2024/04/29

ビジネスのためにネットワーキングを行う際の第一歩は、コミュニティにおいて自分の存在を知ってもらうことです。あなたのことを誰かに紹介するためには、相手があなたのことを知っていて、好意的かつ信頼できると感じてくれている必要があります。人脈の構築は、あなたに対して知人を紹介してくれる可能性のある仲間と親しくなり、信頼を育み、好感を持ってもらえるかどうかにかかっています。

ボランティア活動に参加することによって、あなたはコミュニティにおける重要な人物と出会う立場になり得ます。活動に参加することは、あなたの熱意を共有してくれる人とのつながりを生み出し、あなたの才能、スキル、誠実さを示す機会にもなります。また、あなたがやると決めたことを実行し、それを継続する能力を示すことで、信頼を得ることにも役立ちます。それによって、あなたのネットワークは、あっという間に深く広く拡大するでしょう。

ボランティア活動を行う人は、個人的な利益を求めることなく、活動の目的を達成することに責任を持って関わっています。つまり、あなた自身の純粋な興味や関心に即した組織や活動を選ぶことが大切です。ボランティアグループの運営者や他のボランティアの人たちが、あなたが自分の利益を第一に考えて参加していると感じたら、あなたの存在感は逆効果となり、あなた自身の目標を妨げることになるでしょう。

自分にあった組織を選ぶ

ボランティア活動は、娯楽ではありません。社会的なニーズを解決し、満たすための真剣な取り組みです。あなたの熱意や関心に合致した適切な組織や活動を選ぶためには、慎重かつ戦略的なアプローチが必要です。

以下の9つの質問に答えてください。

    1. 自分の余暇に何をするのが好きですか?
    2. あなたに達成感や満足感をもたらす趣味は何ですか?
    3. スポーツやゲームで得意なものはありますか?それは人に教えることができるレベルですか?
    4. 人生にどのような側面で喜びや満足を感じますか?
    5. あなた個人やあなたの家族あるいは友人に直接関わる社会的、政治的あるいは健康に関する問題で、あなたが情熱を注いでいるのはどれですか?
    6. 上記5つの質問に対して答えた内容を元にすると、あなたにとって魅力的だと感じ、関心が一致する3つのグループは何ですか?例としては、青年団、同好会、図書館、活動家グループ、ホームレス施設、宗教団体、フードバンクなどです。自分が最も心に響くグループを一つ選び、ネット上やコミュニティ内で徹底的にリサーチしましょう。
    7. 6で選んだグループをリサーチしてみて、その団体があなたの個人的あるいは専門的分野の目的につながる機会を提供しているかどうかわかりましたか?もし、そうであればそのグループを「体験」のために訪れ、雰囲気や活動状況を確認してください。何度か見学に行くのもいいでしょう。
    8. このグループを見学し、そこで経験したことを振り返ってみましょう。その上で、自分の時間や労力を費やしたいと思いますか?もし、そうであれば質問9に進んでください。
    9. そのグループに属している他のメンバーは、その組織に満足していますか?所属期間が異なる3名のメンバーを決め、話を聞いて、彼らの満足度を評価してください(新規メンバー、2~3年のメンバー、ベテランの5年以上のメンバーを選びインタビューすることを検討してください)。

これら9つの質問に十分に回答ができるほど、必要なリサーチを終えたら、あなたがここだと思ったグループに参加し、あなたの認知度を上げるためのボランティア活動を開始してください。あなたの強みや能力、スキルを示せるリーダーとしての役割を得るよう努めましょう。つまり、ボランティア活動で認知度を上げるのです。これは、個人的なネットワークを築き、その中であなたの存在感を確固たるものにするための素晴らしい方法です。

ボランティア活動を通じて認知度と信用度を上げるために必要な多角的な取り組み

戦略的に関わる:組織内であなたのスキルや専門性を効果的に発揮できる機会を見出しましょう。

一貫性を持って参加する: ボランティア活動に定期的に参加することで、あなたの責任ある関わりを強め、仲間のメンバーとのつながりを深めます。

コミュニケーションを効果的にはかる: あなたの参加目的や意欲をボランティアの仲間や組織のリーダーに明確に伝え、お互いの理解や協調関係を育みましょう。

リーダーシップを積極的にとる: 積極的にリーダーシップを発揮し、あなたの能力を示すことで、組織内でポジティブな変化が起きるような影響を与えましょう。

継続的に学習する: ボランティア活動を通じて、個人的、専門的な能力開発の機会を活用し、あなたの知識や技能を高めましょう。

ボランティア活動は、コミュニティのより大きな利益に貢献する貴重なプラットフォームであるのと同時に、あなたの専門的な分野でのネットワークを広げ、自らを信頼でき尊敬する存在として位置付ける役割を果たします。

