2024/03/25

私は起業家として、絶えず将来のことを心配する非常に多くの人たちと出会ってきました。彼らは、現在に生きているということを忘れ、明日のことを心配するのに多くの時間を費やしています。もし失業したらどうしよう、事業が立ち行かなくなったら支払いをどうしよう、あるいは人間関係が破綻したらどのように対処しようなどと心配しているのです。このような心配事は人を消耗させ、ストレスや不安、うつ病まで引き起こしかねません。でも事実として、明日は私たちがコントロールできるものではありません。明日は、まだ何が起きるかわからない謎の状態です。どれだけ明日のことを思い悩んでも、何が起きるのかは予測できません。私たちができることは、何が起きようともそのための準備を怠らないことです。

私はこの「今日は昨日あなたが心配していた明日」という名言が好きです。それは、昨日の心配事はすでに過ぎ去っていて、明日の心配事はまだここには存在していないということを思い起こさせてくれるからです。私たちはこの瞬間を生きるだけです。そして、そのことを最大限に楽しむべきなのです。

今を生きる

今を生きるということは、特に今日の目まぐるしく移り変わる世界においては、難しいことなのかもしれません。私たちは、四方八方からニュースや情報を浴びており、その渦中に容易に巻き込まれてしまうかもしれません。しかし大切なことは一歩下がって深呼吸し、私たちは今ここにいて、この瞬間に自分自身の現実を創り出す力があることを思い起こすことです。

今を生きるということは、その瞬間をしっかりと意識することを意味します。美しい夕陽や一杯の温かい紅茶といった人生においてシンプルなことを楽しむのです。愛する人たちと質の高い時間を過ごし、彼らの存在に心を注ぎ、明日が何をもたらすかなどと心配しないことです。自分自身を心身共に大切にし、自分の抱える心配事で消耗しないようにしましょう。

ただし、今を生きるということは、将来についてなにも考えないということではありません。明日のことを意識しすぎて、不確かなことに心を押しつぶされたり、不安で動けなくならないよう、少しずつ準備をすることが大切です。目標を設定し、計画を立て、その達成のために行動を起こす必要があります。将来のことに焦点を当てすぎて、今を生きることを忘れないようにしましょう。

私にとってネットワーキングは、今をいかに生きるかが将来の成功につながることを説明できる理想的な例になります。ネットワーキングイベントに参加することで、私たちは新しい人との出会いや人間関係の構築、ビジネスチャンスを得ることに集中することができます。将来何か起きるのか、起きないのかということに気を揉むことなく、今を生きて、あらゆるチャンスを最大限に活かすことができるのです。

同時に、ネットワーキングは将来に備えることでもあります。つまり、新たな仕事を探したり、新規事業を立ち上げる際に頼ることができるような人脈作りをしているわけです。ネットワーキングによって、人生における困難なことがあっても乗り切れるセーフティネットを構築しているのです。

感謝の気持ち

今を生きることは、私たちが手にしているものに対して感謝することを意味します。人生のネガティブなことについてくよくよ考えるのではなく、ポジティブな面に重きを置くということです。人生で関わりのある人たち、手にしているチャンスや人生に生きる価値を感じられるようなシンプルな喜びに対して感謝の気持ちを持つのです

感謝の気持ちを持つことは、現在を充実させるだけでなく、将来に備えるにも役に立ちます。自分たちが置かれている状況に感謝の気持ちを持つことで、私たちは人生にポジティブなことをより多く引き寄せることができます。もっと楽観的に、弾力的に、より新たなチャンスを受け入れられるようにしましょう

もし将来のことを心配する自分がいたら、今日は昨日あなたがとても心配していた明日であることを思い出してください。一歩下がって深呼吸をし、今この瞬間に集中しましょう。人生においてシンプルなことを楽しんだり、愛する人たちと共に時間を過ごしたり、自分自身を大切にしましょう。目標を設定し、計画を立て、実行に移します。でも、将来のことを考えすぎて、溺れてしまわないようにしましょう。そして自分が今手にしているものに感謝しましょう。それは、あなたの将来を築くための基盤になりますから。

