私がよく受ける質問に
「会社組織やネットワーキンググループにおいて、素晴らしい文化を創るにはどのようにしたらよいでしょうか」というのがあります。これは、私がみなさんに語りたいトピックであり、素晴らしい質問です。文化は、その組織が息の長い成功を続けるために非常に重要な鍵になります。企業または団体においても最も重要なことの1つであり、組織における全ての階層にあてはまることです。成功するブランド創り、それを保つための姿勢、信念、ミッション、哲学を融合したものなど、文化形成に寄与する要素は、たくさんあります。
文化創生には時間がかかる
文化の創生は、旅であり目的地ではありません。一晩でそこにたどりつくことはできません。忍耐、辛抱が必要です。文化は、組織の伝統が組織の基本的な価値観を生み出し、その基本的価値観が組織文化を生み出すという3つのフェーズにおいて創り出されます。
私にとっては、文化の創造は、簡単なことです。第一にすべきことは、組織の健全な伝統を理解すること。次に組織の基本的な価値観を実践、共有、議論し、明文化する。これら2つのことを効果的に行えば、素晴らしい文化を創りだすことができます。
組織の全階層を巻き込む
異なる立場の人々が協力し合うことで、深く関わろうとする意識を強めます。組織内の全ての人がその組織のコアバリューを理解し、その組織の伝統を大切にすることで、その組織にとってプラスの文化を全員で築いていくことができます。37年前に私が設立した世界的なビジネスリファーラル組織、BNI®においては、組織全体で積極的に取り組むということにフォーカスしてきました。組織の課題に対処するフランチャイズ・アドバイザリー・ボード、組織に関する問題に対してフィードバックするファウンダーズサークル、全世界の組織に影響が及ぶ各種規程の検討に深く関与してもらうためにメンバーのみで構成された国際顧問理事会、そしてあらゆる層の人びとが漏れなく参画できるようにその他にもいくつかの組織を組成しています。深く関わることは、時に面倒なものですが、正しく行われれば、共に創り上げる文化を促すものになります。
文化は戦略を朝食にして食べてしまう
素晴らしい戦略を持ち、最低限の文化しか持たない組織の一員だとしたら、あなたは悪戦苦闘することになるでしょう。逆に戦略はそれほどでもないけれど、素晴らしい文化を持つ組織の一員であれば、首尾よくやれるでしょう。しかし、素晴らしい戦略と素晴らしい文化、その両方を兼ね備えた組織であれば、業界を率いる存在になれます。文化は、組織の成功のための隠し味であり、これまでに何度もお伝えしていますが、「文化は戦略を朝食にして食べてしまう」のです。
ビジネススクールでは、よく戦略について話され、戦略はフォーカスすべき重要なことだとしていますが、文化についての理解があまりなされていません。実は成功するためには、戦略よりも文化の方がさらに重要なのです。組織文化は、組織内の人々どうしの関わり、また仕える人たちとの関わり方に影響を及ぼします。企業内、BNIチャプター、あるいは他のビジネス組織における文化について、あなたの意見を聞かせてください。
訳=川崎あゆみ