利他の精神を持ち、積極的に参加することで、あなたはネットワークを広げ、あなたが支持する活動においても影響を与え続けることができます。このような努力の積み重ねを通じて、共感や協調、目的の共有という価値観に根ざした強固でより活力のあるコミュニティを形成するのです。

あなたは、すでにボランティア活動に積極的に参加していますか?どのようなボランティア団体で活動しているのでしょうか。そのコミュニティの中で認知度を上げるのにどのように役立っていますか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Gain Visibility Through Volunteering」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/gain-visibility-through-volunteering/
翻訳:川崎あゆみ

2024/04/22

自分自身のスキルを高めたいのであれば、誰かに教えることだということはよく知られています。誰かを育て、新たな学びをサポートすることで、その人の人生を変える手伝いができるのです。さらに、それを行うことで自分自身のスキルも一緒に向上していることに気付くかもしれません!メンタリングは、成長と学びの相互的な旅であり、メンターとメンティー双方を豊かにする成長プロセスなのです。

メンタリングの本質は、ビジネスの世界において過去の自分の写し鏡かもしれない誰かを、後押しする機会であることを認識することにあります。メンターとしての役割を受け入れることは、知識や見識を無私無欲で共有し、一方でかつて自分が遭遇したような落とし穴を避けて通る手助けをしながら、相手を成功へと導くことを意味します。他の誰かに教えることは、あなたがこれまでに学んだことを思い返す役割も果たし、忘れてしまったかもしれない分野に再度目を向けることにもなります。

チェスクラブ

私の著書「The Networking Mentor」の中で、10歳の息子が所属するチェスクラブのコーチをする男性の話を紹介しています。実は、それは私の話なのです。私は、息子が通う小学校のチェスクラブのコーチになったのですが、「チェスは得意だし、簡単なことだろう」と思っていました。そして気付いたことが、私は、これまでチェスというゲームを学んだことはなく、高校の時に1冊の本を読んであとは全て独学でやってきたということでした。とはいえ、子どもたちにその方法では教えられません。チェスの手筋を知っていないといけないわけです。従って、子どもたちに指導するために私はフォーク、スキュア、ピン、ラダーといったチェス用語を学ぶ必要がありました。おかしなことに私はチェスの腕前はかなりのもので、友人と定期的に対戦していました。ある日彼から「おいおい、どうしたんだ?」と言われ、私は「何のことだ?」と聞いたところ、彼は「チェスの腕をあげたな」と言いました。私が「10歳の子どもたちに教えているんだよ」と言うと、彼は「いや、そうじゃなくて、本当に何をしてるの?」と聞かれたので、私は「冗談抜きで、10歳の子どもたちを教えているんだ」と答えました。

私がチェスクラブの手伝いを申し出たのは、息子や彼の友だちと一緒に時間を過ごせたらいいなと思ったからでした。子どもたちを教えることで、自分が上達することなんて思ってもいませんでした!小さなチェス愛好家たちを助けることで、自分の腕を磨く必要があり、これまで何年もの間、感覚的にやってきた手筋や戦略の名前を学ぶために宿題をする必要がありました。私は、小学生の子どもたちを教えることで自分の腕前が上がったことに驚きましたし、同じく友人も驚いていました。

時間への投資

「メンターをやるような時間がない」と言う人もいます。そのような人たちに対しては、「可能な限り、時間を作る方法を見つけるように」と言います。というのも、私が誰かのメンターになるたびに、それが自分の学びになってきたからです。私がメンタリングしていた人たちから相談ごとがあれば、常にその内容を調べ自分のファイルに目を通し、その問題を解決するために何か提供できることはないか考えていました。彼らを助けながら、私自身が向上していることに気付いていました。