この言葉は、未来は確定されているわけではなく、私たち自身の力で現実を作り出す力があるということを思い出させてくれます。今を生きること、自らの境遇に対して感謝すること、そして将来に向けて備えるよう背中を押してくれるものです。

人生の不確実な道を進む中で、心配事は何の役にも立たないことを覚えておきましょう。それは私たちのエネルギーや集中力、幸せを枯渇させるものでしかありません。今に焦点を当て、現在を楽しみながら、段階を踏んでより良い将来を創造するための一歩を踏み出しましょう。

プライベートでも、ビジネスにおいても、今という力を受け入れましょう。感謝の気持ちを育み、強固な人間関係を構築し、目標に向けて行動しましょう。今日という日は、昨日あなたがとても心配していた明日です。今日を最大限に活かすことは、私たち次第なのです。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Today Is the Tomorrow You Were Worried About Yesterday」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/today-is-the-tomorrow-you-were-worried-about-yesterday/
翻訳:川崎あゆみ

2024/03/18

プリマドンナ症候群とは、仕事や私生活において過度にエゴが強く、傲慢で自己中心的な態度を示す人を表現するのに用いられる言葉です。この症候群は、職業や地位に関係なくどんな階層の人にもみられますが、ある程度の成功や名声を手にした(あるいは手に入れたと「思っている」)人たちによくみられます。

私は最初、仕事で密接に関わった二人の人物にこの傾向を認識しました。彼らは特に顕著な成功や名声を得てはいなかったものの、少しずつ成功し始めたところで、いわゆるプリマドンナ症候群にまっすぐに陥ってしまいました。

一人の男性は、企業内でトレーナーとして勤務していた人îでした。彼は優れたトレーナーで人を楽しませることができる人物ではありましたが、問題は彼の担当地区が悲惨な状況だったことです。彼はプリマドンナのように振る舞っていましたが、その地区の成績については全く結果を出せていませんでした。そのような状況にもかかわらず、彼は社内で最も優秀であるかのような態度を取っていたのです。二人目は、以前出版した本の共著者でした。彼女の名前が本に載るや否や、まるで生まれもっての女王様かと思うほどの態度をとるようになったのです。彼女はすっかりプリマドンナ症候群にはまりこみ、周りの誰に対しても傲慢に振る舞っていました。

人がこうした特徴を示すときは、個人的にも仕事の上でも前向きに人間関係を構築し維持することは難しいかもしれません。常に注目や承認を求める上に、他人に共感することができないことにより、疎外感や孤独感を生むことになります。

プリマドンナ症候群は、自信過剰であったり、地位に対する執着を見せたり、特別扱いされることを期待する特徴があります。この症候群の人は、自分が業界内でもっとも才能があり、知識が豊富で努力家であると信じているのです。彼らは自分の成果を認めてもらうことを強く望み、自分の要求や願望に対して周囲の人が応じることを期待しています。

残念ながら、プリマドンナ症候群は明らかにその人のキャリアや私生活に計り知れないほどの影響を及ぼしかねません。プリマドンナは、大抵要求が多く、特別扱いを求める振舞いが原因で、仲間やクライアントが遠ざかっていきます。自分たちだけが成功を収められると信じ込み、他の人と協力することを拒絶することもあります。自分たちが当然受けるべきだと考える評価が得られないと、憤慨したり敵対心を持つこともあります。

プリマドンナ症候群のもっとも注意が必要な側面の一つとして、自分自身でそれに気付くことが非常に難しいということがあります。この症候群の多くの人は、自分自身は単に野心的で意欲的であるだけで、傲慢であったり、尊大であるとは思っていません。結果として、フィードバックや批判に対して抵抗感を示し、他の人と有意義な関係構築に苦労するのかもしれません。

