私は、これまでのキャリアの中で重要な決断が下せず苦労することが多々ありました。右に行くか、左に行くか。イエスと答えるか、ノーと答えるか。私はどちらかと言えば、ものごとを論理的に捉え、持ち合わせているデータを有効活用する傾向があります。しかし、それでも問題によっては、次に何をすべきかと苦しみ続けることがよくあります。
私は長い年月の中で、選択に困ったときは、自分の直観を信じればよいことを学びました。もっといえば2つのテクニックを編み出したのですが、はっきりとした決断を下せないときは、そのやり方が役立っています。
一旦考えることをやめる
まず1つ目のテクニックは、20年以上も前に気付きました。子供たちがまだ小さかった頃、バスキン・ロビンス(サーティワンアイスクリーム)の店で、子どもたちがどのフレーバーにするか全く決められずにいました。次が私たちの順番で、後ろに大勢の人が並んでいて、すぐに決めないといけない状況でした。そこで、私は子どもたちに目を閉じて、舌をつき出して大きく動かすよう言いました。あなたが私たちの後ろに並んでいるところを想像してください(笑)。大人に付き添われた3人の子どもが、目を閉じて舌を出してぐるぐる動かしているのです。私たちのことを、頭のおかしい親子と思った人たちもいたでしょう。ところが面白いことに、突然子どもたちはそれぞれにどのフレーバーにするのか私たちに知らせたのです。私が期待したのは、子どもたちが目の前にある全ての選択肢が渦巻く頭から一旦離れて、直観で自分が本当に欲しいものは何か選ぶことでしたが、まさにその通りになったのです。子どもたちはすぐに欲しいものを決めることができました(後ろに並ぶ人たちもみな喜んでくれました)。
さて、正直に言うと私がオフィスで決断することができないとき、実際には舌を出してぐるぐる回したりはしません(その瞬間に、誰かがオフィスに入ってくることを想像できますか!?)。ただ、心の中でそれをしています。判断材料は十分に揃っていても、なかなか判断ができないとき、椅子に深く腰掛けて心の中で舌を出し動かしているのです。そうすることで、第六感あるいは直観に語り掛けることができるのです。そして、多くの場合、やって良かったという結果になっています。
コインで決める
もう1つ、あなたが何かの決断ができないときにお勧めするテクニックをご紹介します。選択肢に関する全ての情報は揃った状態で、コインを取り出し、表ならこの選択肢、裏ならこちらの選択肢と決めます。さて、恐らくあなたは、「ちょっと待ってアイヴァンさん、博士号を持つあなたが、コインを投げて決めるなんて!?」と思っているでしょう。まあまあ、最後まで話を聞いてください。コインを投げ、どちらかの結果が出たら、しばらくゆったりと座ってあらためて先ほどの直観に聞いてみてください。そこで、もしちょっと違うと思ったり、不安を感じるようであれば、それは正しい選択ではありません。でも、結果にホッとしたり、満足であれば、コインの目がどちらであろうとその選択で行くべきなのです。このテクニックは、何か具体的に目に見えるものを使って直観と照らし合わせることで、意思決定の迷いを断ち切る方法なのです。
それでも、やはりデータや事実にしっかりと目を向けることが必要であることは忘れないでください。ただ、お伝えしたいことは、あなたの直観も同様に考慮に入れるべき時(そしてテクニック)があるということなのです。
直観は、あなたの内なる魂があなたに語りかけているのです。無視をせず、受け入れてみましょう。
訳=川崎あゆみ