2023/03/27

ビジネス交流会に参加することに不安を感じる人がいます。おそらく、初対面の人と会うのが苦手だったり、会場に足を踏み入れても、何から始めたらいいのかわからないという方々なのでしょう。あるいは、頑張ってネットワーキングをしても何も得られないと感じる人もいます。私の長年の経験から、あなたが次に参加する交流会でネットワーキングを成功させるために役立つ10のヒントをまとめました。

1.ネットワーキングに必要なものは、常に持ち歩く

プロフェッショナルな印象を与える名札、名刺、あなたのビジネスに関するパンフレット、新しいビジネスについて紹介したいときに、あなたのリファーラルパートナーにすぐ連絡がつく連絡先リストなどが含まれます。

私からのアドバイス私は、自分の名刺を財布、スーツのポケット、ブリーフケース、車、スーツケースなど、さまざまな場所に用意しておき、いつでも取り出せるようにしています。

2.イベントの前に、何人と話をするのか目標を立てる

交流会に到着する前に目標を立てる人がよくいますが、その目標が「会場を何時には出る」というものだったりします(ネットワーキングとは関係ありませんね)。単に挨拶をして、多くのプロフェッショナルな人たちから名刺を集めようという目標ではなく、少なくとも5人の人とは有意義な会話をするまでは、会場を出ないという目標を立てることをおすすめします。ビジネスネットワーキングは、マラソン(長距離走)であり、短距離走ではないことを覚えておきましょう。

3.ゲストではなく、ホストのようにふるまう

3番目のこのヒントは誰でもうまくいく方法ですが、特に少し内気な方にとっては、初対面の人に自己紹介をする際、いつもより気が楽になる方法です。ホストは、当然ながらゲストのために気を配って動き周りますが、ゲストは、座ってリラックスしているものです。もし、イベント中に1人で椅子に座っているゲストを見かけたら、自己紹介をし、他の誰かと話をしたいと思っているかどうか訊いてみましょう。

私からのアドバイス:あなたのネットワーキンググループの中で、ゲストをお出迎えする役目に自ら手を挙げてください。毎回のミーティングで、そのような立場で自ら組織運営を支えることは、たくさんの新しい人たちとの出会いにつながるでしょう。

4.傾聴し、質問をする

これまで何度もお伝えしてきていますが、優秀なネットワーカーは、2つの耳と1つの口を持ち、その3つをバランスよく使っています。誰かと知り合ったら、相手はどんな仕事をしているのか質問しましょう。質問をしたら、あとは自分は話さずに黙って相手の話を聴いてください。相手の話をもとに、適切な追加の質問をします。人は、誰かが純粋に自分に対して興味を持ってくれるととても嬉しいものです。相手の仕事内容を理解した後、そこで初めてあなたの仕事について話します。相手があなたの職業について知っているのではないかなどと思い込まずに、具体的に簡潔に伝えましょう。

5.その場で、商談をまとめようとしない

ネットワーキングイベントは、あなたの商品やサービスを他のビジネスパーソンに売り込む場ではありません。ネットワーキングとは、狩猟型ではなく農耕型の活動です。他のプロフェッショナルたちとの関係を発展させ、育むことです。ネットワークのイベントにおける人との出会いは、お互いに利益を与え合う関係の始まりであるべきで、対面で相手を問わず営業をする場ではありません。

6.可能であれば、リファーラルを提供する

最も成功しているネット―ワーカーたちは、ソーシャルキャピタル理論の「返報性の法則」に基づいたギーバーズゲイン®という理念を信じています。あなたが相手に何か質問をしたり、それに対する返答に耳を傾けているとき、もしかしたらその人が必要としていることや、課題を抱えていることを聴けるかもしれません。可能であれば、相手の抱えるその状況を改善できそうな仲間の1人を紹介しましょう。

7.名刺交換をする

出会った人からは、名刺を2枚もらいましょう。1枚は、自分用として、もう1枚は、他の人に渡すためです。後日、その人たちに連絡を取るときのために、名刺を交換しておくのはとても重要なことです。あなたが相手に「名刺をいただけますか」とお願いすれば、自然に相手もあなたにお願いすることになりますから、簡単に名刺を共有することができます。

8.効率よく時間管理する

1人につき、費やす時間は10分以内にしましょう。ある程度の人数と会うことを目標にしているのであれば、1人の人との会話に多くの時間をかけすぎないように注意します。もしもっと長く話したいと思うような興味をひく人に出会ったら、後日会う約束をしましょう。