人にメンタリングしている時間がないと言う人たちには、その考えを改めるよう促します。メンタリングは、単に時間を充てるということではありません。メンターとメンティー双方にとって公私に渡る成長への投資なのです。ネットワーキングをより良くするためのメンタリングも同じことが言えます。

ネットワーキングとメンタリング

優れたネットワーカーに育てるためにメンタリングするプロセスは、メンティーだけでなく、メンターにとっても有益なことです。私は、子どもたちにチェスの戦略を指導するだけで、自分の技量も磨かざるを得なくなったように、ネットワーキングのメンターとして、過去に学んだ原則を改めて再考することや、疎かにしていたことを再活性化させる役割があります。そして、人が成長したり、目標を達成し成功を収める姿を見ることは大きな満足につながります。

メンタリングの関係は、その関係性に継続的に価値を受けたり提供したりする限り機能します。私自身、個人的にメンティーとして始まったメンタリングの関係が、時間の経過とともに特定の問題について私がメンターになったということがありました。長い時間をかけ友情関係が形成されたときでした。理想的には、深く強いメンタリング関係は、持続的なつながりや友情に発展していきます。ビジネスネットワーキングの領域においては、メンタリングは、双方にとってのベネフィットを生み出します。

あなたは誰のストーリーに登場していますか?

私たち一人ひとりに、それぞれの人生に影響を与えた人がいます。私たちの物語の中には、自らが選んだ道に影響を与えたり、自分自身で道を切り開くために励ましてくれた人がいます。このような人たちは、私たちが現在に至るまでに出会ったメンターであり、メンターから受けた影響によって、人生が変わる可能性があります。メンタリング関係に時間を割き、注意を向けることで、単なる金銭的な利益を超える、深く強力で有意義な利益を双方が得ることになります。成熟し、より経験を積むにつれて、私たちはメンティーからメンターになる機会があります。

私たちは皆、自分のストーリーに登場する人がいます。人をメンタリングする時、本当に心に響くのは、あなたは誰のストーリーの中に存在していますか?誰の人生に影響を与えましたか?と聞いてみることだと信じています。それは、ギバーズゲイン®の考え方の一部でもあるのです。与えたものは戻ってくるという考え方です。誰かが私を助けてくれたのだから、今度は私がその人、または別の誰かの成功のために手を貸します。それは、他の誰かの人生をあなたが変えることであり、有意義な人生を生み出すことになるのです。

おそらく、あなたのことを既にメンターだと考えている人や、あるいはあなたがメンターになりたいと思う人(あなたが自分の仕事人生をスタートした時のことを思い出させるような人)がいるかもしれません。それとも、あなたのビジネスネットワーキンググループの新メンバーで誰かの指導や成功のための最善の方法が共有されることを必要としている人かもしれません。もしそうであれば、積極的なメンターになれる機会を逃さないようにしましょう。

彼らには、あなたの経験や助言、物事の考え方から得られるものがあります。あなたの励ましは、彼らの旅において彼らが自信を持って道を歩む手助けになります。あなた方は互いに、それぞれに有益で長続きするビジネス関係を構築しながら、スキルの向上を実感することができます。

無欲であなたの豊富な知識を共有し、人の成功を手伝い、あなたが過去にした同じ間違いをしないよう手助けすることで、彼らにとっても、そしてあなたにとっても非常に大きな利益を得ることができます。私は、メンターの力が人々のストーリーにポジティブな変化をもたらすと信じています。

あなたのメンターについてのストーリーはありますか?これまで誰かのメンターになったことはありますか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「The Benefits of Mentoring」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/the-benefits-of-mentoring/
翻訳:川崎あゆみ

2024/04/15

私は以前、次のような統計があると聞いて驚いたことがあります。それは、全ての新規事業のうち50 %は最初の3年で破綻しているというものです。そう、私は数十年の事業経験の中で、多くの起業家の事業起ち上げや撤退を見てきました。率直に言って、私はむしろ50%の事業が逆に最初の3年を生き延びていることに驚いています。と言うのも、事業家の多くが業務改善のための教育に注力せず、時間を費やしていないからです。少し手厳しく聞こえるかもしれませんが・・・・・・。

