2023/09/25

あなたは、これまでに誰かの計画性のなさが原因で、問題に巻き込まれたことはありませんか? つまり、誰かの準備不足によって突然起きた問題を先方があなたに一緒に解決して欲しいと望むような状況です。

私は、ある人から重要な締め切りに間に合わせるために、「今すぐ」完成させる必要のある書類が送られてきたことがあります。実は、それは数か月前に私に送ることができた書類でした。でも当人たちの計画性が乏しく、締め切りギリギリになって私に送ってきたのです。通常であれば、私は気にも留めずに書類に記入して早急に送り返していたはずです。

でもこのとき私は、中米に出張中でした。そして24時間以内にテキサス州オースティンに戻り、ノースカロライナ州シャーロットにあるBNI国際本部でのミーティングに参加する予定だったのです。その後、休暇のためにネッカー島を訪れるつもりでした。

このタイミングで、私に連絡がつくはずがありません。しかも彼らは、私が出張中であることをしっかり認識していたはずです。それでも私にメールを送ってきただけでなく、私のアシスタント、私の妻も含め、全員に2日間で2回ずつメールを送っていたのです。

ミーティングの間に私は、この方にメールを送り、こう伝えました。「あなたが問題を抱えていることについては気の毒だとは思いますが、これはあなたの計画性のなさによって招いてしまったことであり、依頼の案件を他の案件より優先させることはできません。私への依頼のメールは、数か月前に送ることができたはずです。それにもかかわらず、締め切りギリギリになって連絡を入れ(しかも、私がこの多忙極まりない時に)、今すぐ対応してくださいということですよね。無理です。今すぐに対応することはできません」。

拙著『Who’s In Your Room?/あなたの部屋にいるのはだれ?』の中で、時に「NO/ノー」は、一言で済む言葉だと述べています。今回も同様です。(もちろん断る表現は他にもありますが、今回は「私は、絶対に対応しない」という意志を表すために、「NO/ノー」、つまり「無理です」という一言をあえて付け加えました)

この人の焦る気持ちも理解できます。でも自分たちの計画性のなさによって引き起こされたミスなのに、私は問題をポンと放り投げられたのです。私も過去に同じような経験をしたことはありますが、私のアシスタントはおろか、妻にまで何度も連絡を入れるなど、そこまでして仕事を終わらせて欲しいと何度も人に要求したことはありません。

計画性が乏しいことが原因で招いてしまった問題に対処するためのヒント

自分の計画性の乏しさによって誰かに迷惑をかけてしまう状況に陥った場合のアドバイスを挙げておきましょう。

・まずは心をこめて謝罪をすること:「誠に申し訳ございませんが、お送りするべき書類を見落としておりました。ご連絡が遅くなり申し訳ございません。もっと早いタイミングでご依頼すべきところ、私の不手際により、お送りできておりませんでした。ついては、本日お送りするメールに添付させていただきますので、〇月〇日までにお戻しいただくことは可能でしょうか。ご迷惑をおかけしていることは重々承知しておりますが、ご対応いただけますと大変ありがたく存じます」。

・アシスタントにCCを入れるのは、一度だけにしてください。何度も連絡することは控えましょう。 

・配偶者を煩わせることは、決してしないでください。絶対にです。私の配偶者は、特に自分が関係していないことに巻き込まれることを快く思っていませんでした。

・依頼したものを入手できたら、感謝の気持ちを伝えます。もう一度、責任を持って、迅速に対応していただけて助かったことを感謝しましょう。

自分の計画が甘かったせいで、苦境に立ってしまった場合は、これらのヒントを参考にしてください。あなたに対して親切に敬意を持って、助けてくれた人には感謝の気持ちを伝えましょう。

逆にあなたが、誰かの計画性が乏しいことが原因で、迷惑を被ることになった場合は、「NO/ノー」と一言で伝えられることを覚えておきましょう。もちろん、もし可能であれば手助けしてあげてください。でも助けてあげられなくても問題ありません。自分自身の問題なのに人の問題にしようとする人がいたら、このブログを送るのもいいでしょう。それによって、あなたが伝えたいことを相手に理解してもらえるかもしれません。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Poor Planning Problems」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/poor-planning-problems-2/
翻訳:川崎あゆみ

2023/09/18

自己紹介するとき、相手が一人であれ、複数の人であれ、メッセージの伝え方はいくつかあります。最も基本的な自己紹介の方法は、口頭によるプレゼンテーションです。あなたの自己紹介は、うまくできていますか? ちゃんと相手に伝わっていますか?

