2024/10/28

南カリフォルニアの大学で経営理論の授業を教えていたとき、学生たちからよくこう聞かれました。「10種類の経営理論を説明されましたが、その中で一番良いものはどれですか?」

私の答えは、「一貫して応用できるもの」です。

このように答える理由は、人が違えば、管理方法も異なるからです。性格、アプローチ、好み、テクニックは人によって違います。あなたが一貫して効果的に実践できる絶対確実な方法が、あなたにとって最も適しているのです。

ビジネスネットワーキングでのフォローアップにも同様の課題があります。リファーラルを受け取ったとき、初対面の人と会ったとき、ギフトを受け取ったとき、招待した人がネットワーキングミーティングに参加したとき、または「今度連絡先を送ります」と約束したときなど、フォローアップはビジネス関係を築き、信頼を維持するために欠かせない重要な要素です。

例えば、手書きのメッセージはフォローアップの最敵な方法の一つとされていますが、私にとっての課題は、それを一貫して実践できない点です。ですから、私にとってベストな方法と言えるかというと、答えはノーです。なぜなら、私はそれを定期的に行わないとわかっているからです。私には、メールでのメッセージや電話、またはSendoutCards.comのようなオンラインカードを使ったフォローアップの方があっているのです。

フォローアップメッセージのテンプレート2種

こちらは、メールでも手書きのメッセージでも使える、新しい連絡先にフォローアップする際に使える2つのサンプルテンプレートです。これらを使えば、フォローアップがスムーズに行えます。

1.将来的に価値のあるコンタクトになりそうな人へのフォローアップ:

こんにちは、ジムさん–

先日、商工会議所のイベントでお会いしたコンサルタントのジョン・スミスです。お話しさせていただきとても楽しかったです。また、あなたがとても順調にお忙しくされている様子が伝わってきました。

お話しできて良かったです。もし私で、何かお役に立てることがあれば、ぜひお知らせください。

ジョン

2.今すぐ新たなクライアントやリファーラルパートナーになるかもしれない人へのフォローアップ:

メールの場合、この件名を使用してください: ご挨拶御礼/5月23日商工会議所イベント

こんにちは、ジムさん–

先日、商工会議所のイベントでお会いしたコンサルタントのジョン・スミスです。お話しできてとても楽しかったです。もしよろしければ、あなたのお仕事についてもう少しお聞かせいただきたいと思っています。

ぜひ、軽くコーヒーでも飲みながらお話しできればと思います。今後、私があなたのサービスが必要そうな人に出会った場合、その方をご紹介できると思います。来週火曜日の朝、ABCコーヒーショップでお会いするのはいかがでしょうか?

繰り返しになりますが、お話しできて良かったですし、もし私があなたのビジネスのお力になれることがありましたら、どうぞお知らせください。

ジョン

ヒントをもう一つ: これらのテンプレートを使ってフォローアップのメッセージを書く際は、メッセージがすぐに削除されることのないように、まず自分が誰で、どこで会ったのかを相手が思い出してもらえるようにしましょう。

大抵のビジネスパーソンは、配慮のある相手と仕事することを好みます。あなたが個人的にフォローアップすることは、あなたがどれほど相手のことを配慮しているのかを示す簡単な方法です。フォローアップの仕方によって、最初は、それほど印象に残らなかった相手にも、長く良い印象を残すことができます。常に相手を思いやる気持ちが大切であることを忘れないでください。

実際のところ、どんなフォローアップ方法でも、効果的に一貫して使えば成果を得られます。最良の方法は、あなたがやりやすくて、必要なときに必ず実行できるものです。理由は簡単です: 何をするにしても、しっかりと実行することが大切で、気乗りしないことを義務的に続けようとしても、うまくいかないでしょうし、少なくとも継続することは難しいでしょう。届くのが遅く、心のこもっていない手書きのメッセージであれば、“多少カジュアルでも”しっかりと心をこめてすぐにかけた電話よりも、悪い印象を与えることになるでしょう。

あなたにとって効果的なフォローアップ方法は見つかりましたか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「What is the Best Way to Follow-up?」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/what-is-the-best-way-to-follow-up/
翻訳:川崎あゆみ