私が一つ学んだことは、成功を収めた事業家の多くは自らが選んだ職業で秀でるために、「学びの文化」を受け入れ、取り組んでいることです。個人的にも職業上も自己研鑽は、現在進行中の旅であり、目的地ではありません。常に、進行中なのです。

多くの場合、実業家は彼らのビジネスの「中で」の取り組みに夢中になり過ぎて、ビジネスの「外で」の取り組みに時間を掛けることを忘れています。ビジネスの「外で」の取り組みには、仕事における能力開発も含まれると思っています。

起業家の多くは、教育について口先では賛同するのです(もちろん、あなたは時間を割いてビジネスに関するこのブログを読んでいるわけですから違います。ここでは、平均的な起業家のことです)。教育といえば、皆さん「そう、それはとても大切ですね」と言いますが、それでも継続的に時間を決めてポッドキャストや音声プログラムを聴く人は多くはありません。書籍やブログを読んだりビデオを視聴してビジネスやネットワーキング、リーダーシップや他の題材を学びビジネスのさらなる成功に役立てることをしていません。

何人かの実業家や起業家に、自らの事業拡大のためにセミナーに進んで参加するか聞いてみてください。75%の人は「もちろん!」と言うでしょう。そこで続けて、セミナーは3週間後の午後7時からですと言うと、実際に申し込むのは初めに参加すると答えた人のうちの一握りになってしまうのです。

ベンジャミン・フランクリンの名言

ベンジャミン・フランクリンは、かつて「もし人が、財布の中身をすべて頭の中に移し替えるなら、誰もその人から取り上げることはできなくなる。自分の知識に投資することこそが、常に最大の利益を生み出すのである。」と言いました。

フランクリンは、何も全てのお金を教育に費やせと言っているわけではありません。彼が言いたいことは、教育にお金を使うことは、お金の賢明な使い方であるということです。

私は、この名言に込められた変わることのない真実や知恵が大好きです。実際に、生涯学習は、人生の大半において私の価値観の一部分であり続けています。また私が1985年に設立した  BNI®に取り入れたコアバリューの一つでもあります。

あなた自身に投資する

学習の文化に没頭し、取り組むための道に踏み出すために役立つ提案があります。

あなたの昨年の財務状況(あるいはクレジットカードの利用明細や銀行口座の履歴)を見てください。どんな種類の学びでも良いので、継続的にビジネス関連の教育にお金を掛けていますか?もし、あなたが「財布の中身を頭の中に移し替えて」いないのであれば、少々時間を取ってあなたのビジネスの成功に役立てるために何を学びたいか考え、そして今週中に何れかに申し込んでください。そうです、今すぐです。

私は、あなた自身そしてあなたのビジネスのための学びに適切な金額を投資することをお勧めします。現在、全くその予算が取れなくても、このブログや私の動画、BNIポッドキャスト、その他著名なリーダーや著者の書籍や情報発信されているものなどかなりの素材がオンライン上で無償で提供されています。ただし、そのための時間は確保しないといけません。そう、お分かりですか?「時は金なり」です。

成功を収めている事業家は、より稼ぎたいと思うのであれば、もっと学ぶ必要があることを理解しています。あなたの将来の成功のために、学ぶことを意識しましょう。あなたの公私に渡る自己啓発は、常に進行中であることをお忘れなく。学習に投資をし、旅を楽しみましょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Lifelong Learning for Business Success」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/lifelong-learning-for-business-success/
翻訳:川崎あゆみ

2024/04/08

コ・クリエーション(共創)とは、複数の関係者が集まって、共通の目標達成のために商品や成果を生み出すプロセスです。新著「The 3rd Paradigm(第3のパラダイム):A Radical Shift to Greater Success」の中で、共著者のハイディ・スコット・ジュスト博士、ダワ・タルヒン・フィリップス氏と私は、事業を成功に導く共創の5つの型について概要を述べています。

外部の企業や個人との協働を始める前に、自社の運営についてしっかりと理解していることが極めて重要であることを強調しています。私たちが「The Four Knows(4つの理解)」と呼ぶ4つの要素がビジネスで成功を収めるために重要である理由を本の抜粋から説明します。

