2023/06/26

ネットワーキングによってグループが成功するため、また所属するメンバーが最適な成果を確実に挙げるために、まずすべきことは、そのネットワーキンググループは、質を尊重しているかどうかを確認することです。

「質を尊重する」とは、グループに招き入れる人を十分に見極めることを意味します。招き入れるべき人は、前向きで協力的な姿勢を持ちあわせ、自らの仕事に精通している質の高いビジネスプロフェッショナルです。これらの基準を満たさない人は、グループへの入会を認めるべきではありません。絶対にです。

ネットワーキングが効果的に行えるかどうか、その成果は、どのようなネットワーキンググループにおいても、そこで築かれる関係の質に左右されます。言うまでもなく、質に重きを置くことは、より多くのリファーラルを生み出すために、すべてのリファーラルパートナーとの間で深い人間関係を構築することも意味します。もし、あなたのネットワークが広く浅いものであれば、期待するようなリファーラルは得られません。最強の人間関係とは、単に名前と仕事内容を知っているだけの表面的なものとは全く違う、より深い関係なのです。

また、質を重視するためには、メンバーが高い参加意識を持って活動に臨むことが必要です。つまりは、グループ内におけるアカウンタビリティ(責任意識)が極めて大切なのです。優れたネットワークの大きな強みの1つが、メンバーの多くが友人であることです。そして最大の弱みの1つは……そう、メンバーの多くが友人であることです。一般的に、私たちは、友人になにか責任を負わせるようなことはしたくありません。所属するグループの活動の目的はお友だちクラブになることではないことを、あなたも仲間たちも忘れてはいけません。グループの目的は、リファーラルを提供し合うことです。良質のリファーラルを生み出せるようになるには、すべてのメンバーが質の高い活動ができるようにお互いが以下のような責任を持って活動に関わる必要があります。

― 各ミーティングに出席する

ー 組織の「コアバリュー(重要とする価値観)」に共感し賛同する

ー ビジターを招待し、新メンバーを後援する

ー グループのリーダーシップチームの一員となる

ー 新メンバーにメンタリングする

 ベストを期待する

さて、ベストを期待するとはどういうことでしょう。ネットワークの仲間からベストの結果を得たいと期待すれば、望む結果を手に入れることができるはずです。また、ベストとはいえないものを期待すれば、その程度のものしか得ることができないことも事実です。「エクセレンス」ということを選択できる状況において、どうして月並みなことを選択するのでしょう。人は、水のように一番抵抗が少ない道、つまりは楽な道を求める傾向にあります。でも、その楽な道は、果たしてベストな道になり得るでしょうか。責任を持ってネットワーキング活動に関わることは、同じグループの誰にとっても、卓越した成果を挙げることにつながります。

質を尊重するための方法の最後は、ネットワーキンググループにおいてGivers Gain®(ギバーズ・ゲイン)の理念を元に活動することです。それぞれのメンバーが、仲間の目標達成やリファーラルの獲得、事業の成長のために手を尽くせば、仲間はそのお返しとしてメンバーに手を差し伸べてくれます。より多くのメンバーがこの理念、特にビジネスリファーラルに関しての理念を実践することで、グループが一層の成功を収めることになるのです。

ビジネスネットワーキングの成功は、同じグループのメンバーどうしで築き上げる関係性を通じて得られるものです。メンバーは、お互いに仲間を理解し、好感を持ち、信頼できるようになれば、すすんで他ネットワーキンググループのメンバーに紹介するようになります。質を尊重したいという気持ち、そうしなければならないという責任感を持って、質を大切にする文化をグループ内に育むことで、提供された紹介は新たな顧客やクライアントへと発展し、グループのメンバーに新たな売り上げをもたらすようになります。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Is There an Emphasis on QUALITY in Your Networking Group?」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/is-there-an-emphasis-on-quality-in-your-networking-group/
翻訳:川崎あゆみ

2023/06/19

もし誰かに「あなたは、どんな仕事をしているのですか?」と訊かれたら、あなたは、まず何と答えますか?その場で何の言葉も出てこなかったり、簡単に思い浮かばないようであれば、以下を読み進めてください。

誰かにあなたの仕事について訊かれたときは、簡潔で記憶に残るような返答をしっかり準備しておきましょう。平均的な成人の集中力はわずか20秒です。長々と質問に答えてもあまり意味がありません。

ネットワーキングで成功し、可能な限り多くのリファーラルを受け取るためには、話を聞いてくれるすべての人(聞かない人も含めて)に対して、自分のビジネスについて事細かに話す必要があると思っている人が大勢います。同じ部屋にいるすべての人と話すことで、リファーラルも最大限に得られると多くの人が誤解していますが、それは違います。そんなことをしても耳を傾けようとする人たちをを退屈させてしまいますし、情報が多すぎるあまり記憶にすら残せてもらえません。

 