私からのヒント:友人や同僚とぐずぐずと長居しないこと。私は、これまで参加してきたネットワーキングの交流会で、イベント中ずっと知り合いとだけ話している人を目にしてきました。

9.集めた名刺の裏にメモをする

出会った人をよりよく覚えておくために役立つ情報をメモしましょう。ただし、事前に必ず名刺にメモをしても良いか確認してください。相手の国の文化によっては、名刺に何かを書くことは失礼にあたることがありますから、注意しましょう。スマホや小さなメモ帳に書くのも一案です。ただし、スマホにメモを入力する場合は、相手の人の許可をとってからにしましょう。スマホをいじって人の話を聞いていないと思われてしまうのはもったいないですから。

10.フォローアップする

これまで紹介してきた9つのことを実行したとしても、フォローを一切しなければ、何もしてこなかったのと同じになってしまいます。テキストメッセージ、Eメール、電話をかける、手書きの手紙を出すなどしてフォローしましょう。さらに、あなたが参加しているネットワーキングミーティングの開催予定を知らせる、会いたいかもしれないと思う人を紹介するなど、約束したことがあれば、きちんと守りましょう。タイミングよく、そして誠意をもってフォローしなければ、ネットワーキングのイベントに参加した時間は、完全に無駄になってしまいます。

私のアドバイス:「フォローアップするのに一番良い方法は何ですか?」とよく訊かれます。答えは、方法は何であれ、「あなたが継続的にできることをする」ということです。

お伝えしてきたこれらのヒントは、交流会に参加したときに、より心地よくネットワーキングができ、より良い成果につなげるのに役立つはずです。ビジネスネットワーキングは、難しいものであったり、時間の無駄になるものとは限りません。正しいアプロ―チで交流会を活用することで、価値のある人脈を構築し、あなた自身とあなたのビジネスにさらなる成功をもたらすことができるでしょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Ten Tips for Success at a Networking Mixer」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/ten-tips-for-success-at-a-networking-mixer/
翻訳:川崎あゆみ

2023/03/20

今回は、ビジネスが見込めそうなリファーラル紹介者との関係性を強化し、あなたの信頼性を高めるためのアイデアをご紹介しましょう:それは、あなたがメインゲスト、パネルスピーカー、受賞者、出展者として出席する、主催する、あるいは参加するイベントに、見込みのあるリファーラルパートナーたちを招待することです。

このようなイベントに誰も招待していないということは、自分が関わっている活動について情報提供できる絶好の機会を逸していることになると、私は思います。特にあなたの専門性について知ってもらったり、実績を認めてもらえるようなイベントであれば、招待することは、あなたの信頼性を高めるだけでなく、あなたがビジネスで成功を収めていて知識豊富なプロフェッショナルであるというイメージを構築するのにとてもよいやり方です。そして、あなたの所属するネットワークの中で可能性のあるリファーラルパートナーと他の人をつなげられる素晴らしい機会にもなります。ビジネス上の関係であったものが、友情にしっかりと変わる手助けをしてくれる方法でもあります。

なぜ信頼性を高めることが重要なのか

リファーラルマーケティングの重要なコンセプトは、相互に有益な関係であることですが、これらの関係性は、一夜で築けるものではありません。時間をかけて耕し、育むべきものです。全ての関係性は、成長し発展するにつれ、ビジビリティ(認知の段階)、クレディビリティ(信頼の段階)、プロフィタビリティ(利益の段階)の3つの段階を得て進化していきます。これをVCPプロセス🄬と呼びます。ビジネスの関係性の状態を評価し、リファーラルを得るためのプロセスにおいて、関係がどういう段階にあるのかを判断するのにとても便利なツールです。

ビジビリティ(認知の段階)…仲間が、あなたはどんな人物で、何をしているのかを知る段階

クレディビリティ(信頼の段階)…仲間があなたはどんな人物で、何をしているのか、そしてあなたがそのビジネスのプロであることを知っている段階

プロフィタビリティ(利益の段階)…あなたがどんな人物で、何をしているのか、そしてあなたがそのビジネスのプロであり、そして継続的に、相互的にあなたにリファーラルを進んで提供したいと思っている段階

このように、ビジネスの関係において、利益の段階であるプロフィタビリティにつなげるまでには、信頼性が必要なのです。

招待の準備を始めるためのヒント

見込みのあるリファーラル紹介者をイベントに招待したいけれど、誰をどのように招待したよいのかわからないという人に、準備を始めるためのヒントをいくつか紹介しましょう。