2024/10/21

リファーラルはあらゆるビジネスの成功に重要な役割を担っています。ビジネスの成長を継続させるためには、リファーラルが継続的に生み出される関係性を構築することが不可欠です。他のリード獲得方法やマーケティング戦略と比較して、リファーラルは、ビジネスをもたらす上ではるかに良い結果を生み出しています。誰かが推薦という形で、あなたのサービスや商品を紹介してくれることで、人脈が販売に結び付く可能性が高くなるのです。

ニールセンが29,000人を対象に行った世界規模の調査によると、回答者の84%が「知り合いからの推薦を望む」と回答しています。実際、これは「次に挙げる広告手段をどの程度信用しますか?」という質問の選択肢の中で一番多く選ばれた回答でした。

リファーラルが生まれる関係構築は、たった一度で終わるものでもなければ、すぐに結果を出せるものでもありません。欲しいリファーラルを得るためには、一度限りの努力によるものではなく、一連のプロセスとして続けるべきです。ネットワーキングは、リファーラルパートナーとの関係を育むための努力とひたむきな取り組みが求められる長期的な投資なのです。

生涯にわたるリファーラルを育むための10の提言

1. リファーラルを中心としたマインドセットを育てる

何よりも重要なことは、ネットワーキングや人脈作りを行う際に、リファーラルを生み出すことに重きを置いたマインドセットを持つことです。

自分の目先の利益にとらわれず他人を手助けすることを優先することで、人の役に立ち手助けすることに重きを置いた関係構築のマインドセットを育むことになります。相手のニーズに注意を払い、目標達成に手を貸せる方法を模索することで、相手が安心してあなたに仕事を紹介できるような信頼を築くことができるのです。

2. 確固たる人間関係を築く

人脈を築くことは、リファーラルを育成するために不可欠です。そのような人脈を築くためには、誠実さ、正直さ、信頼性をもって人と接することが重要です。相手の話にしっかりと耳を傾け、相手に関心を示し、約束を守ることが、確固たる人間関係を育むための重要な鍵になります。人脈を築くには時間を費やすことが必要ですが、そこにつぎ込んだ努力は長い目で見れば確実に報われるということは、私自身の経験が証明しています。

3. ネットワーク内の人を教育する

リファーラルが生まれるプロセスにおいてネットワーク内の人を教育するということは、見落とされがちです。リファーラルを生むためには、ネットワーク内の人にあなたのビジネスとその商品・サービスについてしっかりと伝え、理解してもらうことが重要です。仲間に商品を売り込むということではなく、仲間たちがあなたのビジネスを他の人に紹介するのに必要な知識を身につけることが求められるということです。あなたのビジネスの強みや、どのように役に立てるのかについて、仲間に理解してもらうことで、クライアントや顧客に対して、あなたが提供する価値を効果的に伝えることができます。

仲間たちがあなたのビジネスを理解すればするほど、彼らはあなたのことをより紹介しやすくなります。ネットワーキングにおいては、単にセールスすることに注力するのではなく、セールスチーム(またはリファーラルチーム)を育てるというマインドセットで取り組むことが重要です。

4. 卓越したサービスを提供する

優れたサービスを提供することは、リファーラルを長期的に生み出す上で重要な役割を果たします。卓越したサービスを提供することで、クライアントや顧客はあなたを応援し、あなたのビジネスや提供する価値を信頼し、他の人に紹介してくれるようになります。サービスを提供することは、クライアントや顧客の期待を超え、ニーズを予測し、責任を全うすることなのです。

5. リファーラルを求める

相手との信頼関係を築いたら(それには時間がかかりますが)、紹介をお願いすることが大切です。当然のことのように思えるかもしませんが、多くの経営者は付き合いのある人にリファーラルを求めることを重要視していません。日常的にクライアントや顧客にリファーラルを求めることは、ビジネスの成長にとって有益な手段です。リファーラルを依頼する時は、誰に紹介してもらいたいのか、その理由も具体的に伝えましょう。

意外に聞こえるかもしれませんが、依頼する内容が具体的であればあるほど、クライアントや顧客は、あなたのことを他の人に紹介しやすくなります。

6. リファーラルを提供する

リファーラルを得る一つの方法は、自分からリファーラルを提供することです。あなたが誰かを紹介することで、お互いの人脈の中から新たなつながりが、より速く生み出されるようになります。自ら人の手助けをするというあなたの姿勢を表すことになりますし、さらにその結果としてリファーラルを受けとる可能性も高まるのです。あなたの価値観や基準にあったビジネスを積極的に探して紹介することを習慣としましょう。