自己紹介を聴く人は、話されている内容だけでなく、話している人自身のことも評価します。あなたから聞いたメッセージをどのように受け取るのかは、あなたの身だしなみ、振る舞い、話を聴く姿勢、そして会話の終え方によって変わります。大切なのは一人の個人、それも親しい友人に対して語り掛けるように話すことです。

友人や仲間に会って自分の仕事内容について話すとき、あなたが心の中で望んでいることは、相手があなたのサービスを利用し、その良さを他の人にも伝えてくれることだと思います。そして話を聞いた人たちもあなたのサービスを利用して、さらにメッセージを広めてくれることを期待するはずです。つまり、誰かがあなたに代わってあなたのビジネスについて話してくれる、このパターンが繰り返されていきます。あなたの代わりに話してくれたその人もまた話の内容、人物も評価されることになります。つまり、あなたの行動、話す内容を元に繰り返し広められていくことになるのです。

伝言ゲーム

子どもの頃、「伝言ゲーム」という遊びをしたことがありますか?最初の人が隣に座る人にメッセージをささやきます。隣の人はそのまた隣の人に全く同じメッセージをささやき、また次の人にささやくということを続けていきます。輪の最後の人に届いたときには、メッセージの内容は、必ず変わってしまっています。その結果はいつも面白いもので、最後にささやかれたメッセージは元の内容とほとんど似ても似つかないものになっています。伝言の途中で言葉が抜け落ちたり、意味が変わってしまったり、さらには元の内容が完全にどこかにいってしまっていることもよくあります。最初のメッセージが長くて複雑であればあるほど、それが最後まで変わることなく伝わる可能性は低くなります。

ゲームとしては面白いかもしれません。ただし、現実の世界でビジネスに関わる場合には笑い事では済まされません。リファーラルマーケティングにおいては、コミュニケーションは重要であり、成功するかどうかはあなたのメッセージの伝え方と、その内容がいかに人の記憶に残るかにかかっています。

子どもの頃に遊んだ「伝言ゲーム」と同様に、リファーラルパートナーたちがあなたの元のビジネスメッセージを正確に伝えているかどうかを徹底的に確認し続ける必要があります。

あなたが自身のビジネスネットワークを構築し続ける中で、仲間たちが実際にどれだけの情報を聞いて理解しているかを知る必要があります。場合によっては、あなたがいつも発信しているように修正する必要があるかもしれません。それによってメッセージが効果的にコピーされ、広まっていきます。

あなたのメッセンジャー(リファーラルパートナー)たちは、各々異なるやり方、意図をもって、この伝達レースに参加しているかもしれませんが、そのメッセージの要点がゴールにたどり着かなければ意味がありません。

ネットワーキングやプレゼンテーションを行う場で自己紹介を行うとき、あなたのメッセージはあなたのビジネスの内容とターゲットとする市場を説明するものになります。通常は1文ないしは2文で、時間的には10〜30秒で伝えましょう。もしメッセージが複雑すぎたり、情熱が足りない、または聞き手に理解されない内容であれば、相手の記憶にはおそらく残らないでしょう。記憶に残らなければ、再現されて広まっていくこともありません。あなたのメッセージは「はっきり」と伝わっていますか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Is Your Message Loud and Clear?」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/is-your-message-loud-and-clear/
翻訳:川崎あゆみ

2023/09/11

私は、こんな質問をよく受けます。「アイヴァン、最近知り合いになった人との関係を、自然にリファーラルを交わし合えるような関係に進化させるためにはどうすればよいでしょうかか」。

リファーラルを交わし合えるステージに関係を進化させるためには、相手の人と最初の段階でどのように関わるのかが大きく関係しますと、私はいつも答えています。たとえば、あなたのビジネスにおいてターゲットとする人たちの集まりで短いプレゼンテーションを行ったとします。そのプレゼンテーションの内容が良ければその場にいた初対面の人からリファーラルを受け取れる可能性が十分にあります。なぜでしょうか。それは初対面の人があなたのプレゼンテーションを聴いたことでVCPプロセス®における認知(Visibility)の段階から信頼(Credibility)の段階まで気持ちが推し進められるからです。つまり存在を認識しただけのレベルから、信頼できる人物だと思ってもらえる段階まで相手の心が動けば、何かあったら自分の評判を損なってしまうかもしれないリスクを承知で、自分の知人にあなたのことを推薦してくれるかもしれません。

ビジネスネットワーキングにおいても、同じことがいえます。誰かと楽しく話をした時に、意図的に相手に価値を感じてもらえるような内容を盛り込むことができれば、比較的容易に「認知」の段階から「信頼」の段階へと移行できるので、リファーラルを交わすことをベースとしたビジネスがしやすくなるでしょう。

また、その相手が直接あなたとビジネスをする可能性があるかどうかはそれほど重要ではありません。お互いのビジネスがマッチしなくても、その人はあなたに役立つ情報を持っているかもしれませんし、あなたがつながりたいと思う別の人物を知っているかもしれません。一般的にも、自分とあまり共通点がなさそうな人とでもネットワーキングの関係を築くことは大切なことです。なぜなら、それによって全く新たなネットワークと繋がるかもしれませんし、ビジネスの視野を広げることにつながるからです。

