ビジネスネットワーキングで成果を挙げるためには、ネットワーキング仲間との関係を構築することだと数年にわたって話してきました。通常の定例ミーティングに参加するのは当然ですが、ほかにも仲間のメンバーと1to1ミーティングを行うことは不可欠です。
ミーティングに参加することで、仲間のビジネス、商品やサービス、その顧客を深く理解できるようになり、あなたの知人に対してどのように紹介したらよいのかがわかるようになります。仲間があなたを紹介する場合も同じです。
しかし、中にはネットワーキングパートナーとの1to1ミーティングを断る人がいます。私はフロリダ州中西部地区BNIトレーニングチームコーディネータのティファニー・ケロッグさんと「1to1ミーティングを断ってもいいときはどんなときか」について話し合ったことがあります。当然、答えは「どんな場合でも断ってはだめ」です。1to1ミーティングを断るなんてありえません。その仲間からのリファーラルを期待するのであれば、なおさらです。
1to1ミーティングの目的とは
1to1ミーティングのゴールは、認知(Visibility)から信頼(Credibility)、そして利益(Profitability)の3つの段階、つまりVCPプロセス®を経てネットワーキングパートナーとの関係を構築することです。もし1to1ミーティングを断ったり、忙しすぎて仲間との時間はとれない状況であれば、その関係は止まってしまいます。考えてみてください。1to1ミーティングをする時間もないほど多忙な人が、私が提供したいと思っているリファーラルに対応するための時間をどのように確保するのでしょう?
たとえ1to1の相手が、自分にとって多くの貢献をしてくれる人ではなさそうだ思ったとしても、ミーティングから何が生まれるかわかりません。私は、以前あるビジネスミーティングに参加したとき、大学生の隣に座ったことがあります。そのとき、まずこう思いました。「参ったな、学生の隣に座ってしまったけど、どうしよう。一緒に座りたいビジネスパーソンがこれだけいるのになあ」 。でも次に思ったことは、この学生に話しかけてみようということでした。自分はネットワーキングのエキスパートなのだから、彼女とネットワーキングをしようと。その学生に色々なことを質問するうちに、彼女も打ち解けてくれました。
その後、何が起きたと思いますか?ミーティング終了後、参加者の一人が私に近づいてきて「ありがとうございました」と言ったのです。私が「なぜ私にありがとうとおっしゃるのですか?」と答えると、彼はこう話しました。「あなたのように私の娘に話しかけてくれる人は、誰もいませんでした。みんなビジネスパーソンの隣に座りたかったはずです。でも、あなたは娘と気さくに話してくださいました。この夕食会であなたがそんな風に接してくださったことに本当に感謝しています」。結果として、私は彼女の父親とはほとんど話はしてなかったのですが、いい関係を作ることができました。同じように1to1ミーティングが、どこにどんな風に繋がっていくのかなんて誰もわかりません。
1to1ミーティングが実施しやすくなるヒント
- 十分に余裕をもって日程を決める。お互いに都合の良い日を選びましょう。1to1ミーティングはお互いに準備をして臨める時の方が、さらに実りあるものになります。
- 繁忙期を外して計画する。税理士であれば税務申告の時期、小売店経営者であれば年末年始など、業種によっては、一年の中で多忙になる時期があります。時間的な制約があるという事情に配慮すると仲間から喜ばれます。
- ミーティングの目的を明確にし、進め方を決める。ミーティングをする目的は何か、どんなことを達成したいのかなど、相手に訊いてもいいでしょう。特に初めてのネットワーキングパートナーとのミーティングでは、GAINSワークシートを事前に交換して、それを活用しながら進めるととても効果的です。
- 同じ日、同じ場所で複数の1to1ミーティングを設定する。そうすることで日によって異なる場所にあちこち移動する時間が節約できます。オンラインであれば連続してミーティングを設定することもできますね。週の中で1日か2日をリファーラルパートナーとのミーティングの日に決め、時間を確保しましょう。
- ミーティングの誘いを受けたときは、何を話したいのか、どのくらいの時間が必要なのかと質問しても構いません。ミーティングの意図を確認することで、いつ予定するべきなのか、1to1ミーティングが必要なのか、ちょっとした会話程度で済むのか判断しやすくなるはずです。
ビジネスネットワーキングは、時間をかけて真の信頼関係を構築することです。ネットワーク仲間のことを知るために、生産的でリファーラルを生み出す1to1ミーティングをするわけですが、そうした時間と労力を投資することがネットワーキング活動を成功させる鍵となります。
訳=川崎あゆみ