2025/10/27

リードとリファーラルの違いを知ることで、マーケティング活動をより円滑で効果的に進めることができます。

リードとリファーラルの違いとは?

リードは、さまざまな情報源から得られる連絡先のことです。この連絡先の人は、大抵あなたから電話が掛かってくるとは思っていません。例えば、誰かがある保険代理店に新築住宅購入者のリストを提供すれば、それは良質なリード情報とみなされるかもしれません。残念ながら、その見込み客は保険代理店から電話が来るとは思っていないため、それは売り込み電話の一つにすぎないのです

一方リファーラルは、共通の友人や仲間からすでにあなたのことを聞き、あなたの商品やサービスを購入する可能性のある人とビジネスをする機会となり得るものです。つまり、あなたが連絡するときには、すでに彼らはあなたやあなたのビジネスについて分かっています。リファーラルがリードよりも優れているのは、その見込み客は共通の知人と話をしており、ほとんどの場合あなたから連絡が来ると思っているからです。つまり、彼らはあなたに紹介されているのです。

リファーラル提供者から連絡を取るべき人物の名前を教えてもらったら、その後はあなた次第です。リファーラルがリードよりも優れているのは、リファーラル提供者の名前を使ってビジネスチャンスをつかむことができるからです。これ以上何を望めるでしょうか?実は、しっかりと関係構築ができているリファーラル提供者からは、さらに多くのことを期待できるのです。

リファーラルのレベル

リファーラルの質トルは、リファーラル提供者があなたのためにリファーラルを準備する際にどれだけ熱心に取り組んだかによって様々です。リファーラル提供者が、あなたにその見込み客を紹介する前に、その人を見定め、教育し、そして推奨に時間と労力を費やすほど、そのリファーラルの質は高くなるはずです。逆に、リファーラル提供者が単に見込み客の名前をあなたに伝えるだけでは、その見込み客との関係を育み、顧客へと発展させるための大部分のプロセスはあなたに委ねられ、成約に至る可能性は大幅に低くなってしまいます。

もちろん、あなたのリファーラルネットワークが質の高いリファーラルを生み出せるかどうかは、ネットワーク内で提供者を教育するのに、あなたがどれだけ時間と労力をかけて取り組むかにかかっています。リファーラル提供者に働きかけ、あなたのマーケティングチームの一員として、活発で熱心に活動してもらうための方法はたくさんあります。このような努力の積み重ねが、やがてあなたが受け取るリファーラルの質を決めていくのです。

リファーラルのレベルは、単に見込み客の名前を伝えてもらうだけのものから、すでにあなたの商品を購入する意思のある顧客を紹介されるものなど多岐にわたります。以下の3つの事例は、あなたがリファーラル提供者と時間を掛けて関係構築することで得られる多様なリファーラルの可能性を表すものです。

リファーラルレベル1:名前を使うことを許される

リファーラル提供者が、自分の名前を使うことをあなたに許してくれたなら、その人と十分な信頼関係を築けている証拠です。あなたが見込み客に「〇〇さん(リファーラル提供者)が私の商品やサービスを推薦している」と伝えることは、見込み客にとって大きな後押しとなります。ただし、この段階のリファーラルにおける課題は、見込み客との関係を発展させて、実際の顧客になってもらうまでのプロセスは、依然としてあなたに委ねられているということです。共通の知人であるリファーラル提供者が「あなたとあなたのビジネスを推薦している」と伝えた瞬間から、あなたにとっての本当の営業活動が始まるのです。

リファーラルレベル2:面談が設定されている

このレベルでは、リファーラル提供者は、あなたにビジネスを紹介してくれるプロモーターとしての役割を超えて、あなたと見込み客をつなぐファシリテーターとしての役割を果たします。あなたと見込み客が会って、今後のビジネスの可能性について詳しく話し合えるよう、リファーラル提供者が段取りを整えてくれます。

リファーラルレベル3:取引が成立している

この段階では、あなたが見込み客に連絡を取る前に商談はすでにほぼ確定している状態です。リファーラル提供者の努力のおかげで、あなたに求められるのは、商品やサービスを提供し、代金を受け取ることくらいです。これは最も強力なリファーラルであり、同時にあなたがリファーラル提供者と強固な信頼関係を築いてきたネットワーカーであることを示しています

リファーラルは、基本的にリードよりも成果につながりやすいものです。ただし、リファーラルにはさまざまなレベルがあり、そのレベルがどのように発展していくのかは、あなたがネットワーキングパートナーとどのような関係を築くかにかかっています。長期的にリファーラルを築いていくための鍵は、トル関係構築にかかっています。あなたが得られる情報やサポート、そしてリファーラルは、すべてあなたと関わりのある人や企業との関係から生まれるのです。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Which is Better: A Lead or a Referral?」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/which-is-better-a-lead-or-a-referral/
翻訳:川崎あゆみ

