2025/09/29

皆さんの中には、「また目標設定の話?つまらない!」と思っている人がいるかもしれません。でも、退屈だと感じるのは、同じ話を何度も聞いているからです。とはいえ、繰り返しなしに、素晴らしい成果は生まれません。たくさん本を読み、たくさん実践し、目標について深く理解することが、営業活動において「目標設定」をルーティン化し、営業のプロたちにとってのモチベーションとなり、行動の指針にもなるのです。

私たちの人生は、意識的にしろ、無意識にしろ、願望によって方向づけられ、突き動かされています。その願望が集約されて、私たちの将来のビジョンになっていきます。例えば、10キロ体重を落として、アスリートのような身体になるとか、継続的に1万ドルのコミッションを稼いで裕福になるといった到達目標によって方向づけられるものもありますが、具体的な行動目標こそが、私たちをそこへ導いてくれます。日々の細かな行動の一つひとつを、達成すべき重要な行動目標としてとらえましょう。その小さな行動の積み重ねが、やがて力となり、大きなビジョンを現実に変えてくれるのです。私たちの夢は、自分自身への疑いや他人への不信、そして周囲で起こる出来事によって、簡単に脱線してしまいます。だからこそ、そのビジョンを生かし続ける唯一の方法は、目に見える形にし、目標に向かって行動へと変えていくことなのです。

多くの目標達成プランでは、自分の計画に他の人に関わってもらう必要があります。このときに必要なのが、「人と人とのセールス」という考え方です。ここでいうセールスとは、自分が持っている何かを差し出し、その代わりに相手が持つ何かを提供してもらうために、相手に働きかけることを意味します。従来のセールスの考え方では、買い手が自分のお金と引き換えに、私たちの商品やサービスを受け取るという構図になります。でも実際には、私たちは誰もが絶えずセールスをしています。例えば、初デートで自分を良く見せようとしたり、自分の信念や知識を伝えたりすることもその一つです。そのセールスがうまくいけば、その努力の見返りとして楽しい夜のデートができたり、人から認められたり、自分なりの満足感を得るといった目標を達成できるかもしれません。

セールスを成立させるための理想的な環境を整えるということは、例えば、初デートに花束を持っていくことや、通り掛かりの人が店内を覗いてみたくなるようにショーウインドウを美しくディスプレイすることかもしれません。あるセールストレーナーはこう言っています。「あなたの目標は、あなたの顧客があたかもロールスロイスの納車を待つVIPの気分にさせる舞台を創ることです」と。セールスの過程は、非常に社会的な活動です。課題を解決したいという買い手の目的と、会社の目標を達成し、収入を得ながら、同時に顧客の役に立ちたいという売り手の複合的な目的が、一つの過程の中で、組み合わさっています。この目標達成という技術の学びに終わりはなく、セールスの達人にとっても終わりのない挑戦なのです。

Masters of Sales』という本の執筆中、ジョアン・フレッチャーという女性から手紙が届きました。そこには、ある大成功を収めた若いセールスパーソンについて、興味深い話が書いてありました。彼は販売優秀で数々の賞を受け、角部屋のオフィスを与えられ、そして人を惹きつけるカリスマ性も備えていました。それでも彼は、自分はまだ成功の表面をなぞっているにすぎないと感じていたのです。

彼はきちんと目標を紙に書き出していたにもかかわらず、彼自身の満足度は低いものでした。それが変わったのは、成功の全体像とは、単にいくら稼ぐのか、大きな家に住むのか、何件の成約を取るかではないことに気づいたときでした。彼にとっての全体像とは、人生全体を通じて自分が本当に何を成し遂げたいのかを描いたビジョンだったのです。この気づきを得てから、彼の新たな売上目標は、娘の教育資金を積み立てることや、息子のサッカーリーグのコーチを手伝う時間や自宅の庭仕事をする時間を作ることに直接結びつくようになりました。以前よりも個人的な目標が増えたにもかかわらず、彼の営業成績はさらに伸びていきました。

覚えておいてほしいのは、仕事の目標、セールスの目標、そして人生の目標はすべてがつながっていて、常に影響し合っているということです。ここで、あなたにお聞きします。あなたが人生全体を通して、本当に達成したいことは何でしょうか?そして、そのビジョンに向かって前進するために、仕事・セールス・人生の目標をスムーズに推し進めていく上で、意識して取り組めることには、どんなことがあるでしょうか。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Selling Goals vs. Life Goals」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/selling-goals-vs-life-goals/
翻訳:川崎あゆみ