プリマドンナの特徴

この行動について私が観察した特徴のいくつかをご紹介しましょう。

  1. コントロールしたい: プリマドンナ症候群の人は、往々にして状況や周囲の人をコントロールしたいという強い願望があります。物事が思うように進まない時は苛立ち、怒り、また他の人をコントロールするためにごまかしやいじめ、あるいは他の策略を駆使することもあります。
  2. 権利意識がある: プリマドンナの人は、多くの場合、他の人にはない特権を持ち、存在を周囲から認められていて、特別扱いを受ける権利があると信じています。多くの人に適用されるルールの制約を受けず、自分の立場や地位によって特別待遇を受けるに値すると感じているかもしれません。
  3. 共感力の欠如: プリマドンナの人は、他の人に対し共感することができず、周囲の人の意見や気持ちを軽視することがあります。他人の視点を理解し尊重したりする能力に欠けることがあり、人に対して冷淡、よそよそしい、思いやりがないなどの印象を与えることがよくあります。
  4. フィードバックを受容できない: プリマドンナ症候群の人は、フィードバックや批判を受け取ると、自分を防御しようとしたり、怒りを覚えたりすることがあります。改善するための提案であってもそれを個人攻撃と捉え、自分の欠点を認めたり、対処することを嫌がることがあります。
  5. 注目されたい: プリマドンナの人は、人から注目されたいと思っており、自分に関心が集まるような行動を取ることがあります。注目の的になりたがり、自分の存在を認められ、自分は重要な存在であると感じたいがために人の気を引くような行動を取ります。これは、先述の共著者も同様でした。
  6. チームプレーが不得意: プリマドンナ症候群の人は、他の人と協力したり、一緒に仕事をすることを嫌がることがあります。他の人による貢献を過少評価したり、無視することもあり、一定の分野や職務に関して自分自身を唯一の権威であるように考えているかもしれません。
  7. プリマドンナ症候群のもう一つの特徴は、単純作業や責任の軽い業務は、自分たちの仕事ではないと考える傾向にあることです。そのような役割は自分たちがやるに値せず、「重要な」仕事のみに注力すべきと考えているかもしれません。しかしこれによって、仲間から怠惰であり尊大と見られる可能性があります。

総じて、プリマドンナ症候群の人は彼らと効果的に仕事をしたり、交流することが難しくなるような、周囲が理解に苦しむ行動を示すことがあります。こうした彼らの特徴を認識し、周囲の人に及ぼす影響をコントロールしつつ、軽減するための戦略を練ることが重要です。

役立つ戦略

プリマドンナ症候群の人との付き合いは努力を必要としますが、そのために役立つと思われる戦略を挙げておきます:

1.明確な境界線を設ける:
プリマドンナの行動を示す人に対しては、明確な境界線を設けることが重要です。一緒に働く際、あなたが相手に求めることを定め、あなたの仕事の進め方や期待する内容を明確に伝えましょう。もし、相手がこれらの境界線を越えるようであれば、それに対して行動する準備をしておきましょう。

2.冷静でプロの態度を保つ:
プリマドンナの人と付き合う際は、彼らが敵対的であったり強情であったりしても、冷静かつプロフェッショナルな態度を保つことが重要です。議論や感情的な反応に巻き込まれないようにしましょう。もし巻き込まれてしまうと、状況を悪化させ解決が難しくなる可能性があります。

3.事実と解決策を重視する:
プリマドンナの傾向がある人とやり取りする時は、感情面ではなく事実と解決策を重視するよう心掛けましょう。明確で具体的なフィードバックを行い、改善や譲歩のための提案をしましょう。

4.手助けを求める:
プリマドンナ症候群の人との付き合いは、ストレスが多く難しいと感じるものです。同僚や友人、あるいはメンタルヘルスの専門家などの手助けを求めることも考えてみましょう。別の誰かとあなたの経験したことや気持ちについて語り合うことは、あなたの判断力を保ち効果的なストレス対処法を考えるために役立つはずです。

5.関係遮断を考える:
プリマドンナ症候群の人からの協力をずっと得られず、仕事を共にする上で悪影響を及ぼすようであれば、関係を断つことが必要かもしれません。その人の振舞いが、あなたや周りの人の幸せな生活に悪影響が及ぼされると感じるのであれば、それはその人との関係を終わらせ、他の仕事を探したり、別の人と付き合うことを検討する時かもしれません。

この症候群の人の振舞いは、モラルの低下、離職率の上昇、同僚やクライアントとのぎくしゃくとした関係につながる可能性があります。早い段階でこの点に気付き、より迅速に対処することで、組織はより強固になるでしょう。