理解すべき4つのこと

あなたが共創の5つの型の何れを使うにしても、成功のために以下の4つのことを全て整える必要があります。

正しく焦点を合わせる

正しくプロセスを定める

正しくコミュニケーションを取る

正しく実行する

正しく焦点を合わせる:お互いに望む成果を定める

共創に関わる全ての人は、一体となって同じ方向にボートを漕ぐ必要があります。全ての人がお互いに望む成果に焦点を合わせる必要があることを意味します。みんなが一致して取り組まなければ、最悪な事態に陥ることになります。私たちは4,200名の事業家を対象に調査を行ったのですが、ある回答者が、チームワークが効果的に機能しなかったことでイベントマーケティングを行おうとしたリーダーの試みが妨げられてしまったという話をシェアしてくれました。「私たちは、なぜそれを行うのかについてコミュニケーションがうまく取れておらず、そのイベントをチーム全体の一部として位置付けるための意見を得ることができなかったのです」

お互いに望む成果に焦点を合わせるために、全チームメンバーが「なぜ」を共有していることが求められます。共創のリーダーは、多様なステークホルダーが集まっていたとしても、効率的かつ効果的、そして創造的に共に取り組むことができるよう、一連の質問を通してチームを導いていくことができるものです。

このプロセスによって、焦点を正確に合わせやすくなります。求める結果の定義は不明瞭なものではなく、明確であるべきです。明確であれば、共創におけるステークホルダーは必要とされる目的や意図を共有することができるでしょう。まずお互いに望む成果が定まれば、チームは思いも寄らぬことを成し遂げることができます。調査に回答した一人が次のような意見を述べていました。「適材者たちが同じ目標を掲げ、士気を高め合い、励ましあいながら共に達成するというコミットメントをもって取り組むことができれば、驚くようなことが起きるかもしれません」。

正しくプロセスを定める:フレームワークを活用する

共創のプロジェクトにおいて正しいプロセスを特定することで、ステークホルダーが確実に効率的で効果的な取り組みができるようになります。お互いに望む成果を目標にするチームを持つだけでは不十分です。行動指針を示すような根本的なプロセスがなければ、フラストレーションが蓄積し、そのプロジェクトは問題に陥ってしまいます。

フレームワークを選ぶプロセスは、以前に紹介した共創の5つの型(シンクタンク/ブレインストーム、クラウドソース、オープンソース、マス・カスタマイズ、ユーザー生成コンテンツ)を選択することから始まります。

共創のリーダーが最適な型を決定した後は、さらに実務的に考慮すべき点を踏まえて包括的なフレームワークとプロセスを示します。これには、チームメンバーの明確な役割と責任の決定、説明責任の仕組み、共創プロジェクトの状況や背景などを明確にし、さらに無意識の偏見を軽減することも含まれます。

調査回答者の中の数名は、正しいプロセスを経ることの重要性を証言する人もいました。「プロジェクトに関わる全員が、ある程度具体的な役割責任や結果責任を負うべきであり、全員が意見を求められるべきです」。他にも、「成長のためのしっかりとしたフレームワークが整えられていること」、そして「設定されたタスクや期限、フォローアップやプロセスの進捗に責任を持つ担当者を明確にすることが必要だ」とその重要性を述べた人もいました。

プロセスは、詳細なレベルで明確にされることが望まれます。例えば一人の回答者からは、「製品開発においては、レビュー会議を毎日行うことで、開発のプロセスを綿密に注視することに役立ちました」という返答がありました。別の回答者は、「各メンバーにプロセスの一部の責任を持たせて、その担当箇所を間違いなく次の段階に移せるようにします。後戻りすることのないようにすべきです」だと助言してくれました。

正しくコミュニケーションを取る:オープンコミュニケーションに努める

オープンなコミュニケーションは、共創を成功させるために極めて重要です。これは社員や顧客、取引先、会社に関わる他のすべてのステークホルダーにとっていえることです。明瞭なコミュニケーションがなければ、仮に誰もが熱意をもって全力でプロジェクトに取り組んだとしても共創は失敗します。調査回答者の多くが、正しいコミュニケーションの重要性を強調しています。「コミュニケーションが不可欠です」と。

「あなたが社員と良いコミュニケーションが図れば図れるほど、あなたの会社は成功する」と言っても過言ではないと私は思います」

「それぞれの考えが自由に言い合えるような会社であれば、計り知れないほどの成長が待ち受けています。私は、担当者が自分のアイデア以外の考えには、耳を貸そうとしないような会社にいましたが、そこには何の成長もありませんでした」

