2022/06/28

今日のグローバル社会は、ビジネスパーソンに多くのチャンスを提供しています。それらの機会を最大限に活用するためには、世界中のビジネスにおける文化の違いを理解することが重要です。

多くのビジネスやネットワーキングの基本は、どの文化においても共通であることを心に留めておきましょう。お互いの共通点に意識を集中すれば、「違い」はそれほど重要なことではありません。ビジネスにおいて、相互に感じている「違い」に目が向いてしまうと、ビジネスネットワーキング成功の土台である強固な人間関係を構築する上での障害になりかねません。

前もって準備しよう

海外に旅行する際は、飛行機に搭乗するかなり前に準備を始めましょう。旅行先についてリサーチし、その地域や地元の文化、生活様式、習慣などを頭に入れておきます。現地のニュースに目を通し、あなたの滞在中に行われるイベントや祝日に関する情報を得ておきましょう。

現地に住んでいる人と話しておくのもいいと思います。すでに、あなたを招待している訪問先の方と連絡を取っているでしょうから、到着する前にその方と話し、予定を立てたり、文化の違いなどを確認しておきましょう。私は、BNI創始者として何年もの間さまざまな国に旅してきましたが、今お伝えしたことを一貫して実践してきました。私がこれまで訪問してきた国々のみなさんと適切につながれたのは、このように準備した上で渡航に臨んだことが大きいと思います。

eDiplomat™」というこちらの便利なウェブサイトを紹介しておきます。44か国の文化的な礼儀作法に関する情報(英語)が掲載されており、非常に参考になると思います。

ヒントTOP5

1.訪問する国の言葉で、主要な表現や言い回しをいくつか覚えておく

先方は、あなたがその国の言葉で意思疎通を図ろうとする誠実な行為を評価してくれるでしょう。

2.ボディーランゲージに気を付ける

普段、あなたが何かをするときのしぐさは、他の文化圏では全く違う意味合いを持つことがあります。たとえ握手であっても、他の国では異なる意味になることもありますし、代わりにお辞儀を習慣とする国もあります。

3.パーソナルスペースに配慮する

人との距離に関して、文化的な境界線を尊重することはとても重要なことです。国の文化によっては、親しい間柄であれば問題にならなくても、別の国では習慣として距離を取るということもあります。この領域の文化的な違いについてよく調べ、敏感になりましょう。

4.スラングやジェスチャーの使い方に注意する

ビジネスの場で、スラングやジェスチャーを使う場合は、あなたにとっては意味のあることが文化によっては意味がなかったり、全く違った意味を持つかもしれないということを心に留めておきましょう。例えば、拳で手の平を叩くしぐさは、ある文化圏では非常に失礼な行為とみなされます。

5.名刺の扱い方に気を付ける

名刺交換は、ほとんどの文化圏において欠かせないものです。名刺は多くの場において、その人の顔として扱われ、大きな敬意をもって扱われます。名刺を渡されたら、時間をかけて名刺に書いてあることを読むのが習慣になっている場合もあります。名刺を受け取ってすぐにポケットに入れたり、その場で名詞に何かを書き込んだりすることは失礼にあたり、侮辱しているとみなされることもあります。

プレゼンテーションを行う

もしあなたが、海外でプレゼンテーションを行う場に招待された場合、さらにいくつかのヒントをお伝えします。まず、このセクションまでの内容をすべて読んで、それらの分野について下調べをします。

次に、あなたのプレゼンテーションに通訳者が付く場合は、発表前に時間を取って話をしましょう。できれば前日が望ましいです。メモ書きも含め、手持ちの資料をすべて見せます。聴衆に不快感を与える可能性があるものかどうかを判断するため、スライドやビデオを確認してくれます。また、プレゼン中に出てくるアルファベットの略語や専門用語については、あなたが説明する必要があるかもしれません。プレゼンテーションの特定の箇所で、あなたが身振りや手振りを入れることを事前に話しておけば、通訳者も心構えができますし、文化的に配慮すべきことがあれば、あなたにアドバイスすることができますね。

