2024/06/24

人と出会う理由

人と人とのつながりは、感情や経験、思い出という糸で織られたタペストリーです。生涯を通じて、人生の旅の中で長く影響を及ぼし続ける人物と出会うことがあります。その出会いの中には、生涯続く関係もあれば、人生のある時期においては得るものがある一時的なものもあります。人に出会うことには意味があるという考え方は、何かを学ぶため、個人的な成長を経験するため、あるいは自分の持つ考えに疑問を持たせるためなど、常に変化する人間関係について理解や気付きを与えてくれます。

偶然かあるいは運命か、人生の中で特定の人物が現れる瞬間があります。往々にして人生の岐路においてそうしたことが起きますが、その出会いが変革を起こしたり、物事が前進するときのきっかけとなります。障害を克服できるよう導いてくれる良き指導者であったり、困難な時期に癒しを与えてくれる友人であったり、人生観をすべて変えてしまうような見知らぬ人との出会いであるかもしれません。

例えば、あなたの意見に疑問を投げかけたり、新しい考えを持つことを促すことで、あなたがコンフォートゾーンから踏み出すため、後押ししてくれる仲間を思い浮かべてください。この関係は永遠に続くことはないかもしれませんが、交流の中で磨かれた知識やスキルは価値として残ります。同様に、大学時代のルームメイトや旅を共にする仲間のようにあなたの人生のある時期に築かれた友情は、期間は短いものかもしれませんが、印象はずっと残るはずです。

こうしたつながりは、自分自身への教訓となり、信念を形作り、将来取り組もうとすることへの準備にもなります。

人と出会うタイミング

季節が変わるように、私たちの人間関係も変化します。同じ経験をしたり、共通の関心事、あるいは互いに近くにいるということで、つながりが形成されることもあります。これらのつながりは、多くの場合、一時的なものではありますが、極めて有意義なものになりえます。このつながりを「関係」と呼んでいます。非常に深く、親密なものではありますが、そもそも長く続くものではありません。

幼少期の遊び友だち、サマーキャンプの仲間、あるいは新入社員時の同僚のような人生の様々な段階で育まれた友情を考えてみてください。その時の結びつきは深くかつ意味のある一方、長続きするかどうかは、多くの場合、状況に左右されます。人生が前に進み優先順位が変わることで、地理的な距離が遠くなり、関係が徐々に薄くなっていくものです。それでもなお、今挙げたような時期に共に作った思い出は永遠に残り、私たち自身を形作ります。

一生涯続くつながり

人間関係の中には、時が経っても変わらず続く、選ばれた少数のものがあります。それらのつながりは、年月を経るごとに深まり、尊敬や信頼、無条件の思いやりに根ざしたものです。生涯続く友情であっても、恋愛のパートナーであっても、その関係は私たちの人生において支えとなります。

生涯続くつながりは、私たちが誰かに受け入れられているという感覚を与え、人生の旅において安定感と心の栄養を提供します。また、私たちが良いときも困難な状況にあるときも見守り、揺るぎない支援をし、理解を示してくれます。ただしこの人間関係には、努力やコミュニケーション、妥協を必要とします。これらの関係からもたらされる恩恵は、絆が生まれる、思い出を共有する、あるいはお互いに成長できることなど、まさに比類のないものです。

感謝をもって一時的な人間関係を受け入れる

人との出会いには理由があり、一時的な出会いもあれば、一生の出会いもあるということを理解することは、人間関係を明確な意志を持って円満に進めていくことを可能にします。人とのつながりが持つ側面を受け入れることで、私たちはそのつながりを個人の成長、学びの体験、豊かさの源として価値あるものとしてみることができるのです。人間関係の価値に気付くことで、私たちはいつかくる必然的な関係の終わりを嘆くのではなく、共有する時間を大切に思うことができます。

一方で、つながりを育てるには時間、エネルギー、忍耐や弱さを投資することが必要です。人生においてこれらの人間関係を優先し、同時に境界線を引きつつ、コミュニケーションを維持することで、私たちは時間が経っても持ちこたえるような絆を培うことができます。これによって、私たちの人生は、計り知れないほど豊かなものになります。