  • 今後2か月以内に参加するイベントをリストアップする。
  • そのイベントに招待したい人をリストアップする。
  • 招待する人たちが、そのイベントに招待することで得られるベネフィット、例えば、誰か憧れの人に会える、楽しい時間を過ごすことができる、存在を認識してもらえるなど
  • イベント招待の電話をかけたり、イベント招待状を1人ひとりに宛てて書く。
    >このとき、招待する理由を説明すること(あなたがスピーチをする、受賞するなど)
    >余裕をもって、少なくともイベントの10日前には招待状を送る
  • もし誘った方が参加できる場合、イベントの数日前に確認の連絡を入れる。
  • 参加費が必要であれば、あなたのゲスト分の参加費を払っておく。
  • もし、イベントの規約上、問題がなければ、ゲスト自身が誰かをゲストとして呼ぶことを勧める。
  • 参加が期待できないと思われる人を招待しても構いません。招待することによって、あなたが何をしているのかをリファーラル紹介者に知らせることができるということを覚えておいてください。

自分が参加する予定のある全てのイベントに誰かを招待することを、目標として設定しましょう。関係性を強め、あなたの信頼性を築くよい方法ですし、ゲストと共に参加することで、あなたもイベントをより楽しむことさえできるかもしれません。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Build Your Credibility by Inviting」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/build-your-credibility-by-inviting/
翻訳:川崎あゆみ

2023/03/13

成功するネットワーカーになるためには、対人コミュニケーションの基本を覚えておくことが重要です。

―アイコンタクトをとる

―話すより聴く

―人の名前を覚える

ビジネスネットワーキングの場で、人の名前を覚えることは、相手に好印象を与える方法の中でも上位に挙げられることは、みなさん納得されると思います。相手の名前を覚えることは、細部まで気配りができて、人の話をよく聴く人であること、そして相手のビジネスだけではなく、その人自身に関心があることも示すことができます。

しかし、さまざまなイベントに参加している熱心なネットワーカーであればなおのことですが、人の名前を覚えるのはなかなか大変なことです。でもご安心ください。私は、かなり前のことですが、人の名前を覚えるためにとても役に立つ4つのステップというものを学びました。

1.繰り返しが重要。初対面の人に紹介されたら、名刺をもらい、少し時間をかけて念入りに目を通します。名刺に印刷された名前を読み、相手に繰り返してもらいましょう。それによって、顔と名前が一致しやすくなります。そして、このように言うのです。

「お会いできて嬉しいです。ジャミソン・スミスさん。お名前は、ジャミソンとお読みするのですか?

2.会話の中に相手の名前を入れましょう。会話が始まったら、相手が話すことをまず聴き、そのことについて相手の名前を言いながら返事をします。「おぉ、ジャミソンさん、それはいいチャンスになりそうですね。ランチをご一緒しながら、もっとお話をしたいです」

3.他の人とつないで、その人たちの名前を言いましょう。ネットワーキングの達人は、ビジネスネットワーキングのイベントの場で、あなたの人脈の中の人と他の人をつなげることの大切さを知っています。2人を初めて引き合わせたときに、名前を言って紹介します。

「サラさん、こちらはジャミソンさんです。ジャミソンさんは、不動産業者で、最近、市と大きな契約を交わしたばかりなんですよ。お2人で話すことがたくさんありそうですよね」

4.ひたすら覚える。イベントの後、自宅やオフィスに戻ったら、名刺を見返して、その人はどんな外見だったか、どのような言動をとっていたか思い出してみましょう。相手とどんな会話をしたのかを思い出すためにも、「お会いできてうれしかった」とメールで簡単に挨拶をしておくといいですね。これらのヒントは、ビジネスネットワーキング活動中に出会った人を思い出すのに、とても効果的です。

でも、会ったことがあるのに目の前の人が誰なのか思い出せないことも、ときどきありますよね。あるいは、相手の名前や初対面のときのことを思い出せないときもあります。私は、そんな光景をネットワーキングのイベント中に何度も目撃しています。また、いろんな人が、自分が話している相手が誰なのか思い出せない状況でさまざまな方法で対処している姿を見てきました。会話をすることで、今、自分が話している人は誰なのか話すうちに何か手掛かりがつかめないかと探りながら、その人を覚えているフリをする人もいます。この人はどこの人で、どのように出会ったのかを思い出そうとします。またある人は、ストレートに「申し訳ありません。あなたの名前を忘れてしまいました」と相手に伝えたり、「すみません、どちらの方でしたでしょうか」と聞く人もいます。

