もちろん、イエスです。ビジネスネットワーキングは、仕事上での成長や成功を遂げるための重要な要素です。あなたが自営業者であろうと、企業で専門業務に従事する社員であろうと、新たなビジネスを紹介してくれるネットワーキンググループを探すために時間と労力をかける価値があると思います。もし現在、あなたがお勤めであれば、会社の経営者に対して、自分がそのようなグループで活動することでビジネスの拡大を図ることが可能であることを説得するのを試みることをお勧めします。以下のストーリーは、ネットワーキングがあなたにとってどのように有益な手法であるかということの実例です。

銀行支店長の勝利：ネットワーキングのサクセスストーリー

数年前のことですが、私は、とある銀行の支店長と出会いました。当時、彼は上司に対して、ＢＮＩチャプターに参加すれば支店の営業成績を上げることができるということを説得しているところでした。その上司は、気乗りしないながらも試験的に彼の入会を認めました。入会後間もなく、支店長はリファーラルを受け取るようになりました。数か月後、仲間のメンバーが極めて良質のリファーラルを彼に出してくれたのです。それは、今の取引銀行のサービス内容に不満を持つ男性でした。支店長は、早速その男性の会社を訪問したところ、彼は支店長に取引している銀行から行き届いたサービスを受けていないことを話しました。支店長は、自分の銀行はサービスには自信があることを彼に断言し、携帯番号と自宅の電話番号を渡し何か困ったことがあれば、自宅でも銀行でも昼夜を問わず連絡が付く旨を伝えたのです。その男性は、支店長に来社してくれたことに感謝し、あらためて連絡すると返答しました。

2日後午前9時ちょうどに、その男性は複数の預金通帳と小切手帳を持って支店の前に現れました。支店長は入口で彼を出迎え、支店に足を運んでくださったことに対して感謝しました。その男性は、支店長の応対に感銘を受け、口座を支店長の銀行に移すことに決めたことを告げました。さらに支店長が驚いたのは、新たな支店顧客となった男性は、当座預金口座、普通預金口座、マネーマーケット口座（ＭＭＡ）の総額95万ドルを超える資金を委ねてくれたのです。すべての手続きが完了し、その男性は今回共通の友人から紹介を受けたことがどれほど嬉しかったかを支店長に伝えました。

リファーラルの話題が拡散

私がこのストーリーを最初に耳にしたのは、私のオフィス、つまりBNI本部からでした。アメリカの南カリフォルニア地区にある、さきほどの話に出てきた銀行の全支店長から本部に電話がかかってきたのです。どの支店長も、自分の地域にあるBNIチャプターの情報を知りたがっていました。95万ドルのリファーラルを受けた支店長が、どのようにこの紹介を手に入れたのかを上司に話したところ（覚えてますよね、例の渋々だった人です）、この上司は配下の全ての支店長に電話し彼らに次の2週間以内にそれぞれ地元のBNIチャプターへ入会することを指示したのです。効果的なネットワーキングの変革力は、事業を行う個人の成功を後押しするだけではなく、組織改革を促進させるきっかけとなったのです。

社員への教訓：説得力と自発性

会社員として働かれている皆さんにとって、支店長勝利の話は貴重な教訓となります。特に重要なのは、上司を説得することです。上司にビジネスネットワーキングの価値を分かってもらうことは、最初のハードルです。私はビジネスネットワーキングへの参加を切望する人と話しましたが、上司からは予算に制約があり、会社として費用の負担はできないことを理由に入会を認めないと抵抗されました。でもひるむことなく、如才のない営業マンである彼は、彼個人で会費を支払い、ひと月内に売上に繋がるリファーラルを2件獲得できたら会費を会社に支払ってもらうという説得力のある提案をしたのです。上司は「もし2件の成約につなげたら、会社で会費を支払うよう取り計らうよ」と答えました。

成功する見込みが立ち、大いにやる気を持った営業マンは最初の月末を迎えるまでに3件の契約を獲得し、さらに4件の契約を見込むことになりました。約束通りに、上司は初年度の会費を精算し、この営業マンのネットワーキング活動からもたらされた目に見える成績を認め、次年度の更新費用も支払ってくれたのです。このエピソードは、企業内でネットワーキングを支援する環境作りにおいて、個人の自発的な行動と説得力のあるコミュニケーションが変革を起こさせる影響力を持つことが明確にわかるものです。

ネットワーキング　―　文化的変革

その支店長が成功したことと、それに続く組織の対応の仕方は、企業内文化を変革させる可能性があることを明確に示しています。当初はネットワーキングという考えに及び腰で乗り気ではなかった上司を配下の全ての支店長を各地区のＢＮＩチャプターに入会させるほど前向きな姿勢に変革させました。この変化は、ネットワーキングが単に個人の業績よりも組織全体にとって戦略的な優位性になり得るということを示しています。

ネットワーキングの価値を認め推進する文化を作り出すためには、リーダー層によるサポート、一貫性のあるコミュニケーション、目に見える結果を明示することが大切です。個人のネットワーキング活動から生まれたサクセスストーリーは、より大きな利益をもたらすことを雇用主に納得してもらうための強力な手段になり得ます。ビジネスネットワーキング活動を積極的にサポートし推進する組織は、社員間のイノベーションやコラボレーション、コミュニティ意識の高まりを促進しやすい傾向があります。

バーチャルプラットフォームとグローバル展開

現代のデジタル時代においては、ネットワーキングの環境は昔ながらの対面での交流を越えて広がっています。バーチャルプラットフォームやオンラインコミュニティは、地理的な境界を超えて、グローバルに専門家たちを結びつける手段を提供しています。対面のネットワーキングも依然として重要である一方で、デジタル空間には、個人のネットワークを拡大し、多様な領域の視点に接する、デジタルならではチャンスがあります。このデジタル変革を受け入れることで、個人も組織もグローバルネットワーキングやビジネスの機会を利用することができるのです。

ネットワーキングの持続性のある効果

銀行支店長の成功は、戦略的なビジネスネットワーキングの効果が長期にわたって続くことを示しています。あなたが個人事業主で独自性を切り開こうと努力を重ねる専門家であっても、大企業に勤め協業の文化を作り出そうとする社員であっても、ネットワーキングはかけがえのない資産なのです。

このブログのストーリーから得た教訓は、個人の成功に留まらず組織の成長や文化の変革にまで及びます。ビジネスネットワーキングの可能性を認識し、積極的に専門的な関係構築を目指すことで、個人や企業も同様にファーラルを得るための新しい扉を開くことができます。個人事業主であるか企業に勤めているかにかかわらず、新たなビジネスを紹介できるネットワーキンググループを探し始めることをお勧めします。

訳＝川崎あゆみ