2025/10/20

「停滞している関係は、ビジネスの目的を持った働きかけがない限り、そのまま停滞し続ける」アイヴァン・マイズナー博士®

「VCPのソーシャル」から「VCPのビジネス」へ橋をかける

個人的なつながりを、仕事につながるプロフェッショナルな関係へ

核となるチャレンジ

多くの人が「認知(V: Visibility)」の段階で止まってしまっています。彼らは個人としては好かれ信頼されているのですがプロフェッショナルとして認識されていません。この個人としての認知からプロフェッショナルとしての認知へのシフトを起こさない限りリファーラルの発生は少ないでしょう。

シフトを起こすための5つの戦略

カジュアルな会話から、意図をもった会話へとシフトする

会話の中で、自分がプロであることをさりげなく示すことから始めましょう。

「人生はどう?」と聞く代わりに「最近仕事はどう?」と聞いてみましょう。

「またいつかコーヒーでも飲もうよ」と言う代わりに「あなたがどんなお仕事をされているのか、もっと詳しく伺いたいです。あなたは、ぜひ一緒に仕事してみたいと思えるような素晴らしい人です」と聞いてみましょう。

なぜ機能するのか:押しつけがましくなく、ビジネス寄りの雰囲気に自然に変えられるからです。

ソフトなビジネスフックを使う

日常の会話の中にあなたの仕事についてのトピックを自然に織り込みましょう。

「先週のことなんだけど、あるクライアントがよくある課題に直面していてね。そういうことって、本当によくあるんだよね」

なぜこれが機能するのか:あなたは、売り込もうとしているのではなく、トル話しをしているのです。そしてその妥当性が信頼を築くことに繋がるのです。

専門的な意見を求める

プロフェッショナルな意見にしっかりと耳を傾ける

「君は~で働いてるんだよね。近頃気になることがあるんだけど君の見解を聞いてもいい?」

なぜこれが機能するのか:あなたは彼らの知識に敬意を表し、会話をビジネスレベルに引き上げることができるからです。

自分のビジネスサークルに招待する

リファーラルを求めるのではなく、関係性への入り口を提供しましょう。

「リファーラルを紹介し合う小規模なプロフェッショナルグループに所属しています。、ゲストとして紹介してもいいですか?あなたが加われば、グループに大きな価値をもたらしてくれると思います」

なぜこれが機能するのか:「受け取り手」ではなく「つなぐ存在」として自分を位置づけることができるからです。

ビジネスの動きをまず自分から作りましょう。

与えることから始めましょう。「あなたのことをあなたのサービスが必要になるかもしれない人に伝えました。どうなったかまた教えてください。」

なぜこれが機能するのか:ビジネスの信頼性を築き自然な相互関係を作ることができるからです。

「停滞した関係は、意図とビジネスの目的をもって動かさない限り、停滞し続ける」アイヴァン・マイズナー博士®


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Misner’s Law of Networking」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/misners-law-of-networking/
翻訳:丹野裕道(株式会社ディアス)

2025/10/13

ネットワーキングについて、よくある大きな誤解のひとつが、とにかく会場を駆け回って、できるだけ多くの名刺を集めることだと思われていることです。こうした人たちは、ネットワーキングがあまり好きではないことが多いようですが、それでも、やらなければならないと感じており、その方法が最も効果的だと勘違いしているのです。私はそうした人たちに、それはネットワーキングではありませんと伝えてきました。それは、対面での飛び込み営業か、それよりひどい、ただの「名刺集め」にすぎません。

数年前に、ビジネス関連のネットワーキングイベントで、集めた名刺の数を競い合っていたビジネスパートナーたちに出会いました。ルールは、集めた名刺の数が一番少ない人が、その週の夕食を他のパートナーに奢るというものでした。彼らはこのネットワーキング戦略にかなり自信を持っていて、得意気にその方法を語っていました。私は彼らに、それが本当に良いネットワーキングの方法ではないことを伝えようとしたのですが、彼らには私の言いたいことが伝わらなかったと思います。

残念ながら、今でも、こうしたやり方を効果的なネットワーキングだと考えている人に出会うことがあります。拙著『Networking Like a Pro, 2nd Edition』の共著者であるブライアン・ヒリアード氏は、この問題に対して、解決できそうな案を示してくれました。

名刺集めは、バーリーにおまかせ

ブライアンには、バーリーという名前の犬がいます。バーリーは体重25キロの柴犬で、猫が苦手。見た目は、キツネにも似ています。バーリーは、よくしつけられた行儀の良い犬です。もし、あなたがイベントで名刺を集めたいけれど、名刺を集めるためだけにすべての時間を費やしたくないと思うのであれば、この方法はいかがでしょう。ブライアンから1時間20ドル(最低2時間、プラス交通費)でバーリーをレンタルして、次のイベントに参加してもらうのです。ブライアンが、バーリーの胴体に馬のサドルのようなカバンを取り付けてくれます。その片側には「ご自由に1枚お取りください」と書かれた札とあなたの名刺の束を入れ、もう片側には「ここに名刺を入れてください」と書いたポケットを用意します。