人間関係を築く中で、よく生じる傾向を受け入れることで、精神的な回復力や適応力、そして感謝の気持ちが育まれます。それぞれの人たちが、何かの目的をもって私たちの人生に登場します。例えば、挑戦することや奮いたたせるものを教えてくれたり、あるいは私たちを愛してくれるためだったりしますが、開かれた心と開かれた考え方によって人間関係を築いていく力を与えてくれます。これまでに築いてきた一つ一つのつながりに起きた変化を受け入れ、感謝の気持ちをもちながら、相手に期待することを手放すことで、結果的に私たちの人生を真に豊かにする人間関係が築かれます。

私たちの人生を通じ、一時的な関係もあれば、長期間にわたる関係になるかもしれない人との出会いがあるという考えは、人間関係という複雑に織りなすものに対する深い理解を与えてくれます。これらのつながりは、一時的であろうと長続きするものであろうと、それぞれが私たちの経験や視点、そして個々の存在としての私たちを形作る上で役立っています。人間関係の本質を理解し、生涯続く関係を育み、すべての交流に意図を持ち、感謝を持って臨むことで、私たちは人生を大いに豊かにする真のつながりを育てることができるのです

人生を通じて人とのつながりの複雑さを乗り越えていく中で、全ての出会いを大切にし、関係の長さにかかわらず、それぞれの関係の価値と意義を認識しましょう。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「We All Meet People for a Reason, a Season, or a Lifetime」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/we-all-meet-people-for-a-reason-a-season-or-a-lifetime/
翻訳:川崎あゆみ丹

2024/06/17

目標設定は、あなたの事業を一定期間でどこまで成長させたいかを選択するための戦略です。難しいのは、自分の将来について現実的に考える必要があることです。たとえわずか数時間であっても、実際に時間をかけて考えてみてください。私が目標設定について話すとき、みんなまるで首振り人形みたいにうなずいて、「そうそう、目標を決める必要がありますよね」と言います。本当にみんながです。目標とは、あなたが行きたい場所を示すビジョンです。

これまで45年以上に渡って(そう、BNI®を始める前から)、毎年、年末に一年を振り返る時間を取っています。過去一年を振り返り、計画通りに実行できたかを確認するのです。達成できていれば、お祝いし、うまくいかなかったものは、その理由を分析します。さらに大切なことは、どうすれば達成できたかをじっくりと考えることです。そしてそこから本当のビジョン作りをします。翌年、そして3年から5年先に何を達成したいのかを考えるのです。最後に、10年後にどうなっていたいかを考えます。私は、この年に一度の作業を20代の早い時期に始めました。実際に、私自身その若かりし頃に40年計画を作成しました。その計画は、こちらでご覧いただけます。

実を言えば、5年を超えるものは経験に基づく推測にすぎません。それは私もわかっています。それはさておき、これは行動計画です。あなたがどこに向かって進みたいかというビジョンです。1年計画は、極めて具体的である必要があります。3~5年計画は戦略的でなければなりません。そして、5年を超える計画は、私の40年計画にあるように戦略性の高いものです。

3つのレベルで目標を設定する

私が目標設定をする時は、大抵3つのレベルで設定します。

高い目標

もし月と星が一直線に並び、すべての事が完璧、あるいは期待以上にうまく運び、この目標数字を達成できるでしょう。ちなみに多くの人が、このレベルに目標を設定しますが、極めて高い数字です。しかし、人は「すべてにおいて完璧を目指す」目標達成に常に苦労します。もし、この目標に到達することができれば、屋根の上で踊り出したくなるでしょう。

低い目標

これは、先ほどの高い目標と真逆です。もし、すべてがうまく行かなかった時、空と月が落ち、この世の終わりを迎えたら、どういう状態になりますか?あなたが達成できる最低レベルの目標は、どれくらいですか?その数字を設定しましょう。これは、地下1階レベル、つまり最低ラインの数字です。もし、この目標を達成できないようであれば、あなたは間違ったビジネスをしているのかもしれません。

中間の目標

これが実際に狙う目標です。この目標値は、高い目標と低い目標の中間にあります。少し高めかもしれませんが、私ならできるというもの。これこそが重要な目標です。私は自分にとっての高い目標と低い目標を理解した上で、この数字を世に示します。

