最近、ある人から「仕事のオファーを2つもらったのですが、どちらがよいでしょうか」とアドバイスを求められました。「どちらも素晴らしい機会のようですね」 と答えましたが、決めるのはなかなか大変ですよね。そこで私は、「このような大切で興味深いことを決める際には、主観を少しだけ客観に変えてみるのが役立つかもしれません」とアドバイスしました。
その方法として、デシジョンツリーエクササイズというものを提案しました。実は私、マネジメントの授業でこれを教えていたことがあります。皆さんも何かしらのデシジョンツリーを見たことがあるかも知れませんが、今回ご紹介するものは、より包括的なものです。
- スプレッドシートを作成し、最上部に職業を2つ入力します(下記の例を参照してください)。
- 左側に、全ての基準をリストアップします。これらは、それぞれの職業を検討する際の評価項目です。
- そして重要な部分になりますが、 意思決定における各基準の重要度を、1から10のスケールで評価します(1=低い、10=高い)。そしてこれらの数字を左に羅列された課題の右側へそれぞれ入力していきます。
- 選択肢した2つの職業に関連づけながら各課題を評価します。つまり隣り合った2つの選択肢の各項目へスコアを入力していきます。
- 次に、各基準の重要度と、各職業選択肢に付けたスコアを掛け合わせます。
- 最後に、各選択肢のスコアを合計します。
一方のスコアが他方よりも明らかに高い場合、高いスコアの方を選ぶべきかもしれません。
検討すべき他の事項
- ライフスタイル。どちらの職業がより良いライフスタイルを提供してくれるでしょうか? 例えば、どちらかの会社で面白い場所への海外出張の機会が提供される場合、それを検討する価値があるでしょう。
- 役職・肩書。将来の履歴書に書けるような、より魅力的な職位を与えてくれるのはどちらでしょうか?
- 成長の機会。どちらの会社がより多くの成長の機会を提供してくれるでしょうか?
- ストックオプション。どちらかの会社が自社株購入権を提供しているかどうか?
意思決定において客観的なプロセスを用いることには価値があります。しかし同時に、自分の本能に耳を傾けることも重要です。私は長年のビジネス経験を通じて、客観的なデータを見ることと、自分の本能の声に耳を傾けることの両方をバランスよく行う術を学んできました。 本能とは、あなた自身の魂があなたに語りかけているものだと、私は信じています。
訳=丹野裕道(株式会社ディアス)