「(共創は)あらゆる段階においてアイデアを適切に発展させるためには、明確で十分なコミュニケーションが必要です」

「組織がより大きくなればそれだけ、戦略や目標についてのコミュニケーションが不足し、その結果、方向性を見失うことになります」

回答者の中でとても記憶に残ったのが、「みんなが同じ楽譜で歌うこと!」というもの。確かに、どれだけ全員が一生懸命に歌ったとしても、それぞれが別の歌を歌っていたのでは、悲惨なものになります。

正しく実行する:聡明なるリーダーシップを発揮する

例え、焦点を正しく合わせる、プロセスを正しく定める、コミュニケーションを正しく取るといったこと全てが整ったとしても、組織が正しくそれらを実行できなければすべて無意味です。共創のリーダーたちは、メンバーを信頼して任せ、実行させるための土台を築く必要があります。この最後の理解をもって、リーダーはステークホルダーに信頼して任せながら明確なプランを立てて、実行に移さなければなりません。

もし、共創イニシアティブの実行が不十分だった場合、プロセス全体が危機に陥ります。ある回答者は、「学生時代のちょっとした冗談なんですが、もし私が死んだら、グループプロジェクトを一緒に取り組んだ仲間たちに私を棺の中に移すのを手伝ってほしいと言っていました。そうすれば、最後にもう一度私をがっかりさせることができるよ」と皮肉っていました。正しく実行することで、ステークホルダーの士気は上がり、実行できなければ失望が大きくなります。

自分が所属する組織で共創を実践したいと思う人は、これら4つのことそれぞれについて理解し、それぞれの要素がお互いに深く関係しているということを知っておく必要があります。共創は、これら重要な4つの全てが整い、効果的に機能して初めて成功します。4つの要素を一度マスターしてしまえば、あなたの思い通りの共創へ向かって順調に進んでいくでしょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「4 Key Things You Need to Know About Your Business to Truly Succeed」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/4-key-things-you-need-to-know-about-your-business-to-truly-succeed/
翻訳:川崎あゆみ

2024/04/01

私が、「ネットワーキングはnet-workであり、net-sitでもnet-eatでもありません」というフレーズを思いついたのは、1985年にさかのぼります。あるビジネス交流会に出席したとき、そこで誰もが部屋の端に並べられた椅子に座っているか、立っている人は食べたり飲んだりしているだけの光景を目にした時です。実際にネットワーキングを行っている人はほとんどいませんでした。これには稲妻に打たれたような衝撃を受けました。本来は「ネットワーキング」イベントであったはずなのに、参加者はただ食べたり飲んだり(特に後者)しているだけだったのです!その結果、私は自分で初めて開催する交流会の前に、印刷会社に行き小さな看板に先ほどの自分で考えたフレーズを印刷してもらい、それを部屋のあらゆるところに掲示し参加者に交流会の目的を念押ししました。

併せて、私が考え出したネットワーキングの十戒の原文を印刷してイベント会場内に掲示しました。

ネットワーキングの十戒

  1. 常にネットワーキングに必要なツールを持参する(名刺、名札など)
  2. 何人と知り合いになるか目標を設定する
  3. お客様ではなく、ホストとして振舞う
  4. 人の話に耳を傾け、その人の仕事について質問する
  5. 売り込みをしない
  6. 可能な限りリファーラルを出す
  7. 名刺を交換する
  8. 時間を効率的に使う
  9. 話した内容をメモする
  10. フォローアップする!

イベント開催の直前、最後に私は参加者全員に対してこう伝えました。「ネットワーキングイベントに知人や同僚を同伴することは構いません。ただし、その人たちと終始一緒にいることはしないように」と。

これによって、ネットワーキングイベントが大きく変わりました!参加者へちょっとした助言を与えるだけで、そのイベントは過去に見てきたものと比べ、より大きな成功を収めたのです。さあ、立ち上がって、スマホを置き、ネットワーキングしましょう!


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Remember: It’s Not Net-Sit or Net-Eat — It’s Called Network」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/remember-its-not-net-sit-or-net-eat-its-called-network/
翻訳:川崎あゆみ