やってはいけないこと

そのような状況になったとき、「申し訳ありません。あなたの名前を忘れてしまいました」「すみません、どちらの方でしたでしょうか」などとは言わないようにしましょう。自分のことを覚えていないことに対して、気分を害する人もいます。あなたが覚えていなかったために、その人はあなたのことを避けるようになるかもしれません。

最後に、「初めまして」などとは絶対に言わないようにしましょう。あなたが前回会ったことを覚えていなくても、相手は、あなたのことをはっきりと覚えているわけですから、初対面である可能性は、きわめて低いです。誰も自分のことは忘れられたくありません。出会いがそんな始まりでは、強い関係を築くのは難しくなりますから。

やるべきこと

相手の名前を忘れてしまったら、「こんにちは。お会いできて嬉しいです」と言ってから、参加しているイベントの話など簡単な会話を始めると、思い出しやすくなるのでおすすめです。会話を始めることが効果的なのは、話すことで頭が動き出し、相手がどんな人だったかと思い出そうとするからです。しばらく会話を続けた後、それでも、思い出せないときは、もうあきらめて、その場を離れましょう。会話を終えるときには、「お会いできて嬉しかったです。もう行かないといけないので、失礼しますが、またお話しましょう」と言いましょう。

最後のコツはこちらです。もし、名札があれば、どんなビジネスミーティング、プロフェッショナルの集まり、ネットワーキングのイベントに参加するときも着用しましょう。そうすれば、あなたに会った人が、あなたの名前をすぐに覚えられますし、あなたのことを覚えられない人にとって、とても大きな助けになります。

人の名前を覚えるためのコツはありますか? 以前会ったことのある人の名前を忘れてしまったり、あなたが忘れられた経験はありますか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Tips to Remember People’s Names」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/tips-to-remember-peoples-names/
翻訳:川崎あゆみ

2023/03/06

コミュニケーションを効果的に取ることは難しいものです。もし簡単であれば、コミュニケーションに関する書籍やトレーニングプログラム、このテーマに関する研究リサーチなども必要ないでしょう。さらに離婚や戦争もはるかに少ないはずですね。しかし、ビジネスのネットワーキングにおいてコミュニケーションは必要不可欠。あなたのビジネスとあなた自身のマーケティング活動において、成功するかどうかは、あなたのコミュニケーションスキルにかかっています。あなたが伝えるメッセージが明確で簡潔であればあるほど、リファーラルパートナーに伝わりやすくなります。

コミュニケーションに失敗する3つの共通点

  1. 話しすぎる
  2. 専門用語を使う
  3. 内容が一般的すぎる

この3つの間違いのうち、1つでも当てはまると、あなたのメッセージは、聞き間違えられたり、内容が正しく理解されなかったり、聞き逃されたりということにつながります。もっと悪いことに混乱を招いたり、誤った情報を生み出し、場合によってはあなたに対して敵対心を持つ人さえ生みかねず、全くコミュニケーションを図らなかった時より大きな痛手を負うことになりかねません

