことです。実際に、彼女のネットワークは非常に幅広いけれど、浅いものでした。彼女はその広い範囲に及ぶネットワークにいる多くの仲間に対して、次の、最も重要なステップを踏んでいませんでした。つまり、仲間たちが彼女のことをよく知り、好きになり、信頼し喜んでリファーラルを出せるような親密な関係を築くために時間をかけていなかったのです。

ネットワーキングとは人間関係を構築すること

最近、数年来の知人でも同じことがありました。彼は、参加できそうなありとあらゆるネットワーキングミーティングやイベントに継続的に参加し、彼の存在は信じられないほど目立つようになりました。いつもミーティングに参加するだけではなく、会場に到着してからその場を去るまでの間、終始エネルギッシュで熱意に溢れていたのですが、問題は、自分の身をそこに置いて、人と新しく知り合うための行動や努力、熱意が足りなかったということではなかったのです。

彼はただ忙しく走りまわるだけで、継続的にお互いにリファーラルを出し合えるような、長期にわたって根を張った関係を構築するためにしっかりと時間を費やせなかったことが問題だったのです。その結果、彼は重度のネットワーキング燃え尽き症候群となってしまいました!可能な限りあらゆるところに行き、誰とでも会っていた彼が、どこへも行かずほとんど誰とも会わなくなり、1年後には彼のビジネスは行き詰まってしまいました。

ネットワーキングは狩猟型ではなく農耕型

できるだけ多くの人脈を作ることで、ビジネスを大きく成長させることがあなたの目標であれば、強力なネットワーク作りはできないでしょう。ネットワーキングに短距離走で臨めば、ほぼ間違いなく燃え尽きてしまいます。イベントからイベントへと絶えず飛び回っても、疲れるだけで効果はありません。人脈作りにおいては、あなたの存在を知ってもらうこと、そして信頼性を高めるという両面のバランスが必要となります。

そのためには、これまでに知り合った人たちと定期的な1to1(個別)ミーティングを行い、相手が提供するサービスや良いリファーラルを出すにはどうしたら良いかをより深く理解することも1つの方法です。そして、その相手もあなたに同じことをしてくれるということが非常に大切なことです。

そのいい例として、カリフォルニア州で不動産業を営む女性が、過去に深刻な不況に見舞われたときでも、彼女がある場所でネットワークを広く深く構築しようと決めたことで、ビジネスが劇的に成長したことを話してくれました。

私のアドバイスに従って、自分のネットワークの仲間と少なくとも月4回の1to1ミーティングを行い、そこで関係構築に集中しました。そして、彼女の仲間にとってビジネスチャンスになると確信したので、その場で仲間に電話し、2人を引き合わせたのです。その結果、ビジネスにつながる強力な紹介が生まれました。

この活動によって、彼女は仲間たちに以前よりも倍のリファーラルを出せるようになり、そして何よりも、彼女もこれまでより倍のリファーラルをもらうことになりました。彼女は、この人脈づくり、信頼関係構築のプロセスを短距離走ではなく、マラソンを走ることだととらえたのです。まさにネットワーキングが農耕型であり狩猟型ではないことを示すいい例です。人脈作りは、キーパーソンとの関係づくりが重要なのです。

この話で驚くことは、ビジネスが深刻な不況に直面し、そのあおりを受けていたときに起きていたことだということです。さらに重要なことは、このビジネスウーマンの職業が、多くの他の職業と同じか、それ以上に大きな打撃を受けていたことです。そのような境遇にもかかわらず、彼女は長期的にリファーラルを出せる関係を作り出すために関係構築のスキルを駆使したのです。

ビジネスネットワーキングの核心は、時間をかけて本物の信頼できる関係を築くことです。もちろん、認知を上げることも重要です。でも信頼関係がなければ、長期的に見て、認知を上げるだけでは大きな成果を上げることはできません。ネットワーキングは、短距離走ではなくマラソンに挑むように取り込むことです。

ネットワーキングにおいては、時として急ぐからこそスピードを落とすべき時もあります。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Business Networking is a Marathon」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/business-networking-is-a-marathon/
翻訳:川崎あゆみ