特に効果的なアドバイスをお伝えします。もし、あなたの話すスピードが速すぎる場合は、通訳者ブースから誰かあなたに手を振ってもらうよう、通訳者に頼むのです。そして、「その必要はありません」という返事であれば、その方は優秀な通訳者ということなので、あなたも普通のスピードで話して大丈夫です(でも、あまり早口にならないように)。「わかりました」という返事であれば、あなたの話すスピードが速い場合、ゆっくり話して欲しいという合図として誰かに手を振ってもらうことになるでしょう。その場合、その方は国際的レベルの通訳者ではない可能性が高いので、必ずゆっくりと話す必要があります。

プレゼンテーションにユーモアを交えるようであれば、通訳者と打ち合わせをして、その内容とユーモアの内容に問題がないか確認しておきましょう。そしてユーモアのある話をしたら、一呼吸、ないしは二呼吸おきます。なぜなら笑いの波は2回起きるからです。1回目はあなたの言語で話を聞いて分かる人たちからの笑い、2回目は数秒後に通訳者の話を聞いて起きる笑いです。

(これらの助言は、対面でもバーチャルでも、どちらのプレゼンテーションにも当てはまります)

もし、何かのイベントにて実際に会場で基調講演をする場合、相当な数の写真を撮られることを覚悟しておいてください。他の国を訪れた時に感じたのは、ほとんどの人々はとても礼儀正しく、あなたがそのイベントに出席してくれたことに感謝して、とても生き生きとした表情を見せてくれるということです。

海外に旅行する際、あなたは他の国に招かれたゲストであることを忘れず、常にプロフェッショナルに行動してください。世界中のさまざまな場所でネットワーキングやビジネスを行う場合、文化の違いを考慮し、理解し、尊重することが非常に重要です。あなたの旅行が楽しく、思い出に残る、そして成功するものでありますように!


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Understanding Cultural Differences」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/understanding-cultural-differences/
翻訳:川崎あゆみ

2022/06/20

数年前の話になりますが、私が書いた協業と協働についての記事を読んだ人から次のようなEメールをもらいました。「あなたのおっしゃっているネットワーキングのやり方において、こうすればうまくいくはずという説明をされていますが、現実の世界では、多くの人が『私にどんな得があるの?』という考えを持っているように思います」。そして、こんな質問が書かれていました。「どうすれば、自分の利益だけを考える人に無駄な時間や労力を使わずに済みますか?」と。
素晴らしい質問だと思った私は、端的にこう返信しました。

― そうした信用のおけない人たちとは付き合うのを止め、仕事を一緒にするにふさわしい人を積極的に探しましょう。大丈夫です、私もそんな人たちに関わってしまったことがありますからと。

そんな時間や労力を無駄にした経験を経て、あなたの役に立ちたいと思ってくれるネットワークを築くことは(そしてあなたも彼らの役に立ちたいと思うような)、それ自体が目的地ではなく旅であることを認識する必要があります。ビジネスの成功のために強固なネットワークを築くことは、短距離走ではなくマラソンのようなもの。あなたが、長期的にリファーラルを交わし合えるギバーズゲインの精神を持ったプロフェッショナルと出会い、お互いのことを理解し合うまでには時間を投資する必要があります。

ネットワーキングパートナーを見つける方法

まず、相手に与えることができる人を探すところから始めます。良いネットワーキングパートナーの特徴は次の通りです。

  • 相手から何かを求める前に、どのようにあなたの役に立てるか、何かできることはないか真摯な気持ちで尋ねることができる。
  • 仕事を依頼したり、リファーラルを求める前に、あなたとの間に信頼関係を築く必要があることを理解しており、長期にわたってプロフェッショナルな関係を構築しようとする意志を示している。
  • 将来的にサポートをお願いできると思う人に対しては、ビジネスでのやり取り以外にも時間を作る。
  • ネットワーキングは狩猟型ではなく農耕型であることを理解し、行動で示すプロフェッショナルであること。あなたとの人間関係が深まるほど、お互いの人脈作りに大きな期待が持てることをわかっており、時間の許す限り仕事以外でもあなたのことを知ろうとする努力を惜しまない。
  • あなたや他のネットワーキングパートナーに、ビジネスや人脈をもたらすためにできる限りのことをする。あなたに関連のある有益な情報を共有し、あなたが会いたい人たちと好ましい関係になれるミーティングに招待する。
  • 自分の時間や知識を与えることで、リファーラル提供者の成功を手助けする人。ネットワーキングパートナーの成功を喜び、そのことをみんなに伝えてくれる。

