私は、自分がしている仕事が大好きです。人々が望む成功を達成するために、業績の向上と人脈構築を手助けすることに情熱を注いでいます。でもときどき、もっと成功したいと願っている人に出会っても、自分の状況を変えることに対して、あまり前向きではない人たちがいます。
彼らのこうした姿勢を、私は「成功の断絶」と呼んでいます。もっと成功を収めたいと思っているのに、成功への欲望と彼らが実際に選んでいる行動の関係性を認識しておらず、「もっとお金を儲けたい」と言いながら、その数分後には、今さっき自分がしたいと言ったことを実現するために必要な変化を起こすのは嫌だというようなことを匂わせるのです。
成功断絶している人からよく聞くのは、「アイヴァンさん、あなたはわかってない。そんなのうまくいかないよ。なんでかって言うと……」から始まって、次から次へと言い訳が続きます。
ネットワーキンググループでの現状満足
これと同様のことがビジネスのネットワーキンググループでも起きうることが、何年もの間見ているうちにわかってきました。
『ビジョナリー・カンパニー 2 – 飛躍の法則』の著者ジム・コリンズは、「greatの敵は、badじゃない、goodだ」と言っています。
ビジネス組織では、効果的なネットワーキングのために仲間との強い関係を築くことが重要ですが、同じグループ内で、仲間に対して成果を常に求め続けることが難しい場合もあります。
このようなグループの人たちに、「なぜ苦戦していると思いますか」と質問すると表現の違いはあっても、だいたい下記のような答えが返ってくることが多いです。
‐ ルールにちゃんと従っていないから、グループに緩みが出始めている。
‐ 本来許されないようなことを放置してしまっている。
‐ そこそこうまくいっているから、我々のグループは大丈夫。
“それくらいで十分”は、いずれ“転移性月並み症候群”につながっていきます。月並みであることを認めることが、往々にしてそのグループが抱える課題の原因になっていることがよくあります。ネットワーキンググループ、人、組織が月並みであることを受け入れたら、成長もパフォーマンスもそこで停滞してしまいます。偉大になるためには、自己満足に浸ってはいけません。
エクセレンスという選択肢がある
人は、水に似て、一番抵抗が少ない、つまり楽な道を探す傾向にあります。問題は、その楽な道が必ずしも成し遂げたい結果を得るためのベストな道にならないかもしれないということ。仲間から最良の結果を得たいと期待すれば、望む結果を手に入れることができるはずです。でも最良とはいえないものを期待し、それを良しとするなら、手にするものは、まさにその程度のものになるでしょう。
エクセレンスという選択があるのに、どうして月並みという選択をするのですか?
成功断絶を克服するには、エクセレンスを選ぶこと。自分自身でそれを選び、あなたがメンバーになっているリファーラルグループでそのことを話題にしましょう。望む結果と合致していない行動とはどういうものか、自ら探ってみましょう。変化することを心地よく思わないという状態から抜け出すことが、ネットワーキングの機会を存分に活用するためにまさに必要なことだということに気付きましょう。
ジム・コリンズは、「偉大さは、状況によって決まるものではない。偉大さとは、意識的な選択と自制心の問題である」と語っています。
訳=川崎あゆみ