2025/09/22

数年前にカリフォルニアで開催されたBNIコンベンションでUSエグゼクティブディレクターのドウン・リオン氏と会話をしたときのことです。リファーラルマーケティングにおいて人々が頻繁に直面する葛藤について彼女と話し合いました。不一致、リファーラルの品質レベル、いいかげんなリファーラルの出所、人々が時々感じる不確実性など、様々なリファーラルマーケティングの課題について意見を交わしましたが、その中で彼女が口にした「リファーラルマーケティングは1人ではできない!」というフレーズが心に響きました。「ワオ、シンプルだけど本質を突いている言葉だな」と感じました。本当にパワフルな言葉です。

起業家としてドウンも私も知っているのは、ほとんどの起業家や多くのプロフェッショナルがいかに制御指向であるかということです。私たちは物事を自分自身で成し遂げることを好み、物事が来るのを待つよりも、自ら行動を起こして結果を出そうとする傾向があります。

残念なことですが、この起業家的傾向は、ドウンが共有してくれた大切なセオリーによると、リファーラルマーケティングとは相性がよくないのです。「リファーラルはどこから来るのでしょう?それは他の人々からです!」とは彼女の言葉ですが、本当にその通りです。これについては議論の余地がありません。ドウンのキャッチフレーズが力強いのは、彼女の言葉が事実だからです。リファーラルは、私たちのことを信頼している人、そして私たちが提供するサービスに価値を認めた人からもたらされるのです。リファーラルは、自分本位な考え方からは決して生まれません。

ドウンが言うように、私たちが個人的に出かけていき、自分のビジネスのためにリファーラルを発生させようとするのは愚かなことです。なぜなら私たちは1人でリファーラル活動を行うことなどできないのですから。リファーラルでビジネスを発生させようとする時、キーファクターとなるのは「他の人々」です。

もしあなたがあなた自身のビジネスのためにネットワーキングをしているのであれば、この事を理解し受け入れることがとても重要です。互いに助け合おうとするメンバーが在籍するポジティブでプロフェッショナルなネットワーキンググループを見つけ、そのグループの中で相互に有益な関係を築くことに時間を割き努力しましょう。

忘れないでください。セルフスターターであること、起業家精神を持っていることは、あなたにとって大きな強みです。しかし、リファーラルマーケティングは「1人ではできない!」のです。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Successful Referral Marketing – You Can’t Do It Alone!」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/successful-referral-marketing-you-cant-do-it-alone/
翻訳:丹野裕道(株式会社ディアス)

2025/09/15

ビジネスリファーラルは、ネットワーキングの主要なツールであり、価値ある通貨です。ビジネスプロフェッショナルとして、あなたが提供するリファーラルがタイムリーかつ適切であることを確かにしなければなりません。

ネットワーキングパートナーによいリファーラルを提供するための大切なヒントを5つご紹介します。

    1.あなたが出会う人々からニーズを聞き取りましょう。

    誰かがニーズを口にしたときは、「お探しの製品とサービスを提供できる人を知っていますよ」と伝えましょう。そして、(もしあれば)紹介しようとしている人とあなたとの間で交わされたビジネス上の経験や、他の人から聞いた推薦のことばを伝えましょう。紹介しようとしている人の名刺を渡し、まだ彼らの名刺を持っていなければ、名刺を貰うか、連絡先を聞きましょう。

    2.紹介先(推薦する相手)から連絡してもよいか、相手に確認しましょう。

    こうすることで、このリファーラルに対するあなたの真剣な姿勢を決定づける効果があります。もし彼らの答えがイエスならリファーラルスリップを入力しましょう紹介先へ知らせましょう注意しましょう。

    たとえリファーラルが大きなものでなくても、あなたの見込み客に対する誠実さは評価の対象になります。リファーラルの大きさに関して期待値を上げるのはやめましょう。単に事実を述べたりコネクションを作ったりしただけなのに、リファーラルが実際のビジネスになるのを急いではいけません。