ビジネスを得るためには、時間がかかるということを理解し、他人にすすんでビジネスを与えようとする人を見つけたいものですね。

人間関係を構築する

ビジネスネットワーキングの核心は、時間をかけて本物の信頼関係を築くことです。単に人と会ったり、存在を認識されているだけでは不十分。信頼関係を築くことなく知名度を上げても、長い目で見れば大きく成功することはないでしょう。

広くてもつながりの浅いネットワークは、強固なネットワークではないということを思い出してください。作りたいのは、広がりがあり、深みのある個人ネットワークです。それを実現するためには、有意義な人間関係の構築が鍵になります。定期的に人と会い、同じクオリティのプロフェッショナルたちが集まるネットワーキンググループに継続的に参加しましょう。そこでは、仲間とお互いに有益な関係を築きつつ、「私にどんな得があるの?」というような人たちをふるいにかけることができるのです。

ビジネスネットワーキングやリファーラルマーケティングにおいては、「アバンダンス・マインドセット(豊かさにフォーカスする心の態度)」も大事だと思います。世の中には十分過ぎるほどのビジネスがあり、みんなに行き渡るのだと意識しようとするとこのような心持ちになれます。何がなんでもリファーラルが欲しいというような必死さは、相手に伝わってしまい、リファーラルには決してつながりません。成功するネットワーカーは、足りないことばかりを気にする「スケアシティ・メンタリティ」を捨て、豊富にあるという心持ち、「アバンダンス・マインドセット」を意識するようにしています。

あなたが、これらの助言に耳を傾け良いネットワーキングパートナーを探したいのであれば、まず自分自身をかえりみてください。ここに挙げた特徴は、「あなた」に当てはまりますか?「あなた」は、あなた自身のビジネスを求める前に、進んで人のビジネスの手助けをしていますか?

「私にどんな得があるの?」ではなく、何か仲間の役に立てることがないかを尋ねてみてください。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「The “What’s In It For Me?” Attitude」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/the-whats-in-it-for-me-attitude/
翻訳:川崎あゆみ

2022/06/13

ビジネスネットワーキングを「誰が誰に何を与えるのか」というゲームとしてとらえ、いつも「どうすればより多くの得点を取ることができるか」を考えている人がいます。そのような方には、「あなたがリファーラルを1件与えるごとに、あなたも同じく1件の見返りが期待できる」というルールはないということをお伝えしておきましょう。同様に、リファーラルを多く出したとしても、それを受け取ったビジネスのプロたちから同じだけのものが返ってくるとは限りません。リファーラルマーケティングは、そういう仕組みではありません。リファーラルは、常に相互的ではないのです。

効果的なビジネスとは、リファーラルパートナーと深い人間関係を築くことです。ネットワーキング構築において、成功している起業家は、「それは私にどんな得がありますか?」と質問するのではなく、相手に与えることをまず考えて、「私がお役に立てることはありますか?」と尋ねる人たちです。

相手と話してみよう

もし、あなたがたくさんのリファーラルを出していても、見返りがないと感じているなら、まずは彼らと話し合ってみることです。印象よく、敬意を払いつつ、「私がこれほどのリファーラルを出しているのに、なぜあなたは私に一切リファーラルを返してくれないのか」という気持ちを抑え、彼らと膝を突き合わせ、むしろあなたが相手の成功を願っていることを示すために、これまであなたが相手に与えた全てのリファーラルを振り返ってみましょう。ただし、「ねえ、このリファーラルも、あのリファーラルも私はあなたに出しましたよね」と詰問するのではなく、話し合いであることをお忘れなく。

このように会話を始めてはどうでしょう。「今年、3件のリファーラルをお出ししたと思いますが、それがどのようにお役に立てたのかお話できればと思います。これは、ABC社へのリファーラルでしたが、いかがでしたか? ビジネスにつながりましたか? その方とのお仕事はどう思われましたか?」

あなたが出した一つ一つのリファーラルが、どのように相手の役に立ったのか聞いてみてください。1件ずつ話し合って、しっかりと振り返りながら、そのリファーラルを出した後、どうなったのかを彼らに質問します。これは重要なことです。提供したリファーラルについて、あなたの理解と相手の理解が同じだったかを確認しましょう。勝手な思い込みでリファーラルを提供しないように。あなたは、「プラチナ」だと思っていても、相手にとっては「土」だったということもありえますから。

ときどき、何一つリファーラルが役に立たなかったことに気付くことがあります。それは、あなたが思っていたほど相手にとって良いリファーラルではなかったからかもしれません。もし、あなたの思っていたようには役に立たっていなかったのであれば、それについて相手と話してみましょう。質の高いリファーラルを提供するためには、どのように工夫すればよいか、質問してみてください。そして、ちゃんとその声に耳を傾けましょう!

