2023/07/31

ネットワーキンググループのミーティングを見学した人が、「歓迎されている」と感じることは大切なことです。

それはなぜでしょう。

ビジター参加者は、ミーティングに参加するという約束を果たし、そのための時間を費やしてくれているから。

メンバーにとって新たな顧客となるかもしれないから。

将来的にメンバーのクライアントになる人と知り合いかもしれないから。

参加したミーティングでどんな経験をしたのかを知り合いのプロフェッショナルたちに伝えてくれるから。

あなたにとって最大のリファーラルにつなげてくれるかもしれないから。

グループの新たな一員になるかもしれないから。

そして何より、あなたが現在所属しているグループを初めて見学し、そこで歓迎してもらった時のことを思い出して(みて)ください!

初めてのネットワーキンググループ見学

1984年のことですが、私は数々のネットワーキンググループを見て回り、さまざまな組織のメンバーになりました。中には、まさに金銭第一主義というところもありました。どれも形式的で、ビジネスだけを目的としているものでした。ぶしつけで、宣伝色が強く、人と人との関係は感じられませんでした。

次に、全面的に親睦を深めることを目的としたグループにも参加しました。こちらは、全くビジネスの話にはならず、会話をして交流はするけれど、単なるコーヒーを飲みながらのおしゃべりの会でした。

何れのグループも歓迎されていると感じることはなく、私がネットワーキングの組織に求めていたものとは違いました。私は、関係性に重きを置きながらも手順とルールがある、つまり仕組み化されている、先述した2種類の組織の中間的なものがあるべきと感じていました。このような私の経験を元にBNI®が誕生したのです。ネットワーキングには、システム化されている上に人と人との関係に重きが置かれたアプローチを併せ持つことが重要だと考えています。

人が歓迎されていないと感じる理由

ネットワーキングミーティングに初めて参加したゲストは、どのように振舞えばいいのかわかりません。慣れない環境で、何をすべきなのか、誰に話しかければいいのかわからないものです。

もしかしたら疎外されていると感じるかもしれません。それは、ネットワーキンググループあるいはBNIチャプターのメンバーは、ビジネス上の結びつきが強く、仲間内で盛り上がっているように見えるかもしれません(実際はそうではないのですが)。でも、メンバー同士が親しい関係にあり、毎週会議で顔を合わせるのを楽しみにしているので、そのように見えるだけなのです。

ゲストにとって良い経験にしてもらう

ネットワーキングイベントを見学することは、単にミーティングに出席するということにとどまりません。どのような体験になるかがポイントです。ビジターは会議に参加して、良い体験をするか、悪い体験をするかのどちらかです。ちょっとしたことで、そのネットワーキング組織に対する感じ方は変わります。

ゲストをお迎えするのは、全メンバーの責任です。新しく加入したメンバーもベテランメンバーも、ゲストがミーティングに参加しているときは、歓迎されたと感じてもらえるように自ら進んで接しましょう。

親しみを感じる挨拶と笑顔でお迎えしましょう。

ゲスト自身のこと、仕事内容や勤務先について質問しましょう。

その後は、ゲストをチャプターの他のメンバーに紹介します。

例えあなたにとって個人的に辛い週だったとしても、常に前向きな内容の会話をしてください。

ミーティングの内容がわかるように、当日のアジェンダについて少々説明をしてあげましょう。

ミーティングやあなたの所属しているグループについて、ゲストから質問があれば進んで答えてあげてください。

これらのシンプルで小さなことが、ビジターが歓迎されていると感じられ、前向きな体験をしたと思えるための「大きな」要素です。参加した人が、もし歓迎してもらえなかったと感じたら、二度と足を運んでくれることはありません。

これだけは覚えておきましょう。ビジターがあなたのグループに見学に来たことがいい経験になるよう、歓迎されたと感じてもらうよう努力しないといけないのです。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Making People Feel Welcome」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/making-people-feel-welcome/
翻訳:川崎あゆみ

2023/07/24

ビジネスネットワーキングで成果を挙げるためには、ネットワーキング仲間との関係を構築することだと数年にわたって話してきました。通常の定例ミーティングに参加するのは当然ですが、ほかにも仲間のメンバーと1to1ミーティングを行うことは不可欠です。