    4.誰かに対するホットなリファーラルがある時、すぐに行動しましょう。

    紹介先にすぐに電話をしましょう。ホットなリファーラルはすぐに冷めてしまうものです。見込み客について、名前、住所、電話番号、職業、探している製品やサービスの内容など、できるだけ多くの情報を提供しましょう。

    5.悪いリファーラルを提供するのはやめましょう。

  • 例えば、経営者交流会や商工会議所の親睦会などの案内は、リファーラルではなく、ただのアナウンスです。これはよい情報を共有していることにはなりえるのですが、あくまでもアナウンスメントであってリファーラルではありません。
  • 誰かによりよい仕入先や情報源を紹介することも、リファーラルではありません。再度になりますが、これはよい情報にはなり得るものの、新規顧客を獲得するためのビジネスリファーラルではありません。
  • 同じ業種の3人に同じリファーラルを渡すことは避けましょう。
  • 見込み客に紹介のことを知らせずにリファーラルを行うことは避けましょう。リファーラルの過程でサプライズが起こらぬよう明確かつオープンなコミュニケーションを行う必要があります。
  • リファーラルを渡しておきながら、相手に「自分の名前は出さないで」と伝えるのは避けるべきです。こんなことではリファーラルマーケティングが適切に機能しません。

ネットワーキングパートナーにリファーラルを提供する上で、これらのヒントは、あなたが正しい方向へ進み、その道を維持する助けとなるでしょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Five Tips for Giving Referrals」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/five-tips-for-giving-referrals/
翻訳:丹野裕道(株式会社ディアス)

2025/09/08

新米起業家にとっての主な目標の一つは、新しいビジネスへつながるパイプラインを満たし続けるということです。この目標を達成するのに最もコストパフォーマンスがよい方法の一つがネットワーキングです。しかしながら、ビジネスネットワーキングにおいて最大の障害となりえるのが、「新米起業家だからネットワーキングで成功するのは難しいのではないか」という恐れです。

新たに起業した皆さんのために、ネットワーキングのヒントをお届けします。

ホストになる

ビジターホストに立候補しましょう。または地域のビジネスネットワーキングイベントでアンバサダーを務めましょう。これは自分の安心できる範囲内でネットワーキングへ参加するためのとてもいい方法です。地域の商工会や他のイベントでビジターホストを務めることにより、あなたは効果的にそのパーティーのホストになることができます。ぜひ試してみてください。新しい人たちと出会って話すことが、ずっと楽に感じられると思います。

デスクにいながら社会関係資本を築く

オンラインネットワーキングは、潜在顧客やリファーラル資源と繋がるための非常に効果的な方法です。テクノロジーとソーシャルメディアのおかげで、たくさんの人々と繋がることが、かつてないほど簡単になりました。オンラインネットワーキングは、新米起業家に僅かのコストと努力で広いリーチを提供してくれます。しかしながら、関係を構築し深めるためのフォーラムまでは提供してはくれません。通常、ソーシャルメディアを使うのは、従来の方法で関係性を築いた後に活用するのが望ましいです。信頼、尊敬、真の友情を築くうえで、人と人との直接対話に勝るものはありません。

アイスブレイクするためにアドバイスを提供する

イベントでアイスブレイクする方法が分からなかったら、無料で専門的なアドバイスを提供することから始めるのもよいでしょう。売り込みになりすぎないよう配慮しつつ、価値あるアドバイスを提供することも可能です。厳選した無料アドバイスをシェアすることで、新顔の起業家であるあなたの専門性を示すことができます。あなたの見込み客に、やりすぎにならない範囲でアイデアを2つ3つ提供しましょう。親しみや信頼を築くうえでは、他者に対する本当の思いやりから与えられた、しっかりと役立つ情報に勝るものはありません。

品位あるリファーラルとコンタクトの提供元として、信頼される存在になる

新米起業家がネットワーキングの中に入る別の方法としては、ネットワーキングパートナーへリファーラルやコンタクトを提供することが挙げられます。これは直接的リファーラル(マーケットで他の人の製品やサービスを扱う誰か)でもありますし、ソリッドコンタクト(将来的に役立つかもしれない誰か)でもあります。本当に関心を持っていると確信できる相手に繋ぐようにしましょう。