  1. 話しすぎを防ぐのに一番簡単な方法は、相手の話をもっと聴くことです。もちろん、あなたは、相手から質問されたときは礼儀正しく答えたいはずです。でも時に、元々の質問に答えた後、その流れでずっと話し続けてしまうこともありますよね。そのような場合には、相手に同じ質問か、関連のある質問を返すようにし、その後は、静かに相手の話を聴きます。誰かに質問をするときは、相手に対して敬意を払い、相手の答えを聞くという礼儀をわきまえましょう。ネットワーキングの達人は2つの耳と1つの口を持ち、それらを全てバランスよく使っていることを忘れないでください。
  1. ネットワーキングをしているときは、同じ業界の人との会話でなければ、自分の語彙の中から業界の専門用語を排除してください。あなたのメッセージを極力シンプルにすることで、業界知識のない人からも共感を得られやすくなります。
    次に「お仕事は、何をされているんですか?」という質問に対する望ましい返答例をご紹介しましょう。
    ・「私は、ITコンサルとシステム・ハード・ドライブの分析をしています」と言うより、「コンピューターのトラブルシューティングや調整を行って、問題が起きないようにする仕事をしています」と言うのが良いでしょう。ほとんどの人は、「ITコンサル」と「システム・ハード・ドライブの分析」という言葉がわかりにくくても、「問題が起きないコンピューター」ならわかりますから。
    ・「私は、マーケティングコンサルタントです」と言う代わりに、「地域において、あなたのビジネスが認知される手助けをします」という表現も考えてみてください。
    この2つの例で、業界の専門用語を使わずに、話を聞いている人がベネフィットを感じられる表現に、どのように置き換えられたかわかりましたか?業界特有で、特徴に重きを置いた用語から、より一般的で、ベネフィットを感じられる用語を使う表現に変えてみました。
  1. ただし、ビジネスネットワーキングにおいては、一般的すぎる用語を使わないことも大切です。一般的な内容で欲しいリファーラルを伝えられても、聞いた相手は、具体的な人や状況を思い浮かべることができず、望みに応えるのが難しいのです。仮に、不動産業者にどんな見込み客を紹介して欲しいかと聞いたときに、「家を売りたい人なら誰でも」という答えが返ってきたとしたら、あなたは「家を売りたい人」の顔がすぐに思い浮かぶでしょうか? 家を売りに出している人を知っているとしても、その場合は、すでに不動産業者が入っているはずです。でも、もし不動産業者が、「子どもが独立して、現在住んでいる家より、小さいところに住み替えたい夫婦を紹介して欲しい」と話したとしたら、子どもが全員独立して家を出た2,3組の夫婦の顔がすぐに思い浮かぶでしょう。この答えならより具体的で、現在住んでいる家よりも狭い家に住み替えたいと検討し始めている人を思い浮かべることができます。妙に思われるかもしれませんが、具体的であればあるほど、聴く人の心のドアはより広く開かれます。効果的にネットワーキングをするなら、自分自身がプロファイラー(人物分析者)になったつもりでやってみましょう。あなたが望むクライアントのことをより正確に分析して、明確にすればするほど、あなたがターゲットとする市場がより具体的になり、よりよいリファーラルを得ることができるようになります。あなたが誰かに何かをお願いするときも、メッセージを具体的にすればするほど役に立ちます。仮にあなたがABC会社のCEOを紹介して欲しいとしましょう。あなたのリファーラルパートナーであるジュアンさんに、「ジュアンさん、ABC会社のCEOであるメアリー・シンクレアさんと、2人で1時間のランチミーティングの時間を持ちたいのですが、アレンジしていただけますか? シンクレアさんは、私が本当に会いたい方なのです。彼女のことも私のことも、あなたはよくご存じですから、あなたも同席していただけるとありがたいのです」と。この依頼は、具体的かつ、ジュアンさんがその依頼を叶え、ミーティングをアレンジするために必要な詳細を伝えています。

伝わるメッセージのために役立つヒント

簡潔かつ具体的なメッセージを伝えるのに慣れるには、伝える練習をすることが一番です。

ネットワーキングのイベントなどで、一番聞かれる質問が「あなたの仕事は何ですか?」です。

今週は、時間を計りながら、1分間で、この質問にはっきりと簡潔に答えられるまで、あなたの答えに磨きをかけましょう。ただし、大切なのは「何の仕事をしているのか」を答えることであり、「ビジネスをどのようにしているのか」を答えるのではないということを覚えておきましょう。

もう1つの効果的なメッセージを作るためにお勧めの方法は、過去のネットワーキングの場で、あなたが使ったことのある10個の専門用語をピックアップすることです。
書くものを用意し、線を引いて2つの欄に分けます。最初の欄には、「専門用語・表現」というタイトルをつけ、2つ目の欄には、「一般的に言い換えた言葉」と書きましょう。こうして、専門用語を誰でも簡単に理解できる言葉にどのように置き換えるかを考えます。

3つ目にすることは、あなたが所属するネットワーキング・グループのメンバーにプレゼンテーションをする前に、あなたが伝えたいリファーラルの内容を書き出すことです。紹介してもらいたい人の名前、会社名、人物像(プロフィール)を具体的に書き出します。仲間が求めていることは何なのか、あなたに代わって、あなたは仲間たちに何をして欲しいのかをはっきりとイメージして書きましょう。試しに、親しい人に書きだしたものを見せて、明確かつ簡潔、具体的な内容になっているかどうか聞いてみるのも一案です。定例ミーティングでは、もらったフィードバックの内容を取り入れた上で、仲間に伝えましょう。

自分の仕事について話すときは、理解しやすい言葉を使って具体的に話す必要があります。ビジネスネットワーキングによってリファーラルを得るために、効果的にコミュニケーションを取ることは、必要不可欠なことです。リファーラルパートナーたちが、あなたに紹介できそうな人を見つけて紹介しやすくするためには、あなたの仕事内容について理解する必要がありますから。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「How to Communicate Effectively When Networking」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/how-to-communicate-effectively-when-networking/
翻訳:川崎あゆみ