情熱的に、されど押し付けがましくなく

2022/05/18

情熱や熱意は、ビジネスで成功するための重要な要素です。これはビジネスネットワーキングにおいても同じことがいえます。しかし、あまりに一生懸命すぎる人は、相手に強引な印象を与えてしまうことがあります。それは自分の提供するものが、相手にとって本当に有益なものだと心から信じているからなのですが、その気持ちが強すぎて、周囲の人たちにプレッシャーを与えてしまうこともあります。でも人は何かを強いられたり、プレッシャーをかけられたりすると、そのメッセージが十分に耳に入って来なくなるものですよね。

意図を理解してもらう

相手とどう話し、どのように接するのか。これについては、自分が「こうしたい」という「意図」が大きく関わっています。自分が提供しているものの価値を信じていなかったり、必死さが表に出てしまうと、相手に強引だと思われたり、営業っぽい印象を与えてしまいます。そもそも相手の人生に影響を与えたいという愛と、価値を与えたいという気持ちを持っていれば、その純粋な意図は理解してもらいやすいはずです。

私が1985年にBNI?を始めたとき、最初の1年間で20のチャプターを立ち上げました。現在のような便利なテクノロジーもマーケティング用の資料もなく、私が使ったのは一枚の紙だけ。それも自分でタイプした1ページのミーティングアジェンダでした。

きわめて重要なことは、その一枚の紙に加えて私には「情熱」があったということです。私はリファーラルマーケティングという言葉を広めたいという情熱があり、もっともっと大勢の人がビジネスで成功できるよう役に立ちたいという熱い思いを抱いていました。私は、「燃えている、熱意のある人のほうが、知識を持った冷めた人よりもいい!」というフレーズのイメージキャラクターになったのです。

人をネットワーキングミーティングに招待する

これまでにBNIのメンバーがチャプターミーティングやネットワーキングイベントにビジターを招待したとき、ときどき目にしてきたことがあります。メンバーは実際のところビジターを招待しチャプター内のメンバーに引き合わせることに純粋に喜びを感じているだけなのですが、そのメンバーが熱心なあまり、招待された人たちは時に強引だと感じているかもしれないなというものです。

熱心さのあまり、「ねえ、このチャプターに来て、ぜひ誰々と会ってみて!」と言ってしまうこともありますが、もしかしたらちょっとやりすぎなのかもしれません。でもここで、「あなたのビジネスに役立ちそうな人を紹介したい」と言えば、それは相手にフォーカスしたものになりますよね。相手のビジネスに有益と思えるこの人を紹介したいという意図を伝えられたら、役に立ちたいという真意をよりはっきりと理解してもらえるはずです。

相手の言葉を理解する

人と会うときは、相手の置かれている状況に配慮することが大切です。あなたが、潜在顧客やクライアントに売り込んだり、話すときなどは特にそうです。彼らは、気持ち的にも、気力的にも、経済的にもあなたの商品やサービスに対してまだ準備ができていないかもしれません。しかし、将来の収穫のために、種まきをしておくことはできますよね。これは、ギバーズ・ゲイン?の理念に沿っていることで、たとえまだ彼らの準備ができていないとしても、出会う前に比べたら、共有した知識から得るものがあったり、役に立つ紹介などその人にとって喜ばしい状態になっているはずです。

また、彼らのモチベーションや行動スタイルを理解し、尊重することができれば、より深いレベルでつながることもできます。まずは、自分自身のスタイルを理解し、ほかの人たちの行動スタイルとどのように異なるのかの見極め方を学びます。そしてもっとも重要なことは、それら他の人たちのスタイルに私たちのやり方を合わせることです。私たちは相手が話す言葉を理解することで、より効果的にコミュニケーションをとることができます。

コミュニケーションのとり方が大切であるということを忘れないでください。相手の役に立ちたいという思いを胸に、熱意とエネルギーを持ってビジネスについて語ることによって、私たちの情熱は輝きを放つでしょう。

 

訳=川崎あゆみ