その後、ブライアンはバーリーを車でイベント会場に連れていき、彼だけを中へと送り出します。そして2時間後、名刺の束を携えたバーリーを迎えに戻ってくるのです。
バーリーはとてもよく訓練されていて、きっと誰からも可愛がられるはずです。ですから、きっと名刺の束をたくさん持ち帰ってくれると私は思います。

さて、バーリーが下げているポケットから名刺を取り出した後は、ちゃんと散歩に連れて行ってあげてください。これだけの大変な仕事を終えた後ですから、おそらくトイレに行きたくなっているはずです。とはいえ、バーリーは、本当にネットワーキングができたのでしょうか?

もちろんそんなわけはありません!名刺を大量に集めることが、どうして人脈作りになるというのでしょうか。ネットワーキングのイベントで名刺を集めることは、ネットワーキングではありません。

ばかばかしいと思うかもしれませんが、ビジネスのプロフェッショナルたちの多くが、このようなやり方でネットワーキングに取り組んでいるのです。それは、誰が最も多くの名刺を集めることができるかというゲームのようなもので、何の意味もありません。ネットワーキングのイベントで名刺を集めることは、ネットワーキングではなく、それはただの名刺集めであり、ビジネスを発展させる上で、有効な方法とは言えません。バーリーがイベント会場を走り回って、人々に彼と名刺を交換させるという状況を想像すれば、そのことがいかにナンセンスかは明らかです。

ネットワーキングイベントで誰かと出会ったら、まずは会話を交わしましょう。その人のビジネスについて、なぜその仕事をしているのか、商品やサービスがどのように人の役に立っているのかを聞いてください。その後、名刺をもらったら、必ずフォローアップしましょう。目的は、売り込むことではなく、さらに会話を重ねることです。そうすることで、お互いに有益なビジネス関係を築いていけるのです。

訳=川崎あゆみ


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Collecting Business Cards is NOT Networking」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/collecting-business-cards-is-not-networking/
翻訳:川崎あゆみ

2025/10/06

ネットワークミーティングやネットワークイベントで知らない人たちと雑談をしているだけだと、何が起きているのか何をすべきなのかを見失ってしまうことがありますよね。効果的なビジネスネットワーキングのために雑談をしてはいけないということではありません。しかしながら、効果的なビジネスネットワーキングとは、他のビジネスプロフェッショナル達と互いに有益かつ有意義な関係を築くことであり、雑談は、この目的を進める上であまり効果的ではないことが多いです成功しているネットワーカーは、限られた時間内で自己紹介と自分の仕事の要点を伝える必要があることを理解しているため、雑談が長引くのを避けるのが一般的です。

もしネットワーキングとリファーラルマーケティングを通じてビジネスを築いていきたいのなら、他者に伝わるメッセージを発信する必要があります。あなたは何者で、何を、誰に提供しているのかポジティブなメッセージを作り効果的に伝える必要があります。雑談を通じて繋がろうとするのではなく、効果的なメッセージによってあなた自身の位置づけを正しく行いましょう。そうすることで、あなたとあなたの会社がどのようであり、何を提供しているのかについて他の人にすぐ理解してもらえるため、結果として時間の節約にもなります。

時間をとり、あなた自身についてと、あなたの製品またはサービスを簡潔に説明した台本を計画的に準備しましょう。そうすることで、初対面の相手にも、あなたが提供できるものの価値を的確に伝えられるようになりますビジネスネットワーキングのミーティングに参加する際には台本を複数用意することをお勧めします。

自分自身と自分の仕事に誇りを持ちましょう。この例として、私はよくマーサ・タフト氏の素晴らしいフレーズを引用しています。彼女が小学生だった頃、何人かのグループの前で自己紹介をすることになったそうです。

「私の名前はマーサ・バワーズ・タフトです」

彼女は話し始めました。

「私のひいおじいちゃんは合衆国大統領で、おじいちゃんは合衆国上院議員でした。お父さんはアイルランドの大使で、私はガールスカウトの年少団員です」

適切かつ効果的な雑談はリファーラルパートナー候補との関係構築をもっと成功させるのに役立ちます。あなた自身のことを話した後は他の人のビジネスや仕事内容について質問するようにしましょうね。

あなたのメッセージを磨き、ネットワーキングのミーティングで披露するための有効な紹介文ができたなら、そのメッセージと制作経緯をコメント欄でぜひシェアしてみてください。あなたの経験が、誰かの助けになるかもしれません。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「The Right Type of Small Talk」を翻訳したものです。
原文:
https://ivanmisner.com/the-right-type-of-small-talk/
翻訳:丹野裕道(株式会社ディアス)