新たに知り合った人とビジネスができる可能性が高くても、その場での会話は、3分間程度であればあっという間ですし、長くても7分くらいですから、ネットワーキングイベントの場でいきなりビジネスの話にはならないことを覚えておきましょう。即座にビジネスが成立することはありません。しかし、数日後にあなたから一言二言のメッセージを送り、連絡を取れば、1対1でのミーティングを行い、お互いに協力し合える方法を見いだす機会につながります。そのミーティングこそが、リファーラルを受け取れる絶好の機会となるのです。

知り合って間もない人とリファーラルを交わせるようになるまでに、みなさんは、どんな経験をされたことがありますか?効果的な方策をお持ちですか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「How to Get to the Referral Stage with a New Contact」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/how-to-get-to-the-referral-stage-with-a-new-contact/
翻訳:川崎あゆみ

2023/09/04

ビジネスパーソンがリファーラルを通じてビジネスを構築するために必要な核が3つあります。

1.リファーラルマーケティングに関する正確な知識を得ること

2.自分のリファーラルマーケティングプランをしっかり実践すること

3.ビジネスリファーラルを生み出すためにネットワークのメンバーを教育すること

長年にわたり、『Truth or Delusion: Busting Networking’s Biggest Myths』の共著者マイク・マセドニオ氏と私は、ネットワーキングとリファーラルマーケティングを通じてビジネスで成功するために本当に必要なものは何かについて多くの議論を交わしてきました。そして、世界中のビジネスパーソンに当てはまるこれらの3つの核を見出しました。

リファーラルマーケティングに関する正確な知識を得る

この本の中でマイクは、第一の核となる「正確な知識を持つことの必要性」について作家マーク・トウェインの言葉をこのように言い換えています:

成功の妨げになるのは、あなたが何を知っているかではなく、何を知らないかである。

昨今は、あなたが考え得るありとあらゆる様々なトピックの情報が世にあふれています。しかし、役に立たない戦略を学んだり、不確かな情報に基づいて行動すると良い結果が得られずに終わるか、むしろ悪い影響を及ぼしてしまうこともあります。あなたが学びたい分野の信頼できる情報源や専門家に頼りましょう。自分が望む分野について正確な知識を持つことは、あなたの努力の結果を最大限にしてくれるはずです。

自分のリファーラルマーケティングプランを実践する

リファーラルマーケティングで成功を収めるための2番目の核は、みなさんが想像するよりも難しいものです。というのも、多くのリファーラルマーケティングの概念は直感を頼りにするものではないからです。それは車を運転している人に、タイヤを横滑りさせるように言うようなもの。言われたとしても、やろうと思ってできるものではありません。たとえ運転手がタイヤを横滑りさせることが得策であると頭で理解していたとしても、それがどのように機能するかは実際にやってみて初めてわかるものです。

リファーラルマーケティングも同じです。ビジネスをより大きくしようと思うのであれば、まず質の高い見込み客を探し、アプローチしようと考えるのが自然です。以下に挙げるのは、ビジネスネットワーキングをより自然に行うためのいくつかのアイデアです。

・ネットワーキングに関するブログやポッドキャストをフォローし学ぶ

・考え方を共有できる人たちと共に組織化されたネットワーキンググループに参加する

・継続的にリファーラルのトレーニングに参加する

最初の2つの核となる「正確な知識を得ること」と「自らのリファーラルマーケティングプランにしっかりと取り組むこと」は、個人であれプロフェッショナルであれ、能力を高めるために必要な内容です。大切なことは、「簡単そう」でも、決して「楽」ではないということを心に留めておくことです。

ビジネスリファーラルを生み出すためにネットワークのメンバーを教育する

「ビジネスリファーラルを生み出すためにネットワークのメンバーを教育すること」という3番目の核は、多くのビジネスパーソンが見落としているポイントです。リファーラルマーケティングにおいて、あなたがどれだけ有能かつ優秀であっても、あなたのリファーラルパートナーが力不足であれば、あなたにもたらされる結果は不十分なものになります。

フットボールに例えて考えてみましょう。マイクが『Truth or Delusion』で述べているように、「もしプロアメリカンフットボールリーグでもっとも活躍したクォーターバックの一人トム・ブレイディが、フットボールの技術や試合の知識に欠けているチームと一緒にフィールドに立ったらどうなるでしょう?ボールをまともにキャッチできず、自らの役割を理解していない選手に対して、トムは完璧に回転をきかせたボールを投げることになります。でもトムが自分がボールを持って走るほうがましだということに気付くまでにそれほど時間はかかりません。これはビジネスにおいて、仲間を頼らず、自ら見込み客を直接探すのと同じことです。例え、短い距離であったとしても自分だけでボールを持って走るのは大変なことなのです」。

これら3つの核を優先させれば、あなたはリファーラルを通してビジネスを成功させる正しい方向に進むことができ、ビジネスネットワーキングに取り組むことによってより多くの「ヤード(成果)」を獲得することができるでしょう!


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Three Core Competencies for Referral Success」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/three-core-competencies-for-referral-success/
翻訳:川崎あゆみ