ビジネスネットワーキングはマラソンであり、短距離走ではない

2023/08/07

プロフェッショナルな人間関係を構築し、ビジネスを成長させるためには、ネットワーキングが極めて重要な役割を果たします。ネットワーキングを基盤とする組織であるBNI®の創立者として、私はその変革力を直接目の当たりにしてきました。ネットワーキングは、単に名刺を集めて、手っ取り早く人とのつながりを作る短距離走ではなく、忍耐力と粘り強さ、そして誠実な人間関係を育むことが求められるマラソン(長距離走)のようなものです。本日は、私のキャリアを通じて提唱してきた原則と哲学を具体的にお伝えしながら、なぜネットワーキングが短距離走ではなくマラソンであるのかを探っていきます。

真の人間関係を築く

ネットワーキングは、単に連絡先を集めるのではなく、真の人間関係を構築することです。相手をより深く知るために、時間を費やし努力を重ねることが不可欠です。お互いに理解し合い、信頼できる真のつながりを築くには、長期にわたる関係構築に注力する必要があります。マラソン選手が長距離走に耐えるためにトレーニングを行うように、表面的ではないつながりを仲間と育みながら、一貫して関わりあい、その関係を継続していくことがネットワーキングにも求められます。

信用と信頼を確立する

ネットワーキングにおいて成功する人は、プロフェッショナルが集まるコミュニティでは、信用と信頼を確立することが重要であることを理解しています。これは一朝一夕に達成できるものではなく、一貫した努力を重ね、自分が信頼してもらうに足りる存在であることを時間をかけて示すことが求められます。ミーティングに常に出席し、約束を守り、人に価値を提供することによって、あなたが信頼される人材であり、その分野の専門家としてのポジションが確立されるのです。こうした評価は、急ごしらえで得られるものではありません。マラソンのようなネットワーキングの長い旅の過程で培われるものです。

リファーラルの力

リファーラルはビジネスネットワーキングで成功するための生命線です。しかし、直ぐに得られるものではありません。マラソンを完走するために必要なスタミナと同じ様に、リファーラルを得るには時間と確固たるネットワークの基盤が必要です。つながりが強くなり、信頼が深まるにつれて、仲間たちはそれぞれの知人にあなたのサービスや商品を薦めてくれるようになります。関係性が育まれ、仲間たちがあなたの能力が確かなものであると確信できるようになれば、リファーラルは自然に生まれます。このプロセスは、時間をかけるべきものであり、ネットワークが拡大し、あなたの評判が広まるにつれて徐々に展開していきます。

つながりの深さ

短距離走は、素早くエネルギーを作るものであるのに対して、ネットワーキングはつながりの深さに根ざすものです。短期間でつながった人の数が大切なのではなく、つながった人たちとの関係の質と深さが重要です。相手自身のこと、その人が必要としているもの、願っていることについて時間をかけて理解することによって、相手が本当に必要としているサポートができますし、その人にとって必要な人材になれます。このように人と深くつながることで、短期的な付き合いの中からでは生まれにくいコラボレーションやパートナーシップ、そして長期的なビジネスの機会がもたらされるのです。

辛抱強さと長期的な視点を持つ

ネットワーキングは、辛抱強さと長期的な視点を持つことを必要とされる旅です。あなたの掲げる目標が達成できると信じ、喜んで手助けをしてくれるような信頼できる人たちが集まるネットワークを構築するには時間がかかります。マラソン選手のように、自分の走りが遅く感じられたり、ゴールが遠く感じる時もあるでしょう。しかし約束を果たし、常にやるべきことに注力し続けることで、短距離走のような活動では決してもたらされない貴重なご褒美を手にすることができるでしょう。

 

ビジネスネットワーキングは、紛れもなく短距離走ではなくマラソンであるといえます。献身と忍耐、信頼と信用を基盤とした本物の関係性を培うことを必要とします。ネットワーキングは、長期的に努力することが大切であることが理解できれば、それによってチャンスが作られる、協力関係が育まれる、最終的にビジネスで成功できるという、ネットワーキングの持つ真の力に気づくでしょう。では、ネットワーキングという靴を履いて、マラソンに挑み、成功への道を進むための原動力となる持続的なつながりを築いていきましょう。

訳=川崎あゆみ