ビジネスネットワーキングの組織やBNIのチャプターにも、時々プリマドンナ症候群の人がいます。この症候群の人や、また違った背景を持つ人たちとどのように仕事を共にするのか、今挙げた助言を実行されることをお勧めします。

私の好きな格言のひとつに、謙虚な人は自分を小さく見ているわけではない、ただ自分のことを控えめに考えているだけだというのがあります。プリマドンナ症候群の人は、自分のことばかり考える傾向にあります。ここでお話したことが、このような振舞いをする人がいるということを理解し、そうした人たちとうまく付き合うための一助となればと思います。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「The Prima Donna Syndrome」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/the-prima-donna-syndrome/
翻訳:川崎あゆみ

2024/03/11

もしあなたが、本当のつながりや意味のある人間関係を築き、ネットワーキングでの取り組みを最大限に生かしたいのであれば、ネットワーカーとして活動する上での有効性を妨げる3つの思い込みについて知っておいてください。変動の激しいビジネスネットワーキングの環境において、落とし穴を避けて通ることは、継続的に成功を収めるために非常に重要なことです。

思い込み その1:リファーラルは現場でしか受け取れない

広く誤解されていることの一つが、リファーラルを得るためには自らが物理的にリファーラル提供者の目の前にいることが必要だということです。しかし、リファーラル獲得のために、その場にいることがあなたの戦略であるとしたら、あなたの事業拡大の可能性に大きな制限をかけていることになります。リファーラルを目の前にいる人に直接求めるのと同時にリファーラルを受け取るというやり方に頼っている限り、リファーラル提供者と対面で会っているとき以外、リファーラルを得ることはできないということになります。

十分に機能するリファーラルの仕組みは、あなたがその場にいなくても途切れることなく働きます。多くのリファーラルは、あなたがその場にはいないときに発生するものです。リファーラルパートナーたちは、常に積極的にあなたへのリファーラル提供の機会を探し、出会った人があなたにとっての見込み客となりうるかどうかを見極め、あなたにつなげられるよう努めます。もし、仲間たちがあなたと一緒ではないときに、あなたのことが思い浮かばないようであれば、リファーラルパートナーたちに対するエデュケーションやプレゼンテーションの仕方に改善の余地があることを意味します。

この思い込みをなくすためには、リファーラルパートナーたちが見込み客に対して簡潔にあなたの強みを伝えられるように、あなたに関する情報を覚えてもらうことが必要不可欠です。ネットワークの中で前向きな意識を育てながら、たとえあなたと一緒にいなくても、あなたへのリファーラルが生まれるようリファーラルパートナーを促しましょう。また、あなたがその場にいないときに発生したリファーラルをモニターし分析できるようトラッキングする仕組みを作りましょう。

思い込み その2:ノマド・ネットワーキング

また別の誤った理解として、定期的にネットワーキンググループを変えることで良質のリファーラルを得る機会が増えるというものがあります。この考え方は、しばしば「橋を燃やす」ネットワーキングと呼ばれ、その響きの通り歓迎されないものです。橋を焼くことで、人間関係を断ち切り、新しい場所に移っていく、つまり人間関係の構築をしようとしないネットワーカーは、新規ビジネスを追い求めることが原動力になっている人で、目先の利益のために関係構築の大切さを見過ごす傾向にあります。これはネットワーキングにおいては全く最悪の例となります。

このやり方は、効果的なネットワーキング戦略とは真逆のものです。頻繁にグループを渡り歩きながら、人との関係を断ち切るネットワーカーは、根を下ろした有意義な関係構築ができません。リファーラルの数や質に満足せず、絶え間なく動き回り、不適切なネットワーキングを頻繁に行っているのです。

これに対して、結果を出しているネットワーカーは成熟し、相互に有益な関係の構築には時間と労力が必要なことを理解しています。「時は金なり」という格言は、リファーラルマーケティングの分野においては特に当てはまります。お互いに有益な関係構築のための目的が明確なネットワーキング活動に時間を費やし、関係構築にコミットする時間が長ければ長いほど、あなたやあなたのビジネスが経験する成果はより大きくなります。

