2023/08/28

ビジネスネットワーキンググループに参加しても、すぐにリファーラルが舞い込んでこないことにがっかりしてしまう人たちの話は、これまでも数えきれないほど耳にしてきました。実のところ、ネットワーキンググループへの入会時に支払うものは、入会費に過ぎません。ビジネスチャンスに巡り合える場に参加することはできますが、リファーラルを得る権利を手にするわけではないのです。単にミーティングに足を運び、参加するだけでは不十分で、そこにあるチャンスと新たに出会った人たちを最大限に活用する必要があります。

メンバー同士の結びつきが強く、体系がしっかりと確立されている上に、リファーラルに特化した組織に入ったとしても、人によってはリファーラルを生み出せなかったり、自分が受け取ることができなかったりすることもあります。一体なぜでしょうか?それはより多くのリファーラルを生み出すためには、ネットワーキングスキルをまず身に付ける必要があるからです。ネットワーキンググループは、これらのスキルを活用しやすい環境であるということにすぎません。メンバーであるからといって、リファーラルを求めたり受け取ったりする権利が与えられる訳ではないのです。そこで、あなたのネットワーキングスキルを磨くために役立つことを挙げてみました。

  1. リファーラルをフォローアップすること。リファーラルパートナーからリファーラルを受け取った場合、もしくは電話での紹介であっても、速やかにフォローアップすることがとても重要です。それを怠ると、その取引を逃すだけでなくあなたの信用も失うことになります。同様に、あなたがパートナーにリファーラルを提供した場合も、紹介先に連絡を取ったかどうかをパートナーに確認することは重要なことです。
  2. 前向きな態度で活動すること。後ろ向きな態度を取り続けると、周囲の人々はあなたと一緒にいることに嫌気がさし、ひいてはリファーラルまで遠ざけてしまうことになります。前向きな態度で関わることで、人は仲間としてあなたと仲良くしたい、協力したいと思うようになります。ポジティブなビジネスプロフェッショナルはまるで磁石のようなもの。周りには人が集まってきますし、家族や友人、同僚までも紹介しようとします。
  3. 熱意に溢れ、意欲的であること。あなたの知っている人を思い浮かべてみてください。誰が一番リファーラルを受け取っていますか?最も意欲のある人ではありませんか?営業活動において一番大切なものは、熱意だといわれています。所属するネットワークで一目置かれる存在になるためには、少なくとも熱意を持って自らを売り込む必要があります。自分自身を効果的に売り込むことができれば、ネットワークの仲間たちがあなたのことを他の人に売り込んでくれるようになり、スキルを十分活用できるようになります!
  4. 信頼される人物になること。あなたが知り合いを誰かに紹介するときは、自分の信用度が測られることになります。あなたは、リファーラルパートナーを信用し、逆にあなたも相手から信用してもらわないといけません。誰かを紹介してもきちんと対処できるかどうかわからない、つまり信用できない人には、誰も紹介できません。
  5. 人の話をよく聴くこと。私たちがネットワーカーとして成功するかどうかは、相手の話にどれだけ耳を傾け、理解できるかにかかっています。あなたとネットワーキングパートナーがお互いに知っておくべきことについて理解を深めれば深めるほど、価値のある関係を築くことができます。コミュニケーションを十分にとり、相手の話をしっかりと聴きましょう。
  6. 常にネットワーキングをすること。成功を収めているネットワーカーに休みはありません。こうした人たちにとってネットワーキングをすることは全く自然なことで、例えばスーパーで並んでいるとき、診察室にいるとき、あるいは子どもを学校に迎えにいく最中でも、商工会議所の交流会に参加しているときと同じようにネットワーキングをしている姿が見受けられます。
  7. 人に感謝すること。今日のビジネス界において大きく欠けていることは、人に対する感謝の気持ちです。ビジネス仲間やクライアントに対して感謝の気持ちを表すことは、人間関係を育むための基礎的な土台になるもの。それによって、リファーラルを増やすことにつながっていきます。私たちは、人を紹介するなら、期待値をはるかに超えるプロフェッショナルたちにつなげたいものです。紹介が起きるたびにリファーラルパートナーに感謝することは、他に大勢いる仲間の中であなたの存在感を増すことになります。
  8. 人の役に立つことを楽しむこと。 オフィスの引っ越しを手伝ったり、仲間やお客様が興味のありそうな記事を送るなど、人の役に立つ方法は、たくさんあります。ネットワーキングの達人は、他の人がどんなことに関心を持っているかについて、可能な限りアンテナを張っているものです。
  9. 誠実であること。 多くの人は、相手が不誠実な人かどうかをたやすく見抜くことができます。あなたが誰かを手助けしたり、感謝したり、話を聴いてあげたりしたとしても、相手に対して本当に関心を持って行動していなければ、それは相手に伝わります。ネットワーキングで成功を収めてきた人たちは、どんなときでも相手に対して誠意を伝える人たちです。このスキルを磨くためには、リファーラルを提供し合う人に対してしっかりと意識を集中させることです。
  10. ネットワークを活用すること。ネットワーキングは「net-work」であり、「net-sit」で  も「net-eat」でもありません。つまり、集まってただ座っているだけだったり、ただ食事  をしているだけでは、ネットワーキングにはならないのですネットワーキングの達人   は、ネットワークを活用するどんな機会も逃しません。リファーラルパートナーの連絡  先をきちんと管理し、必要なときにいつでも共有できるように準備ができています。また、紹介した人と仲間がより親しくなるための機会を設け、お互いについて可能な限り理解し合うことで、双方がそれぞれのネットワークの一員になれるよう尽力します。

