2026/06/08

「ネットワーキング」という言葉について考えてみましょう。この言葉は、今では使われすぎて、ビジネスプロフェッショナルたちも定義ができないほどです。多くの人が、ネットワーキングとは、ビジネス交流会や仕事終わりのビジネスイベントで、握手を交わし、名刺を集め、自分の名刺を配る、そんなイメージを持っています。残念ながら、多くの人はそれがネットワーキングのすべてだと本気で思っています。たしかに、そうした活動を「ソーシャルネットワーキング」と呼ぶことはできます。しかし、それをビジネスネットワーキングと決して混同すべきではありません。

BNIの創立者兼チーフ・ビジョナリー・オフィサーとして、私は、この38年間、ビジネスネットワーキングの定義が変化し、進化する様子を見てきました。私の考えるネットワーキングの定義は、こうです:「ネットワーキングとは、ビジネスを生み、知識を深め、影響力の範囲を広げて、社会に貢献するためのプロセスである」。

キーワードは、関係性

どんな種類のネットワーキングも、ビジネスを与え、受け取るための関係性を心から築きたいと望むことが成功への出発点です。ビジネスを得るためではなく、与えるためのネットワーキングでなければ、成功することは決してありません。

関係構築は、ビジネスにおける、最も重要な要素のひとつであるべきです。そして、その最善の方法は、狩猟ではなく、農耕です。すべては、関係性を耕すことに尽きます。つまり、関係性を花を咲かせるように育てようと時間とエネルギーを注ぐのです。優れた農夫は、いつ作物に手をかけ、いつ収穫するべきかをよく知っています。収穫しすぎたり、収穫を早まると、手元に何も残りません。しかし、農作物(あるいは、あなたのビジネスにおける関係性)に手をかけ続けることで、豊かに実り、大きな恵みをもたらしてくれます。

農耕型のネットワーキングを行うビジネスプロフェッショナルたちは、新しい人たちとの出会いを求めてネットワーキングイベントに参加します。そのイベントを、飛び込み営業の機会にはしません。誰かと出会い、関係を育てていくことの重要性を理解しています。連絡先リストに名前をひとつ加えるためだけに人に会う、「狩猟型」のネットワーキングとは、根本的に違います。

深い関係を築く

長年、私が言い続けてきたことがあります。人脈が1マイルほど横に広いものでも、深さが1インチしかなければ、強い人脈とはいえません。ビジネスの関係性を最大限に活かすためには、相手の名前や仕事内容、勤め先を知っているだけでは不十分です。深いネットワークとは、あなたがよく知っている人脈と、あなたのことをよく知っている人脈の両方を含むネットワークのことです。その人たちの家族、興味のあること、趣味や人生の目標なども知ることこそが、深い人脈を築く方法です。

ソーシャルキャピタル(社会関係資本)もまた、強い関係性を築くために重要な要素です。社会関係資本は金融資本に似ています。金融資本を増やすためには、投資をして資産を育てる必要があります。銀行口座からお金を引き出すためには、先に預けておく必要があります。人との関係性も、これとまったく同じです。特にリファーラルの関係においては、相手に助けを求める前に、まず自分が相手のビジネスを支援し、力になることが大切です。

ビジネスネットワーキングに対する2つの考え方

ビジネスパーソンのネットワーキングに対する考え方は、2つのタイプに分かれると思っています。多くの人が、現在の考え方としては、ネットワーキングは受け身のビジネス戦略であって、攻めるマーケティングツールではないと思っています。そのような姿勢では、ネットワーキングへの取り組みは、散漫で、効果も上がらず、時間とお金の浪費になってしまいます。時間とお金を浪費していると感じるのであれば、ネットワーキングを続けたいと思わなくなるのも無理はありません。

一方で、自分のビジネスにとって、ネットワーキングを攻めのマーケティングツールだと捉えている人たちもいます。その違いは? ネットワーキングをマーケティングやビジネスプランの重要な一部として位置づけ、目標を定めています。予算さえ確保しているでしょう。もっと大切なことは、毎日実践し、生き方にしていることです。自分のネットワーキングチームが、潜在顧客を見つけるために常に目を光らせてくれることがわかっています。どのような顧客を求めているのかを明確に絞り込む「ターゲットトーク」を実践することで、仲間たちから得られるリファーラルは、より質の高いものになります。