思い込み その3:クライアントは最良のリファーラル提供元である

また、顧客は最良のリファーラル提供者であるという思い込みがよくあります。この間違った考えに陥る理由は、そう思うよう教育され他のリファーラルの可能性を全く求めたことがないからです。彼らは、彼らのクライアントからしかリファーラルを受け取ったことがないのです。

顧客やクライアントが貴重な提供元であることは事実なのですが、それだけに依存するのは、可能性を狭めることになります。多くの事業者、特に大企業などは他のリファーラル提供元からの機会をみすみす見逃していることになります。

クライアントは手軽なリファーラル提供者となり得ますが、必ずしも最良で最も安定した質の高いリファーラル提供元ではありません。長い目で見ると最良の提供元は、あなたがビジネスリファーラルを提供した人たちである可能性が高いです。あなたが他の経営者の事業構築を支援することで、お互いの利益のため長期的な関係を培うことになるでしょう。相手は、手助けしてもらった感謝の気持ちをあなたにビジネスをもたらすことで返したいと思いますし、お互いの利益のために協力しあいたいと思うものです。

現在、そして将来に向けて事業の繁栄を目指すためには、これらの思い込みを超越して、目先の利益ではなく長期的な関係維持を優先する戦略的な手法を取り入れることが必須となります。定期的にネットワークグループを渡り歩いても、ビジネスの獲得は望めません。仲間たちの役に立つためには、リファーラルを提供してくれる人、そしてその人たちのビジネスを理解しましょう。その次に、あなたが仲間と一緒にいるときであろうと、そうでなかろうと、あなたのためにクライアントになりそうな人を彼らが探せるようその方法を伝えるのです。

進化し続けるビジネスネットワーキングを行うためには、効果的な実践の仕方を理解することが必要です。これによって、あなたのネットワーキングの努力が時間の試練に耐え、持続的なビジネスの成功につながります。あなたは、これまでにリファーラル提供元に関して、このような思い込みをしていたことはありませんか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Common Delusions About Referral Sources」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/common-delusions-about-referral-sources/
翻訳:川崎あゆみ

2024/03/04

大抵の人は、自分の目の前に立っている人の名前を忘れてしまうという苦悩を経験したことがあるはずです!隠れているものを見つけようとしてもなかなか見つけられない最初から負けが決まっている心理的かくれんぼのようなものです。でも絶望しないでください。「名前当てゲーム」を「名前思い出し名人芸」に変える7つの強力な方法をご紹介します。あなたのプライドをしっかり保ちつつ、交流会やビジネスイベントで印象付ける準備をしましょう。

1.名前を思い出せないことを恥ずかしいと思わない

「私は名前を覚えるのが苦手だ」と言い続ける悪循環を断ち切りましょう。何かが苦手だと言い続けることで、あなたの脳もそう思い込んでしまいます。ネットワーキングイベントが始まる前にリングにタオルが投げ入れられるようなものです。皆で手に想像上のグラスを掲げて、次の言葉に乾杯しましょう。「大丈夫!私は、人の名前を覚えるのがもっと得意になれる」。

2.「繰り返して聞く」ことをあなたのレパートリーにする

想像してみてください。誰かに紹介された人が「私はジャミソンです」と名乗りました。そして、あなたは「OK。ジャミソンさんね、覚えた」としましょう。でも5秒早送りをすると、あなたの脳はまるで一瞬で記憶を失くしてしまったみたいな状態に!そんなときの解決策?繰り返してもらうのです!相手の方に、もう一度名前を言ってもらいましょう。あたかもその人の名前の音の響きを味わっているかのように。「ジャミソン」と。そして、適切な状況であれば「印象的なお名前ですね。ご両親は、どんな思いを込められたのでしょう」など話してみましょう。

3.素早く名前を覚える忍者テクニック

相手の名前を繰り返すことは、もう身に付けられましたね。では、次は会話の中に相手の名前を組み込んでみましょう。例えば「ジャミソンさん、今夜のイベントをどのように知ったのですか?」などと話してみてください。会話を続けながら、適切なタイミングで何度か相手の名前を口にするようにします。「それは素晴らしいですね、ジャミソンさん!」という風に。会話の終りには、相手が一番利用しているSNSをたずねます。そして名刺を一枚もらって、彼らが好んで使っているSNSを書き留めておきましょう。その会話と名刺が、相手の名前を心に留めておくのに役立ちます。