ミーティングに参加することで、仲間のビジネス、商品やサービス、その顧客を深く理解できるようになり、あなたの知人に対してどのように紹介したらよいのかがわかるようになります。仲間があなたを紹介する場合も同じです。

しかし、中にはネットワーキングパートナーとの1to1ミーティングを断る人がいます。私はフロリダ州中西部地区BNIトレーニングチームコーディネータのティファニー・ケロッグさんと「1to1ミーティングを断ってもいいときはどんなときか」について話し合ったことがあります。当然、答えは「どんな場合でも断ってはだめ」です。1to1ミーティングを断るなんてありえません。その仲間からのリファーラルを期待するのであれば、なおさらです。

1to1ミーティングの目的とは

1to1ミーティングのゴールは、認知(Visibility)から信頼(Credibility)、そして利益(Profitability)の3つの段階、つまりVCPプロセス®を経てネットワーキングパートナーとの関係を構築することです。もし1to1ミーティングを断ったり、忙しすぎて仲間との時間はとれない状況であれば、その関係は止まってしまいます。考えてみてください。1to1ミーティングをする時間もないほど多忙な人が、私が提供したいと思っているリファーラルに対応するための時間をどのように確保するのでしょう?

たとえ1to1の相手が、自分にとって多くの貢献をしてくれる人ではなさそうだ思ったとしても、ミーティングから何が生まれるかわかりません。私は、以前あるビジネスミーティングに参加したとき、大学生の隣に座ったことがあります。そのとき、まずこう思いました。「参ったな、学生の隣に座ってしまったけど、どうしよう。一緒に座りたいビジネスパーソンがこれだけいるのになあ」 。でも次に思ったことは、この学生に話しかけてみようということでした。自分はネットワーキングのエキスパートなのだから、彼女とネットワーキングをしようと。その学生に色々なことを質問するうちに、彼女も打ち解けてくれました。

その後、何が起きたと思いますか?ミーティング終了後、参加者の一人が私に近づいてきて「ありがとうございました」と言ったのです。私が「なぜ私にありがとうとおっしゃるのですか?」と答えると、彼はこう話しました。「あなたのように私の娘に話しかけてくれる人は、誰もいませんでした。みんなビジネスパーソンの隣に座りたかったはずです。でも、あなたは娘と気さくに話してくださいました。この夕食会であなたがそんな風に接してくださったことに本当に感謝しています」。結果として、私は彼女の父親とはほとんど話はしてなかったのですが、いい関係を作ることができました。同じように1to1ミーティングが、どこにどんな風に繋がっていくのかなんて誰もわかりません。

1to1ミーティングが実施しやすくなるヒント

  • 十分に余裕をもって日程を決める。お互いに都合の良い日を選びましょう。1to1ミーティングはお互いに準備をして臨める時の方が、さらに実りあるものになります。
  • 繁忙期を外して計画する。税理士であれば税務申告の時期、小売店経営者であれば年末年始など、業種によっては、一年の中で多忙になる時期があります。時間的な制約があるという事情に配慮すると仲間から喜ばれます。
  • ミーティングの目的を明確にし、進め方を決める。ミーティングをする目的は何か、どんなことを達成したいのかなど、相手に訊いてもいいでしょう。特に初めてのネットワーキングパートナーとのミーティングでは、GAINSワークシートを事前に交換して、それを活用しながら進めるととても効果的です。
  • 同じ日、同じ場所で複数の1to1ミーティングを設定する。そうすることで日によって異なる場所にあちこち移動する時間が節約できます。オンラインであれば連続してミーティングを設定することもできますね。週の中で1日か2日をリファーラルパートナーとのミーティングの日に決め、時間を確保しましょう。
  • ミーティングの誘いを受けたときは、何を話したいのか、どのくらいの時間が必要なのかと質問しても構いません。ミーティングの意図を確認することで、いつ予定するべきなのか、1to1ミーティングが必要なのか、ちょっとした会話程度で済むのか判断しやすくなるはずです。

ビジネスネットワーキングは、時間をかけて真の信頼関係を構築することです。ネットワーク仲間のことを知るために、生産的でリファーラルを生み出す1to1ミーティングをするわけですが、そうした時間と労力を投資することがネットワーキング活動を成功させる鍵となります。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「The Importance of One-to-One Meetings with Referral Partners」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/the-importance-of-one-to-one-meetings-with-referral-partners/
翻訳:川崎あゆみ