あなたが、積極的な姿勢と態度でネットワーキングに臨み、強くて、相互にベネフィットのある、志を同じくする人たちと関係性を築くことに集中すること。それこそが、あなたのビジネスネットワーキングを成功へと導く道です。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Successful Business Networking」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/successful-business-networking/
翻訳:川崎あゆみ

2026/06/01

家族、友人、同僚、パートナーなど、私達は人生において複雑に入り組んだ人間関係の中を進んでいきます。これらの関係は信頼・理解・効果的コミュニケーションを基礎として築かれています。長年の経験から、他のものとは比較にならないほど本当に大切なことに気づきました。人間関係の中で生じる問題の多くを解決する鍵は、明確で、オープンで、誠実かつ率直なコミュニケーションだということです。

私達の生活の中でよくあることですが、人間関係において難題や不和と直面した時、当事者本人に直接向き合うのではなく、ほかの人にその問題を話して気持ちを紛らわせようとしてしまいがちです。このようなコミュニケーションは、解決のためというより、不満を吐き出したり責任を押し付けたりする方向に向かいがちで、また関係の悪化を招く傾向にあります。私達の多くがこのパターンに陥りますが、これは非常に有害なパターンです。

長年、私の心に残っている賢明な助言があります。他人を指差すと、3本の指は自分のほうを向いている、というものです。この考え方はシンプルですが深く、私達の「関係」に対する内省と個人的責任の重要性を示唆しています。私たちは全ての問題を他人になすりつけるのではなく、その状況においての自分の役割や、自分自身がどう影響しているのかを見つめるべきです。

直接的なコミュニケーションの力

私は個人的な経験や仕事上の経験を通して、時には苦い思いをしながら学んできました。難しいこともままありますが、リファーラルパートナーと健康な関係を強め維持するための最も効果的な方法は、直接コミュニケーションを取ることです。つまりこれが、「他人に話すのではなく、当事者同士で話し合いましょう」ということなのです。問題や課題が持ち上がった時、最も適切な行動はそれを放置して、ゴシップや第三者との話によって問題を大きくしてしまうのではなく、正面から解決することです。

もしあなたがご自身の生活の中で懸念や困りごとを抱えているのでしたら、すぐに行動することをお勧めします。電話をかけ彼らに話をしましょう。Eメールを送りましょう。できれば対面で話す機会をお願いしましょう。お互いの考え方を理解し両者にとって有益な解決策を探るという意思をもって会話に臨みましょう。目標は責任の押し付け合いに陥るのではなく、持ち上がった課題を解決するために共に働くことであることを覚えていてください。

解決策に焦点を当てる

「解決策に焦点を当てる」というマインドセットを維持することはこれらの議論において最も重要です。過去の過ちにこだわり間違いを指摘するのではなく、解決策を探りポジティブに前へ進むことに集中しましょう。オープンな対話と積極的な傾聴を心がけましょう。これらは効果的なコミュニケーションの礎です。積極的に解決策を探り懸念を表明することで、あなたが相手との関係をいかに重視し、障害を乗り越えるために共に働こうとしているかを示すことになります。

対話の相手がリファーラルパートナーであったなら、このアプローチは特に重要です。リファーラルパートナーとの関係は信頼と相互支援の上に築かれ、両者がオープンかつ誠実にコミュニケーションすることで、より良く機能し、発展していきます。課題や誤解が浮上した時、これらを直接的に解決することで、パートナーシップにダメージを与えるような大きな問題に発展するのを防ぐことができます。

関係の維持や強化におけるオープンで誠実、かつ率直なコミュニケーションの力をいくら強調してもしすぎることはありません。難題または対立に対しては「他人に話すのではなく、当事者同士で話し合う」ことがとても大切です。そうすることで、私達は信頼と理解とコラボレーションの環境を育て、究極的には私たちの関係を健全で、しなやかで、相互に有益なものとして保つことにつながります。効果的なコミュニケーションは、解決、成長、そして周囲の人々とのより調和したコネクションに繋がる橋となることを覚えていてください。

あなたの人生の中で、話し合うことで状況を解決した経験、または課題について話をせず関係を悪化させた経験はありますか。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「My Advice: Talk ‘TO’ Each Other, Not ‘ABOUT’ Each Other」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/talk-to-each-other-not-about-each-other/
翻訳:丹野裕道(株式会社ディアス)