自分のターゲットマーケットだけに特化したネットワーキンググループに所属していると、自分と似た人たちの集まりになりがちです。それは、よいことでしょうか?いえ、必ずしもそうではありません。似たような人たちが集まるグループは、いつも行動を共にし、人脈も重なりがちです。それでは、ネットワークも広がらず、多様性も限られます。もちろん、似たような人たちがグループ内にいることはよいことですが、同時に自分とは異なるタイプの人とつながることも重要です。まったく異なる業界や社会的なグループ、市場にいる人が、あなたのビジネスパートナーになりうる人を知っているわけがないと思い込むのは、大きな間違いです。相手が誰を知っているか、あなたにはわからないのです。
そのグループ内に、同じ顧客をターゲットとするメンバーが多くいたとしても、名簿だけでは、その人がリファーラルをもたらしてくれるかはわかりません。その人が誰を知っていて、どれほど質の高いリファーラルを紹介してくれそうかを知るには、しばらくそのグループで共に時間を過ごす必要があります。こうした情報は、チャプターミーティングの前後のオープンネットワーキングで、たとえば次のような会話を通じてわかってきます。「あなたの理想のクライアントについて教えてください」「どんな人と仕事をするのが好きですか、またそれはなぜですか?」「どんな仕事が一番好きですか?」成果につながるような関係を育むには、数週間、ときには数ヶ月かかります。それまでは、相手が誰を知っているか、あなたにはわからないのです。
似た者同士は、人脈も似てくる
社交を中心に形成されたグループは、同質的になりがちです。人が年齢、学歴、収入、職業、人種、居住地域、宗教、社会的地位などによって集まるのは、ごく自然な人間の習性です。自分と似た人たちと過ごすのは、会話がはずみ、似たような経験を持ち、情報や意見を交わしやすいものです。しかし、それでは新しい経験や新しいものの見方に触れる機会はほとんどなく、ビジネスやマーケティングに新たな道を開く機会もほぼ得ることはできません。
ビジネスネットワークを作りたいと考えている人に多く出会ってきましたが、「このマーケットを狙うには、自分と同じような人を周りに集めなければ」と思い込んでいます。その結果、では、どんな人が集まるでしょうか。自分とよく似た人たちです。自分のビジネスと非常に近い業種の人たちも含まれ、彼らは自分たちの持つ情報を共有したがらないこともあります。また、同じような人脈を持つ人たち、ときには、全く同じ人脈を共有しているメンバーもいます。リファーラルを生み出すことを目的としているのに、これほど似通った人たちでネットワーキンググループを作っても、たいていは効果が出ません。
ネットワークは、付き合いの深さこそ違っても、お互いに似た者同士の集まりの中で自然に形成される傾向があります。あなたの友人同士も、お互いに友人であることが多いものです。しかし、強力なネットワークを望むのであれば、明らかに異なる人脈、異なる種類のつながりが必要です。
鍵は多様性
リファーラルグループにおいて、多様性は非常に重要です。人種、性別、宗教、民族といった、いわゆる世間で言われる多様性だけでなく、業種の多様性も欠かせません。塗装業者を営む方が、ミーティングにオーバーオール姿で参加するという理由だけで、リファーラルネットワークへの参加を敬遠する人に会ったことがあります。しかし実際のところ、塗装業者をはじめとする建設・工事関係者の方々は、素晴らしい人脈を持っていることが多いのです。彼らは、誰の家を塗装し、どのような現場で仕事をしているのか、どんなつながりを築いているのか。そう、相手が誰を知っているか、あなたにはわからないのです。
多様に富む個人的な人脈を持つことで、ネットワークの中にコネクター、あるいはリンチピン(要の人)とつながれるようになります。リンチピンとは、複数のグループの垣根をこえて活動している存在です。他のグループの人たちとも共通する趣味や人脈を持ち、自分のグループと別のグループをいとも簡単に、そして自然につなぎ、その結果、グループを超えて人と人をスピーディにつなげてしまうのです。最も強いビジネスネットワーキンググループとは、あらゆる意味で多様なグループです。そういったグループほど、リンチピンとなる人材を多く抱えています。優れたネットワーカーは、できる限り多くのネットワーク間のリンチピンになることを目指します。
私は、異なる興味や背景を持つ人たちを含む、多様なプロフェッショナルのネットワークを築くことが大切だと信じています。その人たちがあなたやネットワーク内の他のメンバーと共通して持っておくべき唯一の条件は、それぞれの仕事において本当に優れているということだけです。相手のことをよく知るまでは、その人が誰を知っているかはわからない。そのことを忘れないでください。
この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「You Don’t Know Who They Know」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/you-dont-know-who-they-know-2/
翻訳:川崎あゆみ