ネットワーキング活動で退屈しない方法

2023/04/10

あなたが最後に参加したネットワーキングミーティングで、参加者たちが自己紹介をした時のことを思い出してみてください。

他の人たちの自己紹介は、興味深いものでしたか?

あなたが注目した人はいましたか?

魅力を感じる内容だったでしょうか?

あるいは、こう思いましたか?

「私は、本当に、この会話を続けないといけないのだろうか」と。

私たちは誰でも、退屈な会話を経験したことがありますよね。そのときの経験から、みなさんの多くが人との会話を退屈なものにはしないと心に決めることでしょう。自分との会話に夢中になって欲しいと強く思うようになりますが、そのためにはどうしたらよいのでしょうか。

人の心を動かす話をしよう

『アンナチュラル・ネットワーカー:誰でもネットワーキングで成功できる方法』の著者であるチャーリー・ローソンと私は、人の心を動かすようなストーリーを語ることの重要性についてよく話し合うことがあります。あなたが自分の仕事について話しているときに、相手に一生懸命聴いて欲しいのであれば、魅力的なストーリーを話すことです。チャーリーは、ディーナというBNI®メンバーの話をしてくれました。

ディーナは、イギリスのヨークシャー州を拠点に、短期滞在型の物件に特化した不動産代理店を経営していました。ある日、彼女の元に電話がかかってきました。2月の冷たい雨が降る日の午後のことでした。ディーナは、電話の向こうで子どもたちが走り回って騒いでいるのを感じて、電話口の女性(ここでは「アン」と呼ぶ)がひどく動揺していることを察知しました。アンは、彼女のパートナーから、子どもたちと一緒に家を追い出され、ディーナに助けを求めて、電話をしてきたのでした。「急なことで、普通はこんなことは、ありえないことだと承知していますが、」と、アンは言いながらも、「今夜泊まるところが必要なんです」と続けました。

ディーナは、なんとか物件を探し、翌日にも詳細を詰めることを、苦境にあるアンに伝えました。そして、電話を切ろうとした時、ディーナはアンにこう訊きました。「今、どこにいるんですか?」と。

アンは、今、子どもたちを連れて道端にいること、スーツケースをいくつか持っているけれど、車もないことをディーナに伝えました。それを聞いたディーナは車でその場に向かい、アンと子どもたちを乗せ、アン達がなんとか生活できそうな仮住まいへ連れて行きました。

この話をした後、チャーリーは私に、ディーナに誰かを紹介するかどうか訊きました。私は、きっと誰もがそう答えるように、手放しで「もちろん!」と答えました。

相手の記憶に残りそうなことを伝える

ディーナは、アンたちが深刻な状況にあると察知し、何かできることがあるはずだと考えたのでした。

ネットワーキング活動における会話で、普通の不動産代理店であれば、「短期賃貸や即入居できる物件も紹介できますし、入居時リストの作成から必要なサービスは幅広く提供できますよ」と言うでしょう。でもそれでは、不動産代理店のサービスの売り込みにはなりませんね。

このようなサービスを販売するためには、私たちがその代理店を安心して紹介できるという裏付けが必要です。ここで必要なのがストーリーテリング、つまり物語を話すことなのです。ストーリーを語ることで、記憶に残り、その後の会話の中で、また話題になる可能性もあります。今度、誰かから不動産代理店について訊かれたら、私は、誰のことを思い出すと思いますか?

私たち自身が、この話にあったような状況に身を置いていないとしても、このストーリーを聞けば、当事者がどんな気持ちでいたのかを理解することができます。アンは確かに家族が定住できる家を見つけられましたが、一番心を動かされたのは、ディーナがどのようにして困った状況にあった見込み客にサービスを提供したかということです。

自分を覚えてもらえるようにする

ストーリーテリングは、あなたが提供する製品やサービスについての単なる情報よりも、人の興味をひき、記憶に残りやすく、誰かに紹介しやすいものです。私たちがネットワーキングイベントに参加する理由は、リファーラルを通じてビジネスを築き上げるためだということを忘れないようにしましょう。

そのためには、ネットワーキングパートナーに、紹介者を見つけるための手段を提供する必要がありますが、その一番良い方法がストーリーを語ることだと思います。チャーリーがよく言うように、説得力のあるストーリーは、「人の心を動かし退屈させることはない」のです。

あなたは、ネットワークパートナーがあなたのビジネスを他の人に紹介しやすくなるように、ストーリーを使ったことがありますか?

訳=川崎あゆみ