職場での「卵の殻を踏むような会話」 

2026/07/06

サム・ホーンは、親友で、間違いなく素晴らしいストーリーテラーであり、ライターです。今日のブログは、彼女の近著『卵の殻を踏むような会話:難しい会話にソフトに対応するスキル』の一節をシェアできることを光栄に思います。

この本を躊躇なくお勧めします。みなさんもこの本を絶対に気に入ると思いますし、私自身とても気に入っています。

「言葉は、良くも悪くも波紋を広げます」 byサム・ホーン

難しい状況にその場でどう対応すればよいか、家に帰りながら、「あのとき、こういえばよかった」と考える代わりに、その場で、最適な返答ができたらと思いませんか? できるんです。

それは、私が編み出したコミュニケーションアプローチ「Tongue Fu!®(タング・フー!)」(Tongue=「言葉」と中国の武術「カンフー」を掛け合わせた造語) です。私たちが日々直面する人としての器を試されるような状況において、何を言い、何を言わないかを教えるものです。このアプローチは、特に自営業で、お客様や従業員、ベンダー、市職員、行政機関を相手にビジネスをしている人にとても役に立つ方法です。

言葉ひとつ

ここで、言葉を1つ変えるだけで、好ましくない状況を好転させることに役立つという例をお伝えしましょう。

かつてスタッフ向けのトレーニングを行ったことのある医療センターに、数年後に訪れた時のことです。センターに入っていくと、私を見た受付担当者が手招きして私を呼び、彼女の机にテープで貼ってあったカードを指さしました。そこには、「使わない言葉/使いたい言葉」と書かれていました。

彼女は、こう言いました。「私は、あんなに感じよく対応しているのに、どうして人は失礼な態度をとるんだろうとずっとわからずにいました。でもあなたのコースで学んでから、気づいたのです。私は、いつもあなたのいう「対立を招く言葉」を使っていたんです。例えば「問題」という単語です。何も考えずに使っていた単語でしたが、あなたは、「問題など起きていないのに、あたかも問題があるかのような印象を与えている」と指摘していたのです。

こんなときあなたは?

・従業員があなたに話しかけてきたとき、「何か問題でもありましたか?

・ミーティングを終えるとき、最後に「話しておくべき問題は、ほかにありますか?

・委員会のメンバーからゴーサインを求められたとき「問題ないと思います

・誰かのアイデアが機能しないと指摘するとき、「問題は、‥‥‥

・顧客からのクレームに対して、「問題について、承知しました

・誰かからお礼を言われたとき、「問題ありませんよ

問題という言葉の定義は、「望ましくない、有害で、克服すべき事柄や状況」です。

ビジネスオーナー、エリアマネージャー、チャプターのリーダーとして、組織の雰囲気を作るこの定義を理解しておくことはとても大切です。私たちは、BNIカルチャーの流れをつくるドミノの最初の牌です。

相手が歓迎されていない問題があると思わせるような言葉を習慣的に使っていると、自分の話を聞いてもらえていない、存在を認められていない、尊重されていない、価値を低く見られている、そんな気持ちにさせてしまいます。誰しも、自分が問題扱いされているとは、感じたくないはずです。

言葉は大切

どんな言葉であっても大切です。

言葉は、人を助けることもあれば、傷つけることもあります。そして、「問題」という言葉は、問題を生みます。この「problem(問題)」という“問題のある言葉”を手放しましょう。次回からは、

・時間がありますか?と聞かれたとき、「もちろん、どんな話ですか?

・ミーティングを終えるとき、「終了する前に、話しておきたいことはありますか?

・誰かから許可を求められたとき「もちろん! ぜひ進めてください

・計画が機能しないと思ったとき、「他に選択肢は、ありますか?

・誰かが不満を口にしたとき、「お知らせくださってありがとうございます

・誰かがお礼を言ってくれたとき、「どういたしまして」「喜んで」「いつでも

ZoomでのトレーニングのQ&Aで、参加者のひとりが、「手」を挙げて、こう言いました。「昨夜、このことを知っていたらよかったと思いました」

「なぜですか?」

「私の息子が、大学から電話をかけてきて、『お父さん、今ちょっといい?』と言いました。そこで、私は、「もちろん、どんな問題なの?」と答えてしまったのです。

それでは、息子が家に電話してくるのは、何か問題があったときだけだと言っているようなものです。そんな印象を与えたかったのではありません。私たちは、何か問題があった時にしか話していないのか? 次回からは、「声が聴けて嬉しいよ、どうしたの?」と言います。

あなたは、いかがですか? 問題という言葉を使うのが習慣になっていませんか? もしそうなら、「CATCH and CORRECT(気づいて修正する)」と呼ぶ方法を試してみてください。

人に悪い印象を与える言葉を使ってしまったら、そういう自分にまず気づきます(CATCH)。そして、状況を前向きに進展させ、より良い方向へ導く言葉に置き換えて修正(CORRECT)しましょう。

きっと、やってよかったと思えるはずです。まわりの人たちもそう思うでしょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Talking on Eggshells – at Work」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/talking-on-eggshells-at-work/
翻訳:川崎あゆみ