2023/07/10

ビジネスネットワーキングにおいて、ほぼ話題に上ることはありませんが、非常に重要なコンセプトだと思っていることについてお伝えします。それは、リファーラルを受け取り、見込み客と会ったときに、リファーラル提供者を立てることはとても大切だということです。これは、あなたと見込み客が初めて話をする際、双方が共通して関心を持っている、知っていること、つまり、お互いの共通の知人をまず話題にするという方法です。

あなたがご自分のビジネスについて話し始める前、あるいは相手に何か質問をし始める前に、大切なことはあなたにリファーラルを提供してくれた人を立てることです。あなたがリファーラルを提供してくれた人に対して、いかに敬意を抱いているかを見込み客に伝えましょう。紹介してくれた人とあなたがネットワーキングビジネスを行っている仲間どうしであることにも少し触れます。その上で、このネットワーキンググループは、信頼に基づいて紹介を出しあう仕組みなので、信頼を損なわないためにも紹介していただいたすべての方に満足していただける商品やサービスを提供することが非常に重要であることを伝えます。そして、お互いにその共通の知人について少し話す時間を取りましょう。本題に入る前に先方に打ち解けてもらえる素晴らしい方法ですし、何より、あなたに対してリファーラルを提供してくれた人の顔を立てる絶好の機会になります。

リファーラルにおける最も重要なことは、リファーラル提供者を立てることだということを覚えておきましょう。そのためには、あなたは、リファーラルを提供してくれた人に恥をかかせるようなビジネスをする者ではないということを示す必要があります。あなたが見込み客の課題をヒアリングし、先方のニーズを理解し、そのニーズに応える解決策をいくつか提案することが可能な人物であること、また仮に納得していただける提案ができなかった場合でも先方に対して無理強いするような人物ではないと信頼してもらう必要があります。

あるいは、あなたのビジネスのやり方が見込み客をダイニングテーブルやオフィスのデスクなど商談の場に押しとどめ、根負けさせて何かを買わせるようなものであれば、リファーラル提供者はお客様との大切な関係を悪用されたと思うでしょうし、リファーラル提供者とそのクライアントの関係が損なわれてしまったことを不愉快に思うはずです。その場では、商談は成立するかもしれませんが、あなたは、そのクライアントとの将来的な仕事の可能性を自ら断ったことになりますし、リファーラル提供者からのリファーラルもその先一切得られなくなるでしょう。

常にリファーラル提供者の体面が傷つかないように注意し、その提供者があなたにより多くの人を紹介したくなるよう行動しましょう。

紹介者の顔を立てるために

そこで、あなたはこう言うかもしれません。「アイヴァン、それはいい考えですね。でも、それはどうやったらできますか?」と。

例を挙げましょう。

仮に、私のネットワーキングパートナーであるトムが私に誰かを紹介してくれたとします。まず私はトムにその見込み客について質問します。

  • どのようにして、その方と知り合ったのですか?
  • 知り合ってどれくらいですか?
  • その方は、どのようなことでお困りでしょう?
  • どういう経緯でそのような状況になったのでしょう?
  • 私からの連絡を待ってくださっている状況でしょうか?

1,2分もあれば、このような質問によって、紹介された人についての背景や私につないでいただいた理由も知ることができます。

こうして必要な情報が揃い、いつでもリファーラル先に連絡できる状況となりました。トムからしばらく待つように言われない限り、私は紹介されたその日に連絡を入れます。連絡をするまで数時間、あるいは数日も待つ必要はありません。

見込み客に連絡するとき、まず「こんにちは、あなたとトムは長いお付き合いなんだそうですね」と言って、こう続けます。私は、トムに家の電気工事を依頼していて、数年来トムのことを知っていること。トムが、どのようにしたら人の役に立てるかをいつも考えていることに感心していることを伝えます。そうすることでトムを立てるのです。