4.名前の連想遊園地

ある人にとっては、人の名前を覚えることは当てずっぽうの言葉の連想ゲームのようなものです。そこで、もしアメリカンフットボールと旅行が大好きなジャミソンという人に会ったら、アメリカンフットボールのヘルメットをかぶり、旅行の役立ち情報を叫びながらフィールドでスーツケースを蹴っているジャミソンさんを想像してください。心の中で描いた鮮明なイメージが、あなたの脳の屋根にピーナッツバターのようにぴったりとくっつきます。真剣な会話の途中で思い出し笑いしてしまうような内容であれば、なお良いですね。あなたがどんな連想をしたとしても、相手の名前を記憶に刻みこみましょう。心の中で連想して、それを書き留めましょう。帰宅後、参加したミーティングを振り返り、会った人がどのような外見で何を話し、何をしていたのかを思い出すようにしてください。メールで簡単に「お会いできてうれしかったです」というメッセージを送ることで、その人とどのような会話をしたか覚えておくのに役立つでしょう。

5.発音を使った巧妙なテクニック

誰かの名前を口にしたときに、まるで早口言葉を話しているかのように舌がもつれてしまったという経験がある人は、このテクニックを試してください。相手の名前をどのように発音したらよいでしょうかと相手にたずねるのです。礼儀正しいと思われて追加ポイントを獲得するだけでなく、名前を覚えるためのユニークな記憶術を身に付けられます。例えば、「実際には、『ジェイ、ミゥ、スン』と発音します」と言われれば、永久にその名前の発音を思い出すことができます。

6.視覚的要素を強調する

またある人にとっては、人の名前とその相手の外見の特徴を関連付けることが役に立つこともあります。もし、ジャミソンさんが美しい緑色の目の持ち主であれば、彼がエメラルド色のガラスでできたジャムの瓶に囲まれているところを想像してください。このテクニックは、視覚的な記憶の力をフルに活用し、視覚から受ける相手の特徴を思い浮かべることで名前を思い出しやすくなります。

7.挨拶戦略

「はじめまして(it’s nice to see you)」ではなく「お会いできてうれしい(it’s nice to meet you)」ということは、人との出会いの多くは必ずしもその人と初対面ではないということがよくあるからです。昨今の相互につながっている世界においては、SNS上で誰かの写真や投稿を目にしているかもしれません(ええ、そうだったのです。SNS上のつながりにおいて私が彼らのことを覚えていなくて気分を害された方がいました)。共通の友人からその人のことを聞いていたり、実は以前何かのイベントやウェビナーあるいはオンラインミーティングで会っていたのかもしれません。この点を認識することで、出会った人を全くの初対面と思わず、むしろ短い間でも、距離があったりしても、何かの関係が継続していると考えるようになります。その上、過去に会ったことのある人を傷つけることもありません。例えば以前、私の自宅で開いたパーティーに参加した仕事仲間の奥さんがいました。数か月後、スーパーで彼女とばったり会ったのです。もちろん、パーティーとは全く違う状況です。彼女の顔は分かりましたが、どこで知り合ったのか思い出せずにいました。彼女から近づいてきて挨拶をされたので、私は「どうも、お会いできてうれしいです」と言いました。そうしたら、彼女があのパーティーがどれだけ楽しかったかということを続けて話し出したのです。はい、この通り。私は彼女とどこで会ったのか一瞬にして思い出したのです。

以上が名前を覚える、思い出すための究極のガイドです。これでもう、心の中で「この人は誰だ?!」と叫びながら作り笑いを浮かべて立ち尽くすという、気まずい瞬間は訪れることはありません。ネットワーキングに必要なスキルや手法にこれらのテクニックを加えることで、あなたは即座に名前を覚えられる達人になります。さあ、自信をもって交流の機会やビジネスイベントに臨んで苦手意識を克服しましょう。名前を忘れてしまって、気まずい深い淵に取り残されることはもうありませんよ。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Seven Steps to Avoid Name-Nightmares at Networking Events」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/seven-steps-to-avoid-name-nightmares-at-networking-events/
翻訳:川崎あゆみ