7. つながりを保つ

接点を持ち続けることが非常に重要です。ネットワークの仲間を定期的にフォローアップし、つながりを保ちましょう。フォローアップは、Eメールや電話、ソーシャルメディアでの交流、対面でのミーティング、ZoomやSkype通話などを通じて行えます。つながりを保つことで、あなたのビジネスが相手の意識に残るようになりますし、ビジネス上の取引を超えた関係を大切にしていることを示すことにもなります。また、この機会を利用して、ネットワークの仲間に商品やサービス、今後のイベント、ビジネスの最新情報などを知らせることも可能です。

8. ソーシャルメディアを活用する

LinkedIn、Instagram、X(Twitter)、Facebookなどのプラットフォームはすべて、既存の関係を維持するツールとして役に立ち、時に新たな関係を築くための手段として機能します。

ソーシャルメディアを活用することで、潜在顧客やリファーラルパートナーとつながり、価値のあるコンテンツを共有したり、業界に特化したグループに参加したり、最新のニュースやトレンドを把握することができます。コメントに返信したり、投稿に「いいね」をしたり、シェアをしたり、会話を始めるなどフォロワーと交流することが大切です。

9. ネットワーキングイベントに参加する

ネットワーキングイベントへの参加は、人と出会い、関係を築いて育み、リファーラルの可能性を生み出す機会になります。業界に特化したイベント、商工会議所の集まりやビジネス会議など、自分の目標に合ったものを探しましょう。参加する際は、名刺を忘れずに持参し、プロフェッショナルとして相応しい服装を心掛け、あなたのビジネスの価値を簡潔に伝えるエレベーターピッチを用意しておきましょう。

10. 感謝の気持ちを示す

クライアントや顧客を紹介してもらった際は、感謝の気持ちを伝えることが非常に大切です。お礼状を送ったり、品物を贈ったり、商品やサービスの割引を提供するなど、さまざまな形で表すことができます。感謝の気持ちを表すことで、関係が強まり、好印象を残すことで、将来的にさらに多くのリファーラルが得られる可能性が高まります。

 

このような戦略をあなたのネットワーキング活動に取り入れることで、時間をかけてリファーラルを築くことができ、それが長期的なビジネスの成功と成長につながります。リファーラルの構築は、時間をかけ、努力を重ねる価値があることを忘れず、継続的に取り組むことが求められることを心に留めておきましょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「10 Simple Ways to Create Referrals for Life」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/10-simple-ways-to-create-referrals-for-life/
翻訳:川崎あゆみ

2024/10/14

私はもともとマーケティングに自信があったわけではありません。ビジネスを始めた時点で、私が取得していた学位は政治学と組織行動学に関するもので、南カリフォルニアの運送会社に就職するまで、マーケティングの経験はほとんどありませんでした。入社後わずか2週間で、購買部門からマーケティング部門に異動になり、重要な役割を担うことになりました。この時の大きな変化は、私にとってさらに大きな学びの経験となりました。

私のマーケティング経験は、試行錯誤と読書を通して培われました。それはマーケティングに関する本を読み、実践しながら学ぶというものでした。そのときの経験は、後にビジネスコンサルタントとして独立した際、自分でマーケティングを行うのに十分な知識を与えてくれました。

もし25歳の私に、誰かから30、40年後の自分のキャリアがどうなっていると思うかと聞かれたとしても、マーケティング一筋のキャリアなんて全く想像もしなかったでしょう。しかも、世界最大のネットワーク組織の創設者になるなんて。時に、人生において予想外の場所にたどり着くこともありますが、私は自分が選んだキャリアの道を変えたいとは思いません。私は、効果的なリファーラルマーケティングを通じて、人々がビジネスを成長させ、大きな成功を収めるための手助けをすることに情熱を注いでいます。この仕事に30年以上打ち込んできた結果、自分が得たマーケティングの知識と経験を他の人たちに伝えることで役に立てていることを本当に嬉しく思っています。

自らのブランドを構築する

マーケティングにおける一番のアドバイスを求められたとしたら、それはやはりブランドの構築がすべてだと思います。一口にブランドといっても企業のブランドであれ個人のブランドであれ、あなたが関わるビジネスの種類によっても異なります。特に小規模企業にとっては、認知してもらうことが最大の課題の一つです。ただ、ビジネスの種類やスキルセット、つまり能力や資質も異なるため、全ての人に同じ方法が当てはまるというわけではありません。

私の場合、ビジネスにおけるブランド構築は大部分が「執筆活動」によるものでした。インターネットが普及する前は、新聞や雑誌に記事を掲載してもらえるよう努力していましたが、現在では、それがずっと容易になりました。ブログやソーシャルメディアのおかげで、小さな企業でも世界中に発信することができます。問題は、情報が溢れる中で、多くの人が注目を集めようとする状況において、どのように自分を際立たせるかということです。

書くことでブランドを構築する

多くのビジネスパーソンは、実際のところ腰を落ち着けて本1冊を執筆するような時間がないことは理解できます。でも月に一度くらいの記事執筆であれば、ほとんどの人が時間を見つけてできるのではないでしょうか。定期的に記事を書き続けることは、ほとんどコストをかけずに、あなた自身とあなたのビジネスのブランド構築のための現実的な方法です。それによって、コミュニティ内でのあなたの認知度を上げ、信頼性を高めることができます。ただ、私の経験では、このようなことを考えついたとしても、ほとんどの人は、なかなか時間を割くことができません。

その課題に進んで取り組もうという方々へ、私からのアドバイスです:

  • あなたが一番知識のあること、理解していることを考えてみてください。その中から一般の人々が興味を持ちそうな要素を選び、ターゲット読者に向けて記事を発信しているメディアを調べましょう。
  • 選んだサイトや出版物の編集者に連絡を取り、あなたが持っているアイデアに読者が興味を持つ理由、ニュース記事にする価値があることを伝えましょう。編集者とつながるために、あなたのネットワークを活用することも一案です。
  • 継続して記事を投稿し、時間をかけて一貫して発信することで、やがて著者として認知され、地域の専門家としてブランドを確立できるようになります。

私にとって、ブランドを築くための最も重要なマーケティングのコツは、ひたすら書き続けることです。専門分野での知識を深め、周りから「この人のファンになりたい」と思われる存在になれば、ビジネスにつながる可能性が高くなります。

あなたのマーケティングの一番のコツは何ですか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「My Top Tip for Hitting the Marketing Target」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/my-top-tip-for-hitting-the-marketing-target/
翻訳:川崎あゆみ

2024/10/07

2014年のある晩、私は友人とワインを飲んでいました。その友人は、最近、スイスのジュネーブで開催されたプライベートジェットの展示会に参加したばかりでした(なんとも楽しそうですよね!)。彼は、高級プライベートジェットの会社がいかに素晴らしい手法で見込み客の心をつかんだかについて話してくれました。

招待されたゲストに、同社のさまざまなジェット機の仕様に関する情報がローディング新しいiPadが配られました。そのiPadには、ゲストが興味のある機体を選んだ上で、木材やカーペット、革などを選んで内装をカスタマイズできるアプリが搭載されていました。その場で自分の理想のジェットを目の前で確認することができたのです。素晴らしいアイデアでした。

誰もが、このハイテクなマーケティングツールにとても感心していたようですが、それもある人物に手渡されるまでのことでした。その人物に、私の友人は一目で気付いたのですが、マイクロソフト創設者ビル・ゲイツだったのです。彼は何と言ったのでしょう?「ありがとう、でも遠慮しておくよ」といったところでしょうか。

そのジェット会社のチームは、購入を考えてもらうにあたって、アップル社の製品を手渡されたマイクロソフトの創業者が、どのような反応を示すかについて考えていなかったのです。些細なことだと思われるかもしれませんが、これは相手が誰であるのかを見極めるべきだという大切な警告だといえます。あなたにとって一見些細に見えることでも、潜在的な顧客にとっては非常に重要なことかもしれず、取引の成否を左右することになりかねないのです!

マーケティングやネットワーキングの取り組みから最良の結果を得るためには、話す相手を見極め、共有しようとしている情報がその場にいる人たちにとって適切なものであることを確認することが重要です。

話す相手のことを考えず、チャンスを逃した人を見たことがありますか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「You’ve Got to Know Your Audience!」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/youve-got-to-know-your-audience/
翻訳:川崎あゆみ