ネットワーキング活動においては、あなたの会社やビジネス、サービスで使える独自の強み(USP:Unique Selling Proposition)を作り出すことに注力しましょう。あなたの独自の強みは、あなたのビジネスの内容を簡潔に要約したもの、キーワードは端的にです。できるだけ相手に関心を持ってもらいながら、簡潔に説明しましょう。それによってあなたのビジネスの内容を理解してもらえますし、さらに聞いている人たちを楽しませ、最後まで話を聞いてもらうことに成功しているわけですから、あなたのことは記憶に残る可能性が高くなるというわけです。

端的で、説得力があり、情報提供できるものに

USPは、「あなたのお仕事は?」という長年にわたって嫌というほど訊かれてきた質問に対する、その人ならではの答えだと、私は考えています。

誰かにあなたの仕事について訊かれたときに、「コンサルタントです」のような月並みな返事をするのは避けましょう。世界中の事業家の半数はそのように答えるでしょうが、それは誰にも何も語ってないのと同じです。

代わりに、「私は中小規模の事業家を対象に、仕事がさばききれないほど多くのクライアントを獲得するためのお手伝いをしています」と言えますよね。これがまさに端的に説得力があり、しっかりと情報が含まれている説明になります。

他に、「私はスポーツ用品店を経営しています」と話した人の例もあります。この方は、お店を利用することによって、お客様が得られるベネフィットについてより詳しく伝えるべきです。「私はチームスポーツに特化したスポーツ用品店を営んでいます。地元にあるほとんどの高校のフットボールチームのユニフォームを揃えていますし、チームに応じた用具一式を大幅な値引き価格と迅速な納品で提供しています」。

USPはビジネスに合わせた内容で作る必要がありますが、単に自分はコンサルタントですとかショップオーナーですと話すより、USPを伝えることでいかに効果的な説明ができるかは理解できますよね。自分の「USP」を表す単語が12語であれ、20語であれ、あなたの返答がぎこちない印象を与えたり、わざとらしく聞こえないように、短くても十分に情報を伝えられるように心掛けましょう。

優れたUSPは、あなたの仕事における唯一無二の価値を他の人が理解できるように作られていることをお忘れなく。USPを伝えることによって、ビジネスネットワーキングのイベントや会合であなたのことをより印象付けられますし、相手に何を伝えるのかしっかりわかっていれば、初対面の人に対して自己紹介するときも安心です。

あなたのUSPは、曖昧なものではなく、誤解を生まないように、端的で、印象良く、ポイントを押さえたものであるべきです。あなたが目指すゴールは会話の扉を開けるものであり、これからビジネスのお付き合いを始めようとする人たちを混乱させるものであってはいけません。人があなたのビジネスについて多くの質問をし、あなたの仕事についての話に心から関心を持ち続けているということは、あなたの独自の強みが優れていることの最大の証です。

あなたのUSPは、ネットワーキングの成果にどのようにつながっていますか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Why You Need a Unique Selling Proposition」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/why-you-need-a-unique-selling-proposition/
翻訳:川崎あゆみ

2023/06/12

優れたネットワーキンググループの強みの1つは、メンバーの多くが友だちになるということです。そして皮肉なことに、ネットワーキンググループの弱みの1つも、メンバーのほとんどが友だちになるということです。これは、強みでもあり弱みでもあることです。私たちは、たとえ親しい間柄でも友人の責任を負うようなことはしたくありません。ですから、ネットワークを円滑に運営する上で、個人それぞれが責任ある行動を取ることは非常に重要なことです。ビジネスネットワーキングを正しく理解している人であれば、望む結果を出すためには、その組織に仕組みと体系が必要であることを認識しています。

定期的にミーティングを開くネットワーキンググループが、コーヒー片手におしゃべりする会になってしまい、ネットワーキングがほとんど、いえ、もしかしたら全く行われない会になってしまうのは、怖いほど簡単なことです。これは、グループがその目的や注力する点、仕組みや体系を見失ったときに起きる事態ですが、そもそも最初からがない場合は、当然そうなります。

時に独自のアジェンダを作り始めるグループがありますが、それによってネットワーキングの焦点がぶれ始めます。焦点がぶれると、そのミーティングは単なる社交の場となってしまいます。ネットワーキングはビジネスを目的に行われるべきです。もちろん、社交的な側面もありますがビジネスやコミットメント、アカウンタビリティが中心となるものです。

リーダーシップと教育

人の行動は水のようなもの。抵抗が少ない道を歩もうとします。しっかりとした運営上の枠組みがなければ、アジェンダは毎日のニュースといった日常の話題や、グループ運営者の個人的な視点による好き勝手なミーティングに終わるかもしれません。一貫性を保つことができなければ、時間が経つにつれて、グループにとっての問題になっていきます。

たとえグループに優れたリーダーがいたとしても、その人の人生に変化が起きたり、あるいは熱意を失ってしまうこともあります。リーダーの他にメンバーに教える人がいなくなったら、その途端に、問題が起き始めます。教えるということは水漏れするバケツに例えられます。バケツ満杯の情報があるとしましょう。その情報が別の誰かに伝えられる時、バケツから多少の情報が流れ出し、その話を聞いた人は全ての情報を受け取ることができません。そして、その話を聞いた人がまた別の誰かに話を伝えた場合、人によって異なる解釈がなされたり、表現力の差によって、その情報の内容が継続的に薄くなっていくのです。

