ビジネスネットワーキンググループについて話すときに、よく聞かれる質問のひとつが、「チャプターの毎週のミーティングは本当に必要ですか?」というものです。毎週のミーティングに参加することは、大きなコミットメントですが、毎回のミーティングに参加することを負担に感じる人がいるのも理解できます。
私はこの疑問を検証するために、1986年に月2回のみ開催するBNIのチャプターを7つ立ち上げました。興味深い試みではありましたが、時間が経つにつれて明らかな傾向が見えてきました。これらのグループは、毎週ミーティングを行うグループと比べて、リファーラルの数が52%も減少していました。残念な結果ではありましたが、それほど驚きもしませんでした。
そこで、私は月に2回のミーティングを行っているグループをそれぞれ訪問し、こう尋ねました。「もし、たった1つの簡単な変更で、受け取るリファーラルの数を2倍にできるとしたら、試してみますか?」。するとみなさん、「もちろん!」と答えました。では、私が提案した変更とは何だったと思いますか?それは「毎週ミーティングを行うこと」でした。データを示すと、7つのうち6つのチャプターが毎週ミーティングを開催することを決断しました。では、唯一変更しなかったチャプターはどうなったでしょうか?1年以内に解散しました。こうして1987年には、すべてのBNIグループが毎週ミーティングを開催するようになりました。
私はこの話を何度も語ってきましたし、『ギバーズゲインブック』にも書かれています。しかし、私がこれまであまり語ってこなかったのは、なぜ毎週のミーティングが、月2回のグループよりも2倍の成果を生み出したのかという理由です。あらためて考えてみたところ、毎週のミーティングがネットワーキングにおける成功において、決定的な違いを生む理由がいくつかありました。
1.間隔反復: 毎週ミーティングを行うことは間隔反復という一つの手法です。これは学習習慣を定着させ、継続的に関わることを促す手法で、科学的に証明されている手法です。たとえば、『Journal of Policy Insights from the Behavioral and Brain Sciences(行動・脳科学からの政策的洞察ジャーナル)』に掲載された2016年にダートマス大学で行われた研究では、間隔をあけながら反復することでよりよい成果が得られることが示されています。定期的に顔をあわせることで、スキルや人間関係を継続的に強化し、それがリファーラルの増加につながるのです。
2.「自然消滅」を防ぐ: 連絡を取り合わなくなると、関係は徐々に薄れていきます。それは、意図的に避けているわけではなく、単に時間が経ち、距離ができてしまうことで生じるものです。この現象を「自然消滅』と呼びますが、長期的な関係を築こうとする際には、大きな障害となる可能性があります。しかし、毎週ミーティングを行うことによって、この問題は確実に防ぐことができます。常に連絡を取り合い、人間関係を新鮮で活発なものに保つことができます。
3.習うより慣れろ: 何事も上達するには練習が不可欠です。同時に量をこなす必要があります。プロのアスリートが頂点に立ったからといって、トレーニングを止めることはありません。それは、ビジネスの世界でも同じです。毎週のミーティングは、ネットワーキングの技術の向上、学習、そしてきめ細かな修正を行うための貴重な機会となります。これは、ビジネスで成功するために必要なトレーニングなのです。
4.VCPプロセス®: Visibility(認知の段階)、 Credibility(信頼の段階)、Profitability(収益の段階)、―VCP®プロセスは、継続的なリファーラルを生み出すための人間関係構築の核となるものです。毎週のミーティングは、これらのプロセスを加速させる「パワー加速装置」のような役割を果たします。定期的にミーティングを重ねることで、認知と信頼を早い段階で築くことができ、最終的に利益につながります。
5.常に意識される存在になる: 毎週メンバーと顔を合わせることで、お互いの存在が常に頭に浮かぶようになります。ミーティングの日に彼らと会うたびに、プレゼンテーションやリファーラルを通じて、どのようにすれば仲間の役に立てるのかを考えるようになります。また、毎週ミーティングを開催することで、リファーラルを新鮮なうちにすぐに渡すことができます。時間が経てば経つほど、そのリファーラルは冷めてしまい、ビジネスチャンスを逃すことになりかねません。
これらすべてが、ビジネスの拡大につながります。理由は、単純明快です。定期的にネットワーキングミーティングに参加することで、より多くのリファーラル(そしてより多くのビジネス)を生み出すことを、データが何度も証明しています。ミーティングに継続的に参加することとリファーラルを生み出すことは、明確かつ顕著な相関関係にあります。
私は長年、ビジネスで成功するためには、1000のことを6回づつ行うのではなく、6つのことを1000回繰り返すことが大切だと伝えてきました。毎週のミーティングでネットワーキングスキルを磨くことは、この原則の実践例そのものです。メンバーを知り合いに紹介し続け、ネットワーキングの技術を磨き続けることで、生涯にわたる信頼関係が築かれ、あなたのビジネスに必要なリファーラルを安定的に生み出すことにつながります。
BNIのエグゼクティブチェアマンであり、元CEOのグラハム・ワイミラー氏は、この点について見事に表現しています。「BNIはネットワーキングのCrossFit(高強度のトレーニングを通じて総合的なフィットネスを向上させるプログラム)だ」と言います。私も全く同感です!
チャプターの毎週のミーティングを「ネットワーキングのトレーニング」と捉え、継続すれば、成果につながるでしょう。
注: このブログは、先にBNI.comに掲載された私の元記事を編集したものです。
訳=川崎あゆみ