私は、何年もの間、ネットワーキングは、狩猟型ではなく農耕型であることを教えてきました。ネットワーキングは、プロフェッショナルどうしが双方にとって深く、有益な関係を育むことです。ネットワーキングスキルを向上させ、常に活用できるようになれば、あなたのネットワーキングパートナーからより多くのリファーラルを受け取れるようになります。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Build Your Networking Skills to Get More Referrals」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/build-your-networking-skills-to-get-more-referrals/
翻訳:川崎あゆみ

2023/08/21

自分のビジネスのためにリファーラルを得る最善の方法は、昔ながらの方法で自分のことを売り込むこと、つまり自分の仕事について話すことだと考えている人がいます。

あなたもそう思いますか?しかしこの方法は、リファーラルを生み出すために決して有効な方法とはいえません。なぜならリファーラルを受け取るには、単に自分の仕事について話すだけでは十分ではなく、相手があなたのことを他の人にどのように紹介したらよいかを教える必要があるからです。

あなたが誰かに自分の仕事のことを説明すれば、相手は話を聴いてくれて、その後、その人があなたの商品やサービスを必要とする誰かと偶然会った時に、あなたのことを自然に思い出してくれるものだと思っていますよね。でも残念ながら、普通はそうはいきません。仲間には、あなたへのリファーラルを見つけてもらうための道筋を示す必要があります。「私の仕事はこれです。リファーラルとしてこういう方を求めています。私のことをこのようにご紹介ください」と伝えることが大切です。

リファーラルは至るところにある

私たちは、日々リファーラルの海の中にいます。つまり、リファーラルは至るところにあり、そして常に生まれているのです。しかし、私たち(および潜在的なリファーラル提供者)がリファーラルにつながる可能性に気づいたり、意識を向けたりすることに慣れていないと、何も気づかないまま終わってしまいます。

チャンスを逃さないための秘訣は、リファーラルに結び付くキーワードをキャッチできるように、自分でも意識し、リファーラル提供者にもそれを伝えておくことです。「誰かが『できない』『必要だ』『欲しい』『分からない』と言ったら、その内容は何であれ、私にとってリファーラルになる可能性が高い」と、リファーラル提供者に伝えてください。

例えば、「この芝刈り機のエンジンがうまく動かない」「どの納税申告書を使えばいいのかわからない」「リビングを改装したいけど、良い業者さんを知らない」など、リファーラルパートナーには、あなたのビジネスに関する具体的なニーズを表す言葉やフレーズを意識して聴くよう伝えましょう。こうした発言の中の一つが、あなたやあなたの知り合いへのリファーラルに変わる可能性があるのです。

リファーラルは、情報が双方向に行き来する仕組みの中から生まれます。最善のアプローチは、自分の売り込みに躍起にならず、まず他の人のビジネスについて知り、その人のためにビジネスを見つけることです。相手のビジネスについて聞いた後で、自分の仕事の話をすればいいのです。もし相手があなたのビジネスに興味を持っていればの話ですが。

自分自身について話す

自分自身や仕事について話すときは、具体的に話しましょう。あなたが提供しているビジネス全てについて長々と話すのではなく、トピックを一つか二つだけに絞ります。

あなたは専門家です。あなたほど自分のビジネスをよく知る人は他にいません。自分の専門知識、積み上げてきた経験に自信を持って話しましょう。そして次にビジネスへの情熱を伝えます。あなたが仕事をしている理由とその思いがつながっていることを相手に感じてもらえれば、より相手の印象に残りやすくなるでしょう。

ビジネスネットワーキングの取り組みにおいては、「自分にとってどんな得になるのか」という姿勢ではなく、「何かお手伝いできることはありますか?」と相手にたずね、まず与えることに重きを置くプロフェッショナルたちがより多くの成功を収めています。自らを売り込むときもGivers Gain®の理念に重きを置きつつバランスを保つことが、リファーラルマーケティングにおいて、より効果的で効率的に成功をもたらすことになります。

