あなたは、これまでに誰かの計画性のなさが原因で、問題に巻き込まれたことはありませんか? つまり、誰かの準備不足によって突然起きた問題を先方があなたに一緒に解決して欲しいと望むような状況です。
私は、ある人から重要な締め切りに間に合わせるために、「今すぐ」完成させる必要のある書類が送られてきたことがあります。実は、それは数か月前に私に送ることができた書類でした。でも当人たちの計画性が乏しく、締め切りギリギリになって私に送ってきたのです。通常であれば、私は気にも留めずに書類に記入して早急に送り返していたはずです。
でもこのとき私は、中米に出張中でした。そして24時間以内にテキサス州オースティンに戻り、ノースカロライナ州シャーロットにあるBNI国際本部でのミーティングに参加する予定だったのです。その後、休暇のためにネッカー島を訪れるつもりでした。
このタイミングで、私に連絡がつくはずがありません。しかも彼らは、私が出張中であることをしっかり認識していたはずです。それでも私にメールを送ってきただけでなく、私のアシスタント、私の妻も含め、全員に2日間で2回ずつメールを送っていたのです。
ミーティングの間に私は、この方にメールを送り、こう伝えました。「あなたが問題を抱えていることについては気の毒だとは思いますが、これはあなたの計画性のなさによって招いてしまったことであり、依頼の案件を他の案件より優先させることはできません。私への依頼のメールは、数か月前に送ることができたはずです。それにもかかわらず、締め切りギリギリになって連絡を入れ(しかも、私がこの多忙極まりない時に)、今すぐ対応してくださいということですよね。無理です。今すぐに対応することはできません」。
拙著『Who’s In Your Room?/あなたの部屋にいるのはだれ?』の中で、時に「NO/ノー」は、一言で済む言葉だと述べています。今回も同様です。(もちろん断る表現は他にもありますが、今回は「私は、絶対に対応しない」という意志を表すために、「NO/ノー」、つまり「無理です」という一言をあえて付け加えました)
この人の焦る気持ちも理解できます。でも自分たちの計画性のなさによって引き起こされたミスなのに、私は問題をポンと放り投げられたのです。私も過去に同じような経験をしたことはありますが、私のアシスタントはおろか、妻にまで何度も連絡を入れるなど、そこまでして仕事を終わらせて欲しいと何度も人に要求したことはありません。
計画性が乏しいことが原因で招いてしまった問題に対処するためのヒント
自分の計画性の乏しさによって誰かに迷惑をかけてしまう状況に陥った場合のアドバイスを挙げておきましょう。
・まずは心をこめて謝罪をすること:「誠に申し訳ございませんが、お送りするべき書類を見落としておりました。ご連絡が遅くなり申し訳ございません。もっと早いタイミングでご依頼すべきところ、私の不手際により、お送りできておりませんでした。ついては、本日お送りするメールに添付させていただきますので、〇月〇日までにお戻しいただくことは可能でしょうか。ご迷惑をおかけしていることは重々承知しておりますが、ご対応いただけますと大変ありがたく存じます」。
・アシスタントにCCを入れるのは、一度だけにしてください。何度も連絡することは控えましょう。
・配偶者を煩わせることは、決してしないでください。絶対にです。私の配偶者は、特に自分が関係していないことに巻き込まれることを快く思っていませんでした。
・依頼したものを入手できたら、感謝の気持ちを伝えます。もう一度、責任を持って、迅速に対応していただけて助かったことを感謝しましょう。
自分の計画が甘かったせいで、苦境に立ってしまった場合は、これらのヒントを参考にしてください。あなたに対して親切に敬意を持って、助けてくれた人には感謝の気持ちを伝えましょう。
逆にあなたが、誰かの計画性が乏しいことが原因で、迷惑を被ることになった場合は、「NO/ノー」と一言で伝えられることを覚えておきましょう。もちろん、もし可能であれば手助けしてあげてください。でも助けてあげられなくても問題ありません。自分自身の問題なのに人の問題にしようとする人がいたら、このブログを送るのもいいでしょう。それによって、あなたが伝えたいことを相手に理解してもらえるかもしれません。
訳=川崎あゆみ