あなたが、その情報を3、4周目に聞く頃には、その内容はバケツの半分ほどしか残っていません。バケツ内の情報量が少なくなると、人は勝手に情報を付け加え始めます。問題は、それが正しい内容ではないかもしれないことです。こうしたことが起きるのを私は、これまでに何度となく目にしています。ただし、穴あきバケツが人から人へと渡るにつれて、情報の内容に磨きがかかっていくということも、非常に稀ではありますが、起こります。

私は、全てを文書化して、「トレーナー向けの教育」資料を作成することが最善の解決策であることに早い時期に気づきました。それによって、仕組みやトレーニング方法の統一化が図れるというわけです。リーダーシップトレーニングを再現性のある仕組みの一部に組み込むことが、情報伝達の漏れをなくすうえに、組織にとって優れたリーダーを育てる最良の方法なのです。

私は、ネットワーキンググループの人たちが親しい友人どうしになることは素晴らしいと思っています。大切なことは、ネットワーキングやリファーラルを通じて、お互いのビジネスを拡大するというグループの目標を見失わないことです。

全てのネットワーキンググループが、強固な枠組みを築き、強い目的意識を持って、メンバー各々がすでに運用されている体系的な仕組みを確実に実行していくことが重要です。これによって、メンバーがネットワーキングにおける友人たちのビジネスに対して責任を持つことに同意するようになるでしょう。

あなたが所属するネットワーキンググループは、体系的なネットワーキングを行うにあたり、どのように意識を集中させ、責任をもって関わり続けていますか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Business Networking and Friends」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/business-networking-and-friends/
翻訳:川崎あゆみ

2023/06/05

ビジネスの成果をより大きなものにするために「協業する」。これは、何世紀にもわたって存在してきた考え方です。家族や地域社会、あるいは職場など、どのような環境にあっても、二人で成し遂げられることより、複数の人が力を合わせた方がより多くの成果を挙げられることが事実であることは、これまで繰り返し証明されてきたことです。私はBNI® において、事業家たちがお互いに協力してビジネスを行うことにより、個々で行うより遥かに大きな成果を挙げるのを確かに目にしてきました。

このコンセプトには、元となる2つの重要な考え方があります。1つ目は、「全体は個々の総和に勝る」というものです。2つ目は、私の友人である作家のサム・ホーンさんがよくおっしゃっている「1+1は11になることもある」という考え方です。

全体は個々の総和に勝る

「全体は個々の総和に勝る」という考え方は、人が協業する際、複数のメンバーと共に生み出す成果は、個々での頑張りで出せる成果の総和より大きくなることを示しています。言い換えると、グループなら、個人で取り組むより大きな成果が得られるということです。このコンセプトは、チームスポーツにおいても、全選手が一丸となれば、選手1人で達成できるものよりも大きな成功を収めることができる考え方だとして、よく使われています。同様のことは、職場にも当てはまります。従業員が1つのチームとして協力することで、困難な問題であっても革新的な解決策を見出すことが可能です。

1+1は11にもなる

2つ目の考え方は、協業のコンセプトは1+1=11になるというものです。これは、2人で一緒に何かに取り組む時、その2人で力を合わせれば、1人の努力によってなし得たことより遥かに大きなものになることを意味します。人が協力しあうことで相乗効果が生み出されるということですね。2人で協力すると、お互いにアイデアを引き出し、疑問を投げかけあって、強みを強化することが可能になります。その結果、1人では実現できなかったレベルの創造性や革新性が生み出されるのです。

協業することのメリット

より良い結果を得るために協業することについては、多くのメリットがあります。一番のメリットは、各チームメンバーの強みを活かせることです。協業により、知識やスキル、経験を提供し合い、より効果的に問題解決を図ることが可能になります。つまり、チームメンバーが各々の得意なことに注力し、最も有意義な方法でチームに貢献できる手法なのです。

もう1つは、お互いに学び合うことができることです。互いに協力し合うことで、考えや視点を共有し、新たな洞察や取り組み方につながる可能性があります。また、効果的な協力関係に不可欠なチームメンバー間の信頼や理解の構築にも役立ちます。

さらに、協業することで効率性や生産性の向上も期待できます。また、タスクや責任を分散することで、短時間でより多くの結果を出すことが可能になります。チームメンバーの負荷を低減し、ワークライフバランスの充実、仕事への満足度の向上にもつながります。

より良い結果を出すために協業するという考え方は、これまでに何度も立証されてきた説得力を持つものです。家族や地域社会、あるいは職場内で、協力し合うことのメリットは明らか。チームメンバーそれぞれの強みを活かし、お互いに学び合い、効率や生産性を向上させることで、一人では不可能な成功を収めることができます。

全体は個々の総和に勝り、メンバーが協力し合いながら仕事に取り組むことで、1+1は、まさに11になり得るのです。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Working Together」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/working-together/
翻訳:川崎あゆみ