2022/05/18

情熱や熱意は、ビジネスで成功するための重要な要素です。これはビジネスネットワーキングにおいても同じことがいえます。しかし、あまりに一生懸命すぎる人は、相手に強引な印象を与えてしまうことがあります。それは自分の提供するものが、相手にとって本当に有益なものだと心から信じているからなのですが、その気持ちが強すぎて、周囲の人たちにプレッシャーを与えてしまうこともあります。でも人は何かを強いられたり、プレッシャーをかけられたりすると、そのメッセージが十分に耳に入って来なくなるものですよね。

意図を理解してもらう

相手とどう話し、どのように接するのか。これについては、自分が「こうしたい」という「意図」が大きく関わっています。自分が提供しているものの価値を信じていなかったり、必死さが表に出てしまうと、相手に強引だと思われたり、営業っぽい印象を与えてしまいます。そもそも相手の人生に影響を与えたいという愛と、価値を与えたいという気持ちを持っていれば、その純粋な意図は理解してもらいやすいはずです。

私が1985年にBNI?を始めたとき、最初の1年間で20のチャプターを立ち上げました。現在のような便利なテクノロジーもマーケティング用の資料もなく、私が使ったのは一枚の紙だけ。それも自分でタイプした1ページのミーティングアジェンダでした。

きわめて重要なことは、その一枚の紙に加えて私には「情熱」があったということです。私はリファーラルマーケティングという言葉を広めたいという情熱があり、もっともっと大勢の人がビジネスで成功できるよう役に立ちたいという熱い思いを抱いていました。私は、「燃えている、熱意のある人のほうが、知識を持った冷めた人よりもいい!」というフレーズのイメージキャラクターになったのです。

人をネットワーキングミーティングに招待する

これまでにBNIのメンバーがチャプターミーティングやネットワーキングイベントにビジターを招待したとき、ときどき目にしてきたことがあります。メンバーは実際のところビジターを招待しチャプター内のメンバーに引き合わせることに純粋に喜びを感じているだけなのですが、そのメンバーが熱心なあまり、招待された人たちは時に強引だと感じているかもしれないなというものです。

熱心さのあまり、「ねえ、このチャプターに来て、ぜひ誰々と会ってみて!」と言ってしまうこともありますが、もしかしたらちょっとやりすぎなのかもしれません。でもここで、「あなたのビジネスに役立ちそうな人を紹介したい」と言えば、それは相手にフォーカスしたものになりますよね。相手のビジネスに有益と思えるこの人を紹介したいという意図を伝えられたら、役に立ちたいという真意をよりはっきりと理解してもらえるはずです。

相手の言葉を理解する

人と会うときは、相手の置かれている状況に配慮することが大切です。あなたが、潜在顧客やクライアントに売り込んだり、話すときなどは特にそうです。彼らは、気持ち的にも、気力的にも、経済的にもあなたの商品やサービスに対してまだ準備ができていないかもしれません。しかし、将来の収穫のために、種まきをしておくことはできますよね。これは、ギバーズ・ゲイン?の理念に沿っていることで、たとえまだ彼らの準備ができていないとしても、出会う前に比べたら、共有した知識から得るものがあったり、役に立つ紹介などその人にとって喜ばしい状態になっているはずです。

また、彼らのモチベーションや行動スタイルを理解し、尊重することができれば、より深いレベルでつながることもできます。まずは、自分自身のスタイルを理解し、ほかの人たちの行動スタイルとどのように異なるのかの見極め方を学びます。そしてもっとも重要なことは、それら他の人たちのスタイルに私たちのやり方を合わせることです。私たちは相手が話す言葉を理解することで、より効果的にコミュニケーションをとることができます。

コミュニケーションのとり方が大切であるということを忘れないでください。相手の役に立ちたいという思いを胸に、熱意とエネルギーを持ってビジネスについて語ることによって、私たちの情熱は輝きを放つでしょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Be Passionate, Not Pushy」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/be-passionate-not-pushy/
翻訳:川崎あゆみ