なぜこのようなことをすると思いますか?大切なのは、私があなたからリファーラルを受け取ったら、まずその紹介された人に商品やサービスを提供することをいかに光栄に思っているのかを伝えることです。その理由は、第三者の声が持つ大きな影響力にあります。ここではトムが、私にとっての第三者の声、つまり推薦者となる人です。私が見込み客に電話で話をするときに、私自身がいかに優れているのかを話すのではなく、トムの顔を立てるための話をします。その見込み客と私に共通する人物は、トムです。私が提供する商品やサービスについて説明を始める前に、トムを話題にすることで、見込み客との距離が縮まり、関係を温めることができるからです。

あなたに見込み客を紹介してくれた人は、すでにその見込み客と信頼関係を築いており、あなたにその人を紹介することで、あなたの信頼性を高めてくれているのです。紹介者が、お客様からあなたのビジネスに満足したというフィードバックを得て、再びあなたにリファーラルを提供しようと思ってもらうためにも、リファーラル提供者が面目を保てるよう、お客様に十分に満足していていただくことが大切なのです。

あなたは、これまでにネットワーキングパートナーとこのような経験をしたことがありますか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Advanced Networking Skill: Edify Your Referral Source」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/advanced-networking-skill-edify-your-referral-source/
翻訳:川崎あゆみ

2023/07/03

ネットワーキング活動に「関わる」ということには、「約束すること」と「行動すること」が求められます。仲間たちと良好な人間関係を結ぶためにはお互いにサポートする約束をし、その約束を果たすために必要な行動を取る必要があります。

これらを行うための方法は、いくつかあります。効果的なネットワーキング戦略について学んだり、グループのメンバーについて学んだりするなど、全ては学びの文化を創ることから始まります。

仲間について知る

まず、次のように自問自答してみてください:

  • 同じネットワークの人たちと定期的に会うために時間を割いてきましたか?
  • 仲間があなたの商品やサービスを必要とする誰かに会ったときに、真っ先にあなたのことが頭に浮ぶほど、あなたの商品やサービスから得られるベネフィットについて時間をかけて仲間たちに伝えてきましたか? 
  • あなたもネットワーキングパートナーに対して同じことができるように、仲間のビジネスについて知るための時間を取りましたか?

あなたが所属するネットワークグループの中で、このような活動に取り組む人が増えれば増えるほど、グループ全体でより多くのリファーラルをお互いに生み出していけるようになります。なぜなら、仲間どうしでそれぞれが描く成功のビジョンを共有し、そのビジョンの実現のために共に実行しているからです。

あるいは、仲間のビジネスについて積極的に関わり、継続的に理解するためには、定期的かつ継続的に個別ミーティングを行うことです。ビジネスプロフェッショナルたちが、ネットワーキングの仲間どうしで定期的な1to1ミーティングを実践することで、より多くのリファーラルを与えそして受け取る様子を私は何度も何度も目にしてきました。

最後に質問です。あなたは「USP( Unique Selling Proposition:独自の強み)」を重視していますか?

リファーラルを提供してくれる人たちに、あなたの仕事内容を覚えてもらうための一番の方法は、あなたのビジネスについてこれ以上ないというほどポイントを絞って伝えることです。定期的に1to1ミーティングを行うときは、あなたのビジネスの特長と商品・サービス内容、お客様が得られるベネフィットについて説明し、またあなたのサービスをすでに利用されたお客様からの感想についても触れるようにしましょう。

あなたとリファーラルパートナーとの間でお互いに関わり合うことを、私がおすすめする背景には、次のような調査研究があります。心理学専門誌の『サイコロジー・トゥデイ(Psychology Today)』によると、ビジネスの関係において、「積極的に関わっている人」はそうでない人より「43%以上の成果を上げている」ということが調査でわかっています。「定期的に対話を行っていること、リファーラルパートナーとの関係性の質が高いこと、ネットワーキンググループの方針や価値観への理解が深いこと、他の人を承認すること」なども含まれます。

このブログで紹介したことは、ネットワーキンググループやそのメンバーが長期的に成功するために極めて大切な行動であると私は考えています。あなたが、所属するリファーラルグループへ積極的に関わる姿勢を強化するためにも、こうした戦略を実行し実践することをおすすめします。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Seeking Engagement is Critical for Networking Groups」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/seeking-engagement-is-critical-for-networking-groups/
翻訳:川崎あゆみ