今日は、ビジョンについてお話しましょう。ただ、それ以上に大切なのは、「実行すること」です。実行なきビジョンは、絵に描いた餅にすぎません。ビジョンは人を鼓舞し、力強く響きます。しかし、それだけでは不十分であり、時に危ういものにもなります。
はっきり申し上げましょう。ビジョンは大切です。実際に、ビジョンなくしては組織は方向を見失います。人も方向を見失います。ネットワーキンググループも方向を見失います。明確なビジョンは、進むべき道を示してくれます。人々が共感できる何か、信じられる何か、そして努力を重ねるべき目標を与えてくれます。でも、ビジョンだけだったら? それは、うまく言葉にされた夢にすぎません。そして夢がビジネスを築くのではありません。ビジネスを築くのは実行です。
ビジョンは、ワクワクするものです。人の感情を動かし、大きく、戦略的なものです。メンバーの前で、「グループの人数を倍にしよう!」とか「リファーラルの数を30%増やそう!」、「このコミュニティの中で、最高のネットワーキングチャプターになろう!」と言えば、メンバーもそれに反応します。うなづき、やる気になります。素晴らしく思えます。でも、その先はどうでしょう?
ビジョンと結果の間を埋めるものは、ただひとつ。実行です。
行動とは実際に行うことです。行動には、仕組みが必要です。規律とフォローアップが必要です。責任ある態度も伴い求められます。責任ある態度とはについてはっきりさせておきましょう。これは、あなたが誰かに対してするものではなく、誰かのためにするものです。責任ある態度とは、人の成功を支援するためのものです。
卓越さへのコミットメントも欠かせません。「卓越という選択肢があるのに、なぜ凡庸に甘んじるのか?」とこれまでにもお話してきました。卓越であることは自ら選ぶものであり、思っているだけでは意味がなく、行動によってはじめて示されるものです
ビジョンは方向性を示し、実行は動きを生み出す
シンプルに考えてみましょう。ビジョンとは方向性を示すものであり、実行することは、動きを生み出すものです。
ビジョンは、あなたがどこへ行きたいのかを教えてくれます。実行は、そこへ実際にどうたどり着くかを決めます。世界最高のGPSがあっても、ギアをドライブに入れなければ、目的地を想像しながら、駐車場にずっと止まっているのと同じです。
驚くようなビジョン、素晴らしいアイデア、そして人を惹きつける言葉を持ったリーダーを世界中で見てきました。しかし彼らには、まだそれを実行に移すリズムがありません。最後までやり切るための継続的なサイクルも、仕組みもありません。すると、やがて興奮は冷めていきます。それは、なぜでしょう。
なぜなら人は可能性だけではモチベーションを維持できないのです。前進している実感があってこそ、やる気が持続するのです。
これを私は、実行のギャップと呼んでいます。こうしたいと口にすることと、実際に継続して行動することの間に生まれる溝です。ビジネスにおける関係性が大切だと言いながら、ネットワーキングパートナーとのミーティングをセッティングしない。リファーラルは重要だと言いながら、ネットワーキンググループのメンバーに対して、効果的なリファーラルの方法を教えない 。文化を大事にしようと言いながら、ネガティブな言動を大目にみてしまう。それがギャップです。
耳の痛い事実をお伝えしましょう。実行することは華やかなことではありません。ビジョンが喝采を浴びる一方、実行は結果を生み出します。ビジョンは話題になりますが、実行は習慣を生み出します。そして、その習慣こそが成功を築くのです。
言葉にするだけではなく、進捗を管理するようになったとき、はじめて物事は成し遂げられます。なぜなら、測定するものは管理され、管理することで改善できるからです。
なぜ実行できないのか?
最初の原因は、複雑さです。私がよく「複雑さの呪い」と呼んでいるものです。機能、要素、バリエーションを増やし過ぎてしまう。仕組みがシンプルであれば拡大できますが、複雑にすると停滞を招きます。仕組みを作り変えるのではなく、仕組みに従いましょう。
2つ目にオーナーシップの欠如です。ビジョンには、全員が賛同するのですが、プロセスに責任を持つ人がいません。結果を出すために必要な行動に責任を持たなければなりません。
3つ目は、リズムがないことです。実行するためには、毎週、毎月、四半期ごとといったリズムが必要です。リズムと継続性がなければ、どれほど優れた戦略も立ち消えていきます。
そして4つ目は、責任ある態度の欠如です。ビジョンは人を鼓舞し、責任ある態度は人を成長させます。人は意図したレベルまで高まるのではなく、日頃の仕組みのレベルまでしか到達できません。 本当に結果を出したいなら、3つのものが必要です。ビジョン、仕組み、そして文化です。
どこに向かっているのかという明確なビジョンが、
そこにたどり着くための明確な仕組みが、
その過程でどのような人・組織になっていくのかを形づくる強い文化が、それぞれ必要です。
実行とは、継続することです。行動は、繰り返しです。基本的なことを何度も高いレベルで積み重ねることです。
ビジョンを持つことは誰にでもできます。しかし、永続的に残る何かを築くことができるのは、ごくわずかな人たちです。
レガシー(遺産)はアイデアだけで築かれるものではありません。時間をかけた、規律ある実行の上に築かれます。一貫性、仕組み、責任ある態度、そして行動を通して築かれていくものです。
ネットワーキンググループは、1回の素晴らしいミーティングで強くなるものではありません。毎週、毎月、毎年と積み重ねながら、メンバーが一貫して、ビジターを招待し、1to1を行い、お互いに学び合い、仕組みに沿って活動しているからこそ、強くなるのです。
それが実行するということです。
実行とは成功を何倍にも大きくする究極の力です。
だからこそ、ビジョンを持ちましょう。大きな夢を描きましょう。目標を高く掲げましょう。人の心を動かしましょう。
そして、いつも忘れないでください。実行なきビジョンは、単なる願いごとにすぎないということを。
この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Vision Without Execution is Wishful Thinking」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/vision-without-execution-is-wishful-thinking/
翻訳:川崎あゆみ