ほとんどのビジネスパーソンや起業家は、顧客やベンダーとの日々のやりとりを通じて、時間をかけながら心地よい関係を発展させていくものです。ネットワーキングを始めたばかりの方でも、これらのヒントを知って練習することで、意味ある関係を築き交流できるのです。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Networking Tips for New Entrepreneurs」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/networking-tips-for-new-entrepreneurs/
翻訳:丹野裕道(株式会社ディアス)

2025/09/01

ビジネスの世界に身を置く人たち、特に新人がよく抱く誤解のひとつに、「マーケティングやビジネスの学位を取れば、自分の事業を所有・運営したり、あるいはそこで働いたりするためのスキルがすべて身につくと考えていることがあります。

しかし、大学で教わった手順に従っているにもかかわらず、ビジネスの現場で悪戦苦闘し、途方にくれている人たちを、私は何度も見てきました。学位取得後に、より高度なビジネステクニックに特化したプログラムに参加したり、BNIのようなプロフェッショナル組織に参加したりしたときに、初めてビジネスで本当に重要なことに気づくのです。そこで初めて、ビジネスにおいて真に重要な3つの概念について学ぶことになるのです。

ソーシャルキャピタル(人間関係資本)

ソーシャルキャピタルとは、あなたの人とのつながりの背後にある価値のことです。人間関係、そして時間とともに高まっていくその潜在的な価値は、ビジネスにおいて極めて重要です。こうした関係性は個人的なネットワークであれ、仕事上のネットワークであれ、いずれもビジネスチャンスや質の高いリファーラル、斬新なアイデア、メンターやブレインストーミングできる仲間を得ることにもつながり、最終的にさらに大きなビジネスの成功へとつながっていきます。

関係性を築くときには、それぞれのつながりが持つ強みと弱みを見極め、弱い関係性については、育てていくことに意識を向けてみましょう。自分のビジネスを成長させようとする中で、ビジネス以外のことに注力するのは、一見意外に思われるかもしれません。でも関係構築に注力することは、結果的にはより大きな成功を

もたらしてくれるのです。

エモーショナルインテリジェンス(感情知能)

自分自身の感情を認識し、評価し、コントロールする能力、そして他人の感情を鋭く察知する能力は、人生のあらゆる場面でのコミュニケーションを向上させ、人とのつながりを築く力を高めてくれます。実際、EQ(感情知能指数)が高い人ほど、よりソーシャルキャピタルを築きやすいことが研究によって示されています。

周囲の人が自分に対してどのように反応しているかを観察し、相手一人ひとりに合わせた関わり方ができるようになると、相手からの反応も、好意的なものになっていくでしょう。決して特別難しいことでもありませんが、決して簡単なことでもありません。EQを高めようと努力する中で、すぐに成果が出なくても落ち込まないでください。

ネットワーキング

ネットワーキングとは、ビジネスを拡大し、知識を深め、あなたの影響力の及ぶ範囲を広げたり、地域社会に貢献するために、人間関係を築き、それを活性化させるプロセスです。

残念ながら、この極めて重要なビジネススキルは、高等教育ではほとんど扱われていません。ネットワーキングは、エモーショナルインテリジェンス(感情知能)とソーシャルキャピタル(人間関係資本)の要素を合わせ持った高度なスキルであり、あなたのビジネススキルセットに加えておくべき重要なツールの一つです。

非常に多くのビジネスパーソンが、なんらかの形でネットワーキングを通じて、成功を上げたと答えていますが、これは偶然ではありません。ネットワーキングで思うような成果が出ていないとしたら、それは単にソーシャルキャピタルとエモーショナルインテリジェンスの基礎がしっかりと築けていないだけかもしれません。というのも、ネットワーキングは対面でのマーケティング手法とソーシャルキャピタルを結びつけるための手段にすぎないからです。

最先端技術を導入しない企業が衰退し、困難に直面していくのと同じように、こうした知見を何らかの形でカリキュラムに取り入れないビジネススクールの卒業生(そしてその出身校)は、急速に時代に取り残され、競争に追いつけなくなってしまうことになるでしょう。

一般的なビジネス教育では教わっていないと感じる、重要なビジネススキルは他にありますか?そのようなスキルはどのようにして身につけましたか?


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「3 Things Your Business Degree Didn’t Teach You」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/3-things-your-business-degree-didnt-teach-you/
翻訳:川崎あゆみ