あなたのネットワークの中に、その人のビジネスについてもっと知りたいと思う人はいますか?お互いのビジネスについてより理解を深めるために、まずは今週その人と話し合いの場を設ける方法を考えてみましょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「True or False – The More You Promote Yourself, the More Referrals You Get」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/true-or-false-the-more-you-promote-yourself-the-more-referrals-you-get/
翻訳:川崎あゆみ

2023/08/07

プロフェッショナルな人間関係を構築し、ビジネスを成長させるためには、ネットワーキングが極めて重要な役割を果たします。ネットワーキングを基盤とする組織であるBNI®の創立者として、私はその変革力を直接目の当たりにしてきました。ネットワーキングは、単に名刺を集めて、手っ取り早く人とのつながりを作る短距離走ではなく、忍耐力と粘り強さ、そして誠実な人間関係を育むことが求められるマラソン(長距離走)のようなものです。本日は、私のキャリアを通じて提唱してきた原則と哲学を具体的にお伝えしながら、なぜネットワーキングが短距離走ではなくマラソンであるのかを探っていきます。

真の人間関係を築く

ネットワーキングは、単に連絡先を集めるのではなく、真の人間関係を構築することです。相手をより深く知るために、時間を費やし努力を重ねることが不可欠です。お互いに理解し合い、信頼できる真のつながりを築くには、長期にわたる関係構築に注力する必要があります。マラソン選手が長距離走に耐えるためにトレーニングを行うように、表面的ではないつながりを仲間と育みながら、一貫して関わりあい、その関係を継続していくことがネットワーキングにも求められます。

信用と信頼を確立する

ネットワーキングにおいて成功する人は、プロフェッショナルが集まるコミュニティでは、信用と信頼を確立することが重要であることを理解しています。これは一朝一夕に達成できるものではなく、一貫した努力を重ね、自分が信頼してもらうに足りる存在であることを時間をかけて示すことが求められます。ミーティングに常に出席し、約束を守り、人に価値を提供することによって、あなたが信頼される人材であり、その分野の専門家としてのポジションが確立されるのです。こうした評価は、急ごしらえで得られるものではありません。マラソンのようなネットワーキングの長い旅の過程で培われるものです。

リファーラルの力

リファーラルはビジネスネットワーキングで成功するための生命線です。しかし、直ぐに得られるものではありません。マラソンを完走するために必要なスタミナと同じ様に、リファーラルを得るには時間と確固たるネットワークの基盤が必要です。つながりが強くなり、信頼が深まるにつれて、仲間たちはそれぞれの知人にあなたのサービスや商品を薦めてくれるようになります。関係性が育まれ、仲間たちがあなたの能力が確かなものであると確信できるようになれば、リファーラルは自然に生まれます。このプロセスは、時間をかけるべきものであり、ネットワークが拡大し、あなたの評判が広まるにつれて徐々に展開していきます。

つながりの深さ

短距離走は、素早くエネルギーを作るものであるのに対して、ネットワーキングはつながりの深さに根ざすものです。短期間でつながった人の数が大切なのではなく、つながった人たちとの関係の質と深さが重要です。相手自身のこと、その人が必要としているもの、願っていることについて時間をかけて理解することによって、相手が本当に必要としているサポートができますし、その人にとって必要な人材になれます。このように人と深くつながることで、短期的な付き合いの中からでは生まれにくいコラボレーションやパートナーシップ、そして長期的なビジネスの機会がもたらされるのです。

辛抱強さと長期的な視点を持つ

ネットワーキングは、辛抱強さと長期的な視点を持つことを必要とされる旅です。あなたの掲げる目標が達成できると信じ、喜んで手助けをしてくれるような信頼できる人たちが集まるネットワークを構築するには時間がかかります。マラソン選手のように、自分の走りが遅く感じられたり、ゴールが遠く感じる時もあるでしょう。しかし約束を果たし、常にやるべきことに注力し続けることで、短距離走のような活動では決してもたらされない貴重なご褒美を手にすることができるでしょう。

 

ビジネスネットワーキングは、紛れもなく短距離走ではなくマラソンであるといえます。献身と忍耐、信頼と信用を基盤とした本物の関係性を培うことを必要とします。ネットワーキングは、長期的に努力することが大切であることが理解できれば、それによってチャンスが作られる、協力関係が育まれる、最終的にビジネスで成功できるという、ネットワーキングの持つ真の力に気づくでしょう。では、ネットワーキングという靴を履いて、マラソンに挑み、成功への道を進むための原動力となる持続的なつながりを築いていきましょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Business Networking is a Marathon, Not a Sprint」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/business-networking-is-a-marathon-not-a-sprint/
翻訳:川崎あゆみ