あなたの行動計画

さて、ここであなたの設定した目標から逆算して考えてみましょう。これら3つのレベル、特に目指す目標を選び、1年以内に目標の100%を達成するために3か月後、6か月後そして9か月後にどこまで進んでいる必要があるかを決めます。あなたは、その目指す目標を達成するのに毎月どこまで進んでいるでしょうか。毎月の数字、毎月の目標に向かって取り組まないといけません。

自ら狙いを定めない限り、的には命中しないということを覚えておいてください。目標を定めそこへ辿りつくため毎月の小さなステップを明確にする必要があります。そうでなければ、半年が経過した後、自分の目標に近づくどころかほど遠いことに気付くことになるでしょう。

最後に、それらの目標についての行動計画を作成します。私は「引き寄せの法則」を本当に信じていますが、「action(行動)」という言葉は「attraction(引き寄せ)」に含まれていますよね。従って、あなたは行動を起こす必要があります。あなたが目標に向かう過程で何をすべきか、アクション・ステップを用意しておく必要があります。目標達成のために、特に3か月後、何を具体的にしなければならないでしょうか。6か月後、9か月後は?1年後は、どうでしょう?

人によっては、これほど目標を細分化するなんて馬鹿げていると思われるかもしれません。それでも、もしあなたが何を目指しているのかわからないと、決して目標達成することはできません。長期的な目標は、かなり遠くにあるように思えるでしょうし、すぐできるとは思えないほど大きすぎると感じるかもしれません。それを、より管理しやすい時間枠に分割することは、非常に有益なことです。

もし、あなたが逆算やアクションプランのための大切なステップを踏むことができなければ、達成可能な目標を設定することは極めて考えにくいでしょう。これらの戦略を活用した、今日の目標設定の取り組みが、将来あなたとあなたのビジネスを成功させるのに役立つでしょう。

この3つのレベルで目標設定したことはありますか? 


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Goal Setting NOW for Future Success」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/goal-setting-now-for-future-success/
翻訳:川崎あゆみ

2024/06/10

およそ40年前、私はプロフェッショナルとして成熟していく過程において、自分のキャリアがどのようになっていくことが望ましいかについて計画にまとめました。もちろん、人生は計画通りには運ばないものです。でも自らの道を切り開いていこうと壮大な野心を抱いている20代の若者に、そんなことを言えるでしょうか。

大学卒業後すぐに、私はキャリアを築いていく中で自分がどうなっていたいかというビジョンを書き出すことに時間をかけて取り組みました。ここで、卒業証書を手にこれから世界に飛び出す準備が整った大学卒業したばかりの人を想像してください。その年齢では、誰もが夜、ベッドに入った後、何度も寝返りを打ちながら、自分の人生がこれからどこに向かっていくのかについて考えを巡らせるものですが、私も同じでした。私は、自分の人生がこうなってほしいと願いながらリストを作成しました。

こちらが、私が思い付いたことです:

20代: 自分でお金を払って、学ぶ時期。すさまじい長時間労働を覚悟し、スポンジのように知識を得る。

30代: 自分のキャリアを確立する。どの専門分野の道を行くのかを選び、前進する。

40代: 事業を構築し、成長する時期。評判を築く。生涯学習を継続しながら、事業成長を加速させる。

50代: 自分の専門分野で頂点に立つ。専門分野で良い評判を得て、事業で成功を収めたい。

60代(それ以降): 経験を重ね、尊敬される良き指導者。情熱の中で仕事し、事業において戦略的なリーダーシップを提供することに時間を費やす。

そして私は、今ここにいます。今日(2016年6月30日)は私の60歳の誕生日で、私のリストの後半に差し掛かってきました。正直なところ、非常にワクワクしています。この人生は、思いもしなかった場所へ連れてきてくれました。その人生の道筋を変えてしまうことになった人に出逢い、私の考え方が根本的に変わるようなことを目にし、予期しないことを期待することを学びました。今でもまだ、私はビジョンを描くことが、現実を生み出すことにどれほど役立つかということに驚いています。

今日、私は将来のことを楽しみにしています。このブログをお読みいただいた皆さん、ありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです。


この記事は、Dr.アイヴァン・マイズナーによる「Life Lessons – A 40-Year Plan」を翻訳したものです。
原文:https://ivanmisner.com/life-lessons/
翻訳:川崎あゆみ