ちなみに、もしリファーラルが役に立った場合でも、こう尋ねてみてもいいと思います。「リファーラルがお役に立ってよかったです。さらに良質なリファーラルをお出ししたいのですが、私が何か改善すべきことはありますか?」と。これも全て人間関係を構築し、強固にするためのひとつです。

あなたのことをどう話すのか

時間をかけて、あなたが提供した個々のリファーラルについて話し合います。そして全てのリファーラルがネットワークパートナーにとって望ましいもので、役に立ったことが分かったら、次に彼らの役に立てたことをあなたがどれほど喜んでいるかを伝えます。

その時初めて、こう話すのです。

「リファーラルがあなたのお役に立てて嬉しいです。これが、私たちのネットワーキンググループが考える、お互いに応援しリファーラルを出し合う、ということですよね」と。そして、あなたが相手にリファーラルを出すこともあなたにとって有益なことであることを伝えましょう。そして今度は、あなたが望んでいるリファーラルを、彼らがどのようにすれば出せるかを話し合う時間が取れるか確認しましょう。

これは、他の誰かの役に立つという思いから生まれる、誠実かつ思いやりのある平和的な会話です。横柄な気持ちが根底にあったり、相手を窮地に追い込むような非難めいたものではありません。

もし、自分が出したリファーラルが相手にとって役に立たなかったことが分かったというならば、私は相手からリファーラルを返してもらいなさいとは言いません。私なら、提供したものが良いリファーラルでなかったのであれば、相手に「どうすればもっとよいリファーラルを出せますか?」と尋ねます。もしビジネスの相手がGivers Gain®(ギバーズ・ゲイン)を真に理解し、実践している人であれば、相手もあなたに同じ質問をするでしょう。

現実的になる

私は現実主義者です。もし、ビジネスネットワーキンググループに、あなたに対してリファーラルを出そうとしない人がいたら、そんな人にリファーラルを出し続けたくないという気持ちになるのも理解できます。ただし、それはレアケースです。

効果的なネットワーキングは、人と人との関係性を重視するものであり、単なる取引ではないということをお忘れなく。自分のしたことは、自分に返ってきます。さらに、あなたがリファーラルを出した人からリファーラルが返ってくるとは限りません。逆にあなたが、一度もリファーラルを出したことのない人から、リファーラルが返ってくることだってあるのです。

さらに、リファーラルの価値も大切にしたいもの。例えば、お花屋さんと不動産屋さんがお互いにリファーラルを出し合う場合、お花屋さんから不動産さんへのリファーラルよりも、おそらく不動産屋さんの方が数的にははるかに多くのリファーラルを出すことになるでしょう。でも、お花屋さんから不動産さんへの良質なリファーラルは1件だとしても、お花屋さんにとっては、たくさんのお花の価値に相当することもあります。リファーラルは、数も必要ですが質も大切です。そしてそのリファーラルにどういう価値があるのかということも心に留めておきましょう。これらのすべてを考慮に入れましょう。

プロフェッショナルとして、私たちはネットワーキングパートナーとこのような会話をかわす必要があります。その上で、実際に自分が提供したリファーラルが質の良いものであれば、その時こそ、「よろしければ、私にもリファーラルをいただけると嬉しいです。お時間があれば、どうしたら私にリファーラルを出していただけるかお話できればと思います」と伝えてみましょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Are Referrals Always Reciprocal?」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/are-referrals-always-reciprocal/
翻訳:川崎あゆみ

2022/06/06

マスターコネクターとは、あらゆるコミュニティにおいて、問題を抱えている人たちが、解決策を求めて相談に行く人たちのことです。マスターコネクターの周りには、顧客と、解決策を見つけるために誰かの助けが必要な人たち、その両方が自然と集まります。このようにマスターコネクターになると、自ら人を探しにいく必要はなく、人々の方からあなたの方に寄ってくるので、ビジネスが容易になります。そして、それが多くのリファーラルを生み出し、あなたのビジネスに多くの収益をもたらすということになります。

人生において、他の人よりも成功する人たちがいることは、皆さんもご存じだと思います。それは、単に彼らの運が良いからでしょうか?いいえ、そうではありません。成功の理由は2つあります。1つは、運が良いのはそれだけ努力を重ねた結果だということ。そして、2つ目はただ努力するだけではなく、より賢く努力することが大切であるということです。マスターコネクターになるには、より一生懸命に努力することが大切ですが、それよりも重要なのは、より賢く努力をするということです。マスターコネクターは、「私はあなたを助け、あなたは私を助けることで、結果的に皆がよりよくなる」という姿勢で人の力になることで、Givers Gain®(ギバーズ・ゲイン)の哲学を体現します。

前向きな姿勢から始める

幸いなことに、マスターコネクターになるためには長年の経験が必要なわけではありません。必要なのは、前向きな姿勢と、「まず自分から与える」という心掛け、そしてマスターコネクターになるための学びに積極的に関わることです。

マスターコネクターは、ネットワークグループの仲間と誰よりもたくさん1to1ミーティングをします。多くのリファーラルを提供し、誰かが助けを必要としていれば、すすんでメンターの役割をかって出ます。また、チャプターミーティングに他のメンバーよりも多くのビジターを招待し、BNIでの活動に興味を持っているビジターがメンバーになれるようサポートします。このような人たちが持続的で強い信頼関係を築いて、他の人よりも多くのリファーラルを受けるのは、当然のことですよね。

コネクター効果

グラハム・ワイミラーとロバート・スクロブとの共著「The Connector Effect(コネクター効果)」の中で、私たちは「コネクター効果」とは人を引きつける能力であるという話をしています。この効果は、あなたのリファーラルネットワークや友人や家族、上得意の顧客が抱える問題を、あなたのビジネスネットワークの仲間に紹介することによって解決に導く能力に比例して大きくなります。

ネットワーク内に仲間が増えれば増えるほど、ネットワークグループ以外の知りあいの問題を解決することが可能になります。手助けを必要とする人と、その手助けができるネットワーク内の信頼できる仲間とをつなぎます。あなたのリファーラルパートナーも、あなた自身とその専門知識を信頼してくれているので、彼らの友人や家族、クライアントを紹介してくれるというわけです。

マスターコネクターへの道

1985年にBNIを始めたとき、私は本当にコネクターになりたいと思っていました。人と人をつなげたい、という強い思を抱いていました。そこで2、3か月ごとに、当時の私のデータベースであったローロデックス(回転式名刺ホルダー)で名刺を管理していた何百という人に、2枚の手紙を出していました。カバーレターでは、「私がやりたいことの1つは、人間関係を構築し、人と人をつなぐことです。添付の1枚には、皆さんが必要とするかもしれない専門的な職業名を一覧にしています。もし、必要であればお電話ください。該当する担当者におつなぎします」と添え書きをしていました。手紙の2枚目は、私の知り合いで取引もしたことがある信頼のおけるビジネスの専門家たちのリストでした。ただ、そこには彼らの名前や電話番号は記載せず、専門の職種のみを載せていました。

手紙を出し始めてから半年から1年ほど経った頃、ようやく電話がかかってきて、「この方をご存じですか?」「あの方は知り合いですか?」と聞かれるようになりました。手紙に専門家の電話番号を載せなかったのは、まず私に連絡してもらい、私が専門家をつなぐという役割を果たしたいと思ったからです。そして、ここから私がマスターコネクターとなる道筋ができ、最終的にBNI設立に至りました。

マスターコネクターは、人の手助けをすることが大好きです。彼らは生涯学習を実践し、1000のことを6回やるのではなく、6つのこと(1.ウィークリープレゼンテーション 2.1to1におけるGAINSワークシートの交換 3.リファーラルを提供する 4.ビジター招待 5.リーダーシップチームへの参加 6.毎週の定例会に出席する)を1000回行うことで、絶えずスキルを磨き続けています。彼らは、ビジネスネットワーキングは狩猟型ではなく農耕型の活動であり、自ら生み出したつながりからいかに成果が得られるかを理解している人たちなのです。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Becoming a Master Connector」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/becoming-a-